【余波懸念】静岡市の海洋文化施設事業契約解除を市議会で承認…“白紙化”で隣地に計画の水族館「ZooZooSea」の行方は?
建設費の大幅な高騰などにより計画がとん挫した静岡市清水区の海洋文化施設。15日、市と事業者の契約解除が市議会で承認されました。一方、その隣に建設を予定しているもう一つの水族館「ZooZooSea」は、開業に向けた具体的な構想が明らかになってきました。
今から約10年前に構想が浮上した静岡市清水区の「海洋文化施設」。2023年に市と事業者が契約を締結して5階建ての建物に国内トップレベルの大型水槽を備え、「清水を観光拠点として発展させよう」というビジョンのもとプロジェクトが進められてきましたが…当初94億円を想定していた建設費は、物価高により、さらに70億円以上も必要となることが判明。「計画の見直し」を余儀なくされたのです。
「採算がとれない事業をやるわけにはいかない」
そして…、9月15日の静岡市議会で…。
(静岡市 吉田 信博 副市長)
「仮称 静岡市海洋・地球総合ミュージアムの合意解除契約の締結に伴い、本条例を廃止するものです」
市は事業者との契約を解除と、そのための解決金として、約1億8200万円を支払う議案を上程しました。議案は全会一致で可決され、「海洋文化施設」の事業契約は正式に解除されることとなりました。
そして気になるのは、iZooなどを手掛ける「レップジャパン」が海洋文化施設のすぐ隣に計画しているもう一つの水族館「ZooZooSea」の行方です。
海洋文化施設との“2つの水族館”による相乗効果も期待されていましたが、今回の白紙化で、建設時期も見通せない中、「ZooZooSea」の計画に影響はあるのでしょうか?
13日、計画を進める「レップジャパン」の白輪剛史社長に現在の進ちょく状況を聞いてみました。
(記者)
「こんにちは~」
白輪社長が率いるレップジャパンは「iZoo」のほか、「KawaZoo」や「波勝崎モンキーベイ」など動物園のほか、動物園などへの就職を目指す予備校「アニマルキーパーズカレッジ」も運営しています。
2025年5月、「ZooZooSea」の計画が発表された際には…。
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「『体感型水族館ZooZooSea』という名前で計画してまして、その中では、例えば子供たちが飼育体験ができるような、その海の動物たちに極めて近いところで接することができるような施設、博物館の機能も備えたような施設にしたいと考えてます」
この時から1年以上が経ち、具体的な構想が見え始めてきました。
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「目玉の一つとしては、ケープペンギンの繁殖保全施設です。水槽だけで40mの水槽を準備しています」
一番の目玉となるのがペンギンの展示。
120羽を超えるケープペンギンを飼育して、そこで繁殖もさせる計画です。展示用の水槽は横幅が約40メートルもあり、これは日本最大のサイズになるといいます。その展示に使われるケープペンギンは、すでに東伊豆町にある「アニマルキーパーズカレッジ」で飼育されています。
(記者)
「すごい数いますね」
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「今この『アニマルキーパーズカレッジ』だけで82羽」
(記者)
「ケープペンギンってどんな品種?」
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「アフリカの1番南の方の海岸にいるペンギンなんですけど、世界で1番絶滅の危機に瀕してしまっている種類のペンギンでもある。激減しちゃったんですよ。数百万羽いたのが、今、1万8000羽ぐらいになっちゃった。野生の個体が」
ここでは、ケープペンギンの繁殖も行っていて、2025年は60羽ほどだったのが、2026年は80羽に増えたといいます。今後も繁殖を続け、「ZooZooSea」のオープンまでには120羽以上にする予定です。
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「水族館っていうのは、もう今、種の保存だとかね、展示だけでなくね、そういった部分の使命ってあるので」
「ZooZooSea」では、ペンギンたちが成長していく様々な過程を観察できることにも重点を置いるのです。
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「ちょうどひなが出てきた」
(記者)
「あんな感じの見た目なんですね、全然違いますね」
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「ペンギンって、大体白と黒のペンギンしか見たことないじゃないですか。それが小さい時はこんな産毛だよと、それがだんだん大きくなっていくときにこうなるよっていうところは見ることができないじゃないですか。だけど、これだけの数がいると、それを見ていただくことができるっていうところは、写真じゃなくてね、本物を見てもらいたいっていうところは常に思っているので」
さらに、ここでしか体感できない「ペンギンとの距離」も実現させたいといいます。
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「網越しじゃないところでペンギンさんみてもらいたいよね。それがどうやったら実現するかを考える日々です。痛い痛い痛い痛い」
近づきすぎればプロでも噛まれることがあるペンギンですが、網越しではない展示とは、どのようなものなのでしょうか。
それは、「iZoo」でのカメの展示をイメージしているといいます。
(記者)
「これだけ大きなカメと触れ合えることって、なかなかないと思うんですが」
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「なかなかないことをしないと、やはりおもしろくないです。だからこのね、常識にとらわれない斬新な展示、飼育方法で、ストレスを与えないようにして飼うにはどうしたらいいかっていうことを考えていくのが我々の仕事。…これがペンギンに置き換わるような施設にしたいなと私は思ってます」
ペンギンが自由に行き来する中を、来園者が安全に歩けるようにして、そこでは、餌やり体験も考えているといいます
ほかにも、アザラシやオットセイ、カピバラ、カメなど多くの動物を見たり触れ合ったりできる「体験型水族館」を目指しているのです
このように「ZooZooSea」の計画は前進する一方で、静岡市の海洋文化施設は、計画が白紙に戻ったことについては…。
(レップジャパン 白輪 剛史 社長)
「今の段階で白紙になったっというのはね…だからといって『ZooZooSea』も白紙になるかっていったらそんなことなくて、そこはすごく前向きに考えていて、正直全く問題はないと思ってます…もう設計図も進んでますので、2029年度中のどこかで開業できればいいなと思ってます…もうこれはもう普通のね、水族館ではなく、もう『ZooZooSea』でしか体験できない、体感できない新しいタイプの水族館、それを目指すつもりです」

