「心筋梗塞」とは?症状・原因・兆候についても解説!【医師監修】

まいたけで血糖値は下がる?メディカルドック監修医師が食べ続けた際の効果や血糖値スパイクの抑制メカニズム、注意点、効果的な食べ方や質問を詳しく解説します。

この記事のまとめ

・まいたけは低エネルギーで糖質が少なく食物繊維を含むため、たんぱく質食品や野菜と組み合わせることで食後血糖値を穏やかにする助けとなる可能性があるが、「食べれば必ず血糖値が下がる」わけではない。

・まいたけ由来の「MXフラクション」などが糖・脂質代謝を改善するという情報もあるが、多くは動物実験や基礎研究の段階で、人での糖尿病治療効果を示す十分な臨床的根拠は確立していない。

・まいたけに含まれるβ-グルカンは食物繊維の一種だが、糖質を完全にブロックするわけではなく、ご飯や麺、甘い飲料を多く摂れば血糖値は上がるため食事全体の糖質量が重要である。

・血糖値対策には、まいたけを副菜として1日50~100g程度を目安に取り入れ、野菜・きのこ・たんぱく質のおかずを先に、ご飯などの主食を後に食べる順番の工夫が効果的である。

監修医師:
久永 香織(医師)

【経歴】
2015年宮崎大学医学部医学科卒業.東邦大学医療センター大森病院,東京蒲田医療センターなど勤務.糖尿病専門医,指導医,内分泌代謝専門医,内分泌代謝・糖尿病内科領域指導医,医学博士の資格を有する。

血糖値と食べ物の関係性とは?知っておきたいキノコと血糖値

血糖値は食事内容によって変動します。なかでも大きく影響するのが糖質の量や種類、食物繊維の量です。きのこ類は低エネルギーで糖質が少なく、食物繊維を補いやすいため、血糖値が気になる方の食事に取り入れやすい食品です。ただし、きのこを食べるだけで高血糖や糖尿病が治るわけではありません。

血糖値の基礎知識 糖質で食後の血糖値上昇の仕方は変わる

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。ご飯、パン、麺、いも、砂糖などに含まれる糖質は消化管で分解され、主にブドウ糖として吸収されるため、食後は血糖値が上がります。すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖を筋肉や脂肪細胞へ取り込ませることで血糖値を下げます。同じ糖質量でも、液体の糖や精製された穀物は比較的速く吸収されます。一方、食物繊維を含む食品を組み合わせると消化・吸収が緩やかになり、食後血糖値の急上昇を抑えやすくなります。ただし、食後血糖値は食べる量、調理法、運動、薬などにも左右されます。

血糖値スパイクによる健康リスク・糖尿病

「血糖値スパイク」は正式な病名ではなく、食後に血糖値が急上昇し、その後に低下する大きな変動を表す一般的な言葉です。食後高血糖を繰り返す状態は、酸化ストレスや血管内皮機能の低下と関係し、糖尿病や動脈硬化がある方では心血管疾患のリスクと関連します。ただし、一時的な眠気やだるさだけで血糖値スパイクと判断することはできません。糖尿病は、インスリンの分泌不足や効きにくさによって慢性的な高血糖が続く病気です。日本糖尿病学会では、空腹時血糖126mg/dL以上、75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、随時血糖200mg/dL以上などを「糖尿病型」としています。診断には原則として再検査やHbA1c、症状などを組み合わせます。

キノコ類の糖質・血糖値への影響

しいたけ、マッシュルーム、エリンギ、しめじ、まいたけなどのきのこ類は、一般に低エネルギーで利用可能な糖質が少なく、食物繊維、ビタミンB群、カリウムなどを含みます。食物繊維には、水に溶けやすいものと溶けにくいものがあり、糖質の吸収速度や満腹感、腸内環境に影響します。きのこを主食へ「追加」するだけでなく、肉の脂身や高糖質・高エネルギーのおかずの一部と置き換えると、食事全体を整えやすくなります。一方、甘辛い佃煮、砂糖を多く使う煮物、衣の厚い天ぷら、濃厚なクリーム料理では、きのこ自体が低糖質でも食事全体の糖質や脂質が増えるため注意しましょう。

まいたけを食べると血糖値の上昇は緩やかになる!

まいたけは糖質が少なく食物繊維を含むため、主食だけを食べる場合と比べ、たんぱく質食品や野菜とともに取り入れることで食後血糖値を穏やかにする助けとなる可能性があります。ただし、「まいたけを食べれば必ず血糖値が下がる」という意味ではありません。

まいたけとは?栄養価と栄養素の特徴

まいたけは香りとうま味、歯ごたえが特徴のきのこです。文部科学省の食品成分データベースでは、生のまいたけ100g当たり22kcal、炭水化物4.4g、食物繊維3.5g、利用可能炭水化物(単糖当量)0.3gとされています。ビタミンDなども含み、ボリュームを増やしながらエネルギー摂取を抑えやすい食材です。まいたけ由来の「MXフラクション」などが糖・脂質代謝を改善するという情報もあります。しかし、関連研究の多くは動物実験や抽出成分を用いた基礎研究です。人が通常の食品として食べた場合に、インスリン抵抗性を改善して糖尿病を治療できるとする十分な臨床的根拠は確立していません。健康効果の中心は、特定成分だけでなく、低エネルギー・低糖質で食物繊維を摂れる食品として捉えるのが妥当です。

まいたけを食べると血糖値はどうなる?朝食で摂るとより効果的?

