TSMCで沸いた熊本県菊陽町、早くも「ゴーストタウン化」の実態…3LDKマンション量産も数千戸が空室だらけ

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誰も借りないマンションが林立

世界中で「AIバブル」の熱狂が続いている。世界最大の半導体メーカー「TSMC」(台湾)の日本子会社「JASM」が発表した今年1~3月期の純利益は、約48億円。稼働からわずか1年で、早くも莫大な利益をたたき出している。

だが、あくまでこれはメーカー本体の話。「TSMCの町」と話題になった熊本県菊陽町を本誌が訪れると、まったく違う光景が広がっていた。

「バブルなんて、もはや過去の話ですよ」

こう吐き捨てるのは、地元の不動産関係者だ。

'21年にTSMCの日本進出が決まって以来、菊陽町の地価は高騰。県内外の不動産業者が土地の争奪戦を繰り広げた結果、マンションが林立し、数千戸規模の賃貸物件が新たに供給された。

「しかし、今や賃貸物件は空き室だらけです。台湾人ファミリー層を見込んで3LDKを量産したものの、実際にやってきた台湾の富裕層は賃貸を選ばず、戸建てを現金一括購入していった。地価高騰時に土地を購入したマンションオーナーは、3LDKで月15万円という大都市圏並みの高額家賃を設定しており、これでは地元の住民は手を出せません」(同前)

頼みの綱は「JASM第2工場」だが…

町内を歩くと、夜になっても部屋の明かりが灯らず、ゴーストタウンのような静寂が広がるエリアも目に入る。

不動産業者が頼みの綱としているのが、JASM第2工場の存在だ。'25年10月に着工、'29年の稼働を目指している。

「工事が本格化すれば、再び作業員らが流入するかもしれません。しかし町内にはビジネスホテルも乱立しているため、作業員が賃貸物件を借りるかは未知数。投機熱はすでに菊陽町を離れ、隣接する合志市などに移っています」(別の不動産業者)

煌々と光を放つ工場とは対照的に、菊陽町には真っ暗な「空室の山」が広がっていた。

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「週刊現代」2026年9月28日号より

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