しかし残念ながらその主張には、ある大きな“見落とし”があります。

 結論から言うと、元ヤンの人々は過去の罪を償いきれていない、許されていないという可能性が高いことが原因なのです。

◆被害者全員に謝罪して許しを得たのか

 元ヤンは悪かった当時、さまざまな人に迷惑を掛け、恐怖心を植え付けていたことでしょう。

 暴行、いじめ、脅迫、カツアゲ、恐喝、万引き、窃盗などなど。

 どういった悪さをしてきたかは人それぞれでしょうが、ヤンキー時代に彼らがしてきたことで苦しんでいた人々のなかには、まだ許していない、まだ恨んでいる、まだ怯えている、そんな被害者も多いのではないでしょうか?

 仮に、警察に逮捕されて犯した罪に対しての処罰を受けていたとしても、それは法的な問題が一応解決しているというだけであって、被害者が許しているかや心の傷が癒えたかは別問題。被害者の心情の解決とはまったく別次元の話なのです。

 元ヤンは“今”は更生して真面目になったからという自分勝手な理論で、重ねてきた罪を過去のものとして扱ってほしいと主張します。ですが、被害者全員に直接ちゃんと謝罪して、許しを得ているという元ヤンなんて、ほとんどいないのではないでしょうか?

 その元ヤンに何人、何十人の被害者がいるかはわかりません。

 けれど、暴行を加えた相手やいじめた相手、1人1人にきちんと謝罪してまわったというエピソードや、カツアゲや万引きをした相手やお店に、自ら出向いて罪を認めて、そのうえで全額返金したといったエピソードなど、筆者は聞いたことがありません。

◆やっぱり元ヤンにはモヤモヤした嫌悪感

「更生して真面目になった」ことは素晴らしいですが、「当時の被害者全員から許しを得る」という段階までいかないと、“過去”にはできないのです。

 被害者全員から許しを得ていない状態で、意気揚々と悪かった自慢をされたら、胸くそ悪いのは言わずもがな。「昔の話だよ」として武勇伝や笑い話にできていると思っているのは本人だけで、周囲はドン引きしてしまうのは当然でしょう。

 そういう意味で考えると、表向きは更生しているように見えても、道徳観や倫理観がぶっ壊れたまんまという元ヤンは多いのかもしれません。

--ルルさんのように元ヤンがタイプという女性が一定数いるのはわかりますし、その感性や恋愛感情を否定するつもりはありません。ただ、世の善良な男性たちはモテる元ヤンをひがんでいるから嫌悪しているというわけではないし、世の善良な女性たちは道徳観・倫理観がぶっ壊れたまんまっぽい元ヤンが恋愛対象にならないということなのです。