朝食に食物繊維を含むバランスのよい食事を摂ると、朝食後の血糖上昇が穏やかになる可能性があります。また、最初の食事が次の食事後の血糖反応に影響する現象を「セカンドミール効果」と呼びます。ただし、朝食のまいたけ単独で昼食後の血糖値まで下げることを示した、質が担保された人の研究は確認されていません。2型糖尿病患者を対象にした研究では、低GIで水溶性食物繊維を含む朝食が朝食後の反応を改善した一方、昼食後の血糖値には明確な改善がなかったという報告もあります。朝食にまいたけを加えるなら、卵、豆腐、魚などのたんぱく質と組み合わせ、ご飯やパンの摂取量も適量にすることが大切です。

まいたけを食べると血糖値スパイクを抑えられる?

まいたけを含むきのこの細胞壁にはβ-グルカンなどの多糖類があります。β-グルカンは食物繊維の一種ですが、構造や水への溶けやすさは由来によって異なります。オーツ麦や大麦の水溶性β-グルカンには食後血糖を抑える研究がありますが、その結果をそのまま「まいたけのβ-グルカン」に当てはめることはできません。まいたけは食事のかさを増やし、おかずで糖質を摂りすぎることを防ぐ点で血糖値対策に役立ちます。しかし、β-グルカンが糖質を完全に「ブロック」するわけではなく、ご飯や麺、甘い飲料を多く摂れば血糖値は上がります。食事全体の糖質量と栄養バランスを優先しましょう。

糖尿病・糖質制限中の人がまいたけを食べる際の注意点とは?

健康な成人であれば、副菜として1日50~100g程度を目安に取り入れやすいでしょう。ただし、これは医学的に定められた「血糖値を下げる用量」ではありません。ほかの野菜やきのこと組み合わせ、特定の食品に偏らないことが重要です。

少量から、よく加熱して食べる

食物繊維を急に増やすと、腹部膨満、腹痛、下痢などが起こることがあります。胃腸が弱い方は少量から始め、よく加熱して食べましょう。きのこアレルギーが疑われる症状が出た場合は摂取を中止してください。また、野生のきのこは食用種との鑑別が難しいため、自己判断で採取したものは避けましょう。

サプリメントは自己判断で調整しない

糖尿病治療中の方は、まいたけやサプリメントを薬の代わりにせず、自己判断で薬を減量・中止しないでください。インスリンやSU薬などを使用している場合、食事量を大きく減らすと低血糖を起こすことがあります。糖質制限中でも、バター炒め、天ぷら、クリーム煮は脂質やエネルギーが増えやすく、甘い味付けでは糖質も増えます。市販の「まいたけエキス」は食品として食べる場合と成分量が異なり、安全性や薬との相互作用が十分に分からない製品もあるため、使用前に主治医や薬剤師へ相談しましょう。

血糖値対策に効果的なまいたけの食べ方と工夫

ポイントは、まいたけを「糖質を帳消しにする食材」と考えるのではなく、食事全体のエネルギーや糖質量を調整するために活用することです。加熱による衛生面にも配慮し、無理なく続けられる調理法を選びましょう。

具だくさんみそ汁

おすすめは、まいたけ、豆腐、青菜を入れた具だくさんみそ汁です。汁物を先に口にすると満腹感を得やすくなりますが、みそ汁は塩分が増えやすいため薄味にします。水溶性成分の一部は煮汁に移るため、汁ごと食べる料理は合理的ですが、「煮汁に血糖値を下げる成分がすべて残る」とまではいえません。市販のまいたけは通常、強く水洗いする必要はなく、汚れがあれば軽く拭く程度で構いません。生食は避け、中心まで十分に加熱してください。

蒸し焼き

もう一つは、鶏むね肉とまいたけの蒸し焼きです。油を少量にし、キャベツやブロッコリーも加え、レモンや香辛料で薄味に整えます。主食は抜くのではなく、血糖値や活動量に合わせて量を調整します。食べる順番を工夫するなら、野菜・きのこ・たんぱく質のおかずを先に、ご飯などの主食を後にすると、食後血糖値の上昇を抑えやすい場合があります。まいたけは冷凍保存も可能なため、使いやすい量に分けて保存しておくと、日々の食事に取り入れやすくなります。

「血糖値」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「血糖値」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

糖尿病

糖尿病は、インスリン作用の不足によって慢性的な高血糖が続く病気です。2型糖尿病には遺伝的な体質に加え、内臓脂肪の蓄積、運動不足、加齢、食生活などが関与します。初期には症状がないことも多い一方、進行すると口渇、多飲、多尿、体重減少、疲れやすさなどが現れ、網膜症、腎症、神経障害、心筋梗塞、脳梗塞につながることがあります。治療の基本は食事、運動、必要に応じた薬物療法です。健診で血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合、または典型的な症状がある場合は、医療機関を受診してください。

