「パジェロ復活」のなかアジアで進化中の弟分「パジェロスポーツ」とは?

写真拡大 (全2枚)

「パジェロ」の系譜がアジアで進化中

 日本で7年ぶりに本格SUV「パジェロ」の復活が話題となっている三菱自動車工業ですが、海外でパジェロの系譜は途絶えることなく、人々の暮らしに寄り添ってきました。それが海外向けSUV「パジェロスポーツ」です。
 
 今回は、現地生産も行っているインドネシアの国際オートショー「GIIAS2026」で、パジェロスポーツ最新仕様の実車チェックを行いました。

 日本で7年ぶりに本格SUV「パジェロ」の復活が話題となっている三菱自動車工業ですが、海外でパジェロの系譜は途絶えることなく、人々の暮らしに寄り添ってきました。それが海外向けSUV「パジェロスポーツ」です。
 
 今回は、現地生産も行っているインドネシアの国際オートショー「GIIAS2026」で、パジェロスポーツ最新仕様の実車チェックを行いました。

【画像】超カッコいい! これが三菱「パジェロスポーツ」です! 画像で見る(30枚以上)

 日本車大国として知られるインドネシア最大の国際オートショー「GIIAS2026」が、2026年7月から8月にかけ、開催されました。現地の三菱のラインアップは、SUVが中心です。そのフラッグシップモデルが「パジェロスポーツ」になります。

 パジェロスポーツは、ピックアップ・パッセンジャー・ビークル(PPV)で、ピックアップトラックのベースに生まれたSUVです。同様な車種には、いすゞ「MU-X」やトヨタ「フォーチュナー」などがあります。

 三菱の場合、ベースとなるのはもちろん、「トライトン」。パジェロスポーツは、1996年登場の初代(日本名「チャレンジャー」)こそ2代目パジェロのラダーフレームをベースとしていましたが、2007年登場の2代目より初代トライトンがベースに。

 1999年登場の3代目パジェロは、ビルトインラダーのモノコックボディとなったので、パジェロシリーズの中での棲み分けも明確となりました。

 現行型は、2015年にタイでワールドプレミアを実施後、各地に展開。そのためベースは2014年登場の先代2代目トライトンがベースです。2017年よりインドネシアで建設された新工場で、現地生産も開始されています。

 すでにロングセラーモデルですが改良を重ねており、インドネシアでは2024年8月の改良で最新仕様に進化。内外装デザインの変更に加え、8インチのデジタルメーターパネルやワイヤレス充電などのデジタル機能、2列目シートのヘッドレストの追加など機能向上も図られています。

 インドネシア仕様のパジェロスポーツは、FRと4WDが用意されているのは他国と同様ですが、生産国のひとつであるタイ仕様ともグレード構成と名称が異なります。

 エントリーから見ていくと、「GLX(4WDのみ)」、中間グレード「EXCEED(エクシード・FRのみ)」、上級グレード「DAKAR(ダカール・FRのみ)」、最上級グレード「DAKAR ULTIMEATE(ダカールアルティメット・FRと4WD)」の4タイプを設定されています。グレードのネーミングがパジェロっぽいところも嬉しいところでしょう。

 パワーユニットは全車ディーゼルエンジンとなりますが、2タイプあります。ひとつが、2.5リッター直列4気筒SOHC直噴ターボエンジン「4D56型」で、GLXとEXCEEDに搭載。最高出力136ps/4000rpm、最大トルク324Nm/2000rpmを発揮。トランスミッションはGLXは5速MTを、EXCEEDでは5速MTと5速ATを用意しています。

 もうひとつが、高性能な2.4リッター直列4気筒DOHC直噴MIVECターボエンジン「4N15型」で、最高出力181ps/3500rpm、最大トルク430Nm/2500rpmを発揮。上級グレードとなるDAKARシリーズのみに搭載され、こちらは全仕様が8速ATとなります。

 ちなみにタイ仕様の現行販売型では、全車「4N16型」最新ユニットに変更されています。

 価格は、5億9100万ルピア(約511万円)~7億9400万ルピア(約687万円)となり、日本人の感覚でも高価に感じます。

 現地の三菱の担当者によれば、タフな走破性とステータスシンボルとしての存在感を確立している高級SUVとのこと。顧客層も40~50代の富裕層や経営者層、本格SUV志向ユーザーだそうなので、まさに憧れの存在といえるでしょう。

新型「パジェロ」の“弟分”にあたる「スポーツ」の実車は?

 今回のショー会場に飾られていたのは、グラファイトグレーメタリックのDAