自治体が線路の保有・管理を JR案を撤回…受け止めは “黄色線区”の協議は深まるか 北海道
「お詫び」しましたが、協議は進むのでしょうか。
JR北海道は単独では維持困難とする8つの区間=黄色線区について、存続策の1つとして示した上下分離方式を撤回することを明らかにしました。
(JR北海道 綿貫泰之社長)「上下分離を協議のテーマとした結果、各方面から厳しい意見をいただくことになり、お詫び申し上げます。上下分離は撤回させていただきます」
JR北海道の綿貫社長が明らかにしたのは、黄色線区の存続策として示した「上下分離方式」を取り下げるというものです。
8区間の赤字額はあわせて155億円に上ります。
JRは4月、存続策として4つの案を提示。
その1つが、自治体が線路などの保有・管理を担い、JRは列車の運行に専念する上下分離方式でした。
しかし、費用負担の増加を懸念した自治体から反発の声が相次ぎ、協議入りできない状況が続いていました。
(JR北海道 綿貫泰之社長)「協議を前に進めていくためには“撤回”は必要と考えた」
提示からわずか5か月での「撤回」に記者からは…
(記者)「協議すべきことを先送りにしたのでは?」
(JR北海道 綿貫泰之社長)「そういった考えはありません」
(記者)「お詫びしなければいけないのか?」
(JR北海道 綿貫泰之社長)「これ(上下分離)が入っていて全体が進まない、地域の皆さんを待たせていた状況なので、私どもが問題だった」
沿線自治体の受け止めはさまざまです。
(網走市 水谷洋一市長)「ハードルの高い提案だったので、沿線自治体としては協議にのることが難しいと伝えてきたということで、やっとひとつ動いたのかなと」
(音威子府村 遠藤貴幸村長)「上下分離を提案することについては、諸外国を見ても当たり前、健全な意見だったと捉えている。混乱させたことについて謝罪をする意図がピンと来ない」
JRの綿貫社長は先ほど、鈴木知事と面会。
今後は国が主体となる新たな協議会を設置し、存続策を議論する考えを伝え、道にも協力を求めました。
(鈴木知事)「沿線の皆さまとの信頼関係が揺らいでいる状況の中で、地域と向き合っていくことになる。これまで以上に丁寧な対応を徹底していただきたい」
JRは2026年度末までに黄色線区の改善策を取りまとめるよう国から求められています。
専門家は、議論を進めていくには新たな枠組みの検討も必要だと指摘します。
(北大大学院工学研究院 岸邦宏教授)「改めて役割分担、誰がどのくらいの費用を負担できるか。たとえば食料の安全保障でいうと、農業政策に関わってくる話なので、そこの安定した輸送体系という名目であったり、既存の枠組みで解決できないのであれば、新たな枠組みでの検討をしなければいけない」
わずか5か月での方針転換。
時間が限られるなか、自治体との協議が深まるのかは不透明です。