血糖値スパイク

血糖値スパイクは病名ではなく、食後血糖値の急上昇を指す通称です。耐糖能異常や糖尿病の初期では空腹時血糖が正常でも食後だけ高くなることがあります。原因にはインスリン分泌の遅れやインスリン抵抗性、糖質の多い食事などがあります。対策は、食事全体の糖質量を見直し、食物繊維やたんぱく質を組み合わせ、食後に無理のない範囲で体を動かすことです。食後の強い口渇、頻尿、体重減少がある方、健診で異常を指摘された方、糖尿病の家族歴や肥満がある方は、医療機関へ相談しましょう。

動脈硬化

動脈硬化は血管の壁が厚く硬くなり、狭窄や閉塞を起こしやすくなる状態です。高血糖に加え、高血圧、脂質異常症、喫煙、肥満などが重なると進みやすく、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。生活習慣の改善とともに、血糖、血圧、脂質を総合的に管理することが重要です。胸の痛みや圧迫感、突然の片側の手足・顔の麻痺、言葉が出ないなどの症状があれば、救急車を要請してください。症状がなくても複数の危険因子がある場合は、医療機関で評価を受けましょう。

「血糖値とまいたけ」についてよくある質問

ここまでまいたけと血糖値の関係について紹介しました。ここでは「血糖値とまいたけ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

キノコ類全般は健康に良いイメージですが、特に血糖値を下げる(安定させる)のに適しているキノコは何ですか?

久永 香織 監修医

特定のきのこだけが血糖値を下げるとする十分な根拠はありません。まいたけ、しめじ、しいたけ、エリンギなど、入手しやすい種類を組み合わせて食べるとよいでしょう。種類よりも、砂糖や油を控えた調理法、食事全体の糖質量、継続しやすさが重要です。

血糖値対策として日常的に食べるなら、まいたけとしめじではどちらを選んだ方が良いでしょうか?

久永 香織 監修医

どちらも低エネルギーで食物繊維を含み、血糖値を意識した食事に使いやすい食品です。血糖改善効果の優劣を直接示す信頼性の高い研究は乏しいため、味や価格、料理との相性で選んで構いません。複数の種類を交互に使えば、食事の多様性も高まります。

まいたけの栄養を無駄にしない、糖尿病予防や血糖値対策におすすめのヘルシーレシピはありますか?

久永 香織 監修医

「まいたけと豆腐の具だくさんスープ」がおすすめです。まいたけ、豆腐、青菜、ねぎをだしで煮て、少量のみそで調味します。主食、魚や肉などと組み合わせれば、食物繊維とたんぱく質を補いやすくなります。煮汁も摂れますが、塩分が多くならないよう薄味にしましょう。

まとめ

まいたけを食べると、低糖質で食物繊維を含む食事を組み立てやすくなり、食後血糖値の急上昇を抑える助けとなる可能性があります。一方、まいたけが薬のように血糖値を下げる、あるいは糖尿病を治すという根拠はありません。まいたけだけに頼らず、主食の量、甘い飲料や間食、たんぱく質・野菜との組み合わせ、運動、体重管理まで含めて考えることが大切です。血糖値やHbA1cの異常を指摘された場合は、食事だけで様子を見続けず、医療機関で適切な検査を受けましょう。

「血糖値」と関連する病気

「血糖値」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

代謝・内分泌系の病気

代謝・内分泌系

1型糖尿病2型糖尿病

妊娠糖尿病

低血糖症

循環器系の病気

循環器系

動脈硬化心筋梗塞

血糖値の異常は自覚症状が乏しいことがあります。健診結果を放置せず、早めに医療機関へ相談しましょう。

「血糖値」と関連する症状

「血糖値」と関連している症状は8個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

喉が渇く

水分を大量に飲む

尿の回数や量が増える

体重が減る

疲れやすい

目がかすむ

冷や汗や手の震えがある

意識がもうろうとする

強い口渇や頻尿、原因不明の体重減少は高血糖、冷や汗や震え、意識障害は低血糖の可能性があります。意識障害がある場合は速やかに救急要請してください。

参考文献

Kubo K, Aoki H, Nanba H. Anti-diabetic activity present in the fruit body of Grifola frondosa (Maitake). I. Biol Pharm Bull. 1994;17(8):1106-1110.

Manohar V, et al. Effects of a water-soluble extract of maitake mushroom on circulating glucose/insulin concentrations in KK mice. Diabetes Obes Metab. 2002.

Horio H, Ohtsuru M. Maitake (Grifola frondosa) improve glucose tolerance of experimental diabetic rats. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2001;47(1):57-63.

Clark CA, et al. Effects of breakfast meal composition on second meal metabolic responses in adults with type 2 diabetes mellitus. Eur J Clin Nutr. 2006;60:1122-1129.

Urbau A, et al. The effect of oat β-glucan on postprandial blood glucose and insulin responses. Eur J Clin Nutr. 2021;75(11):1540-1554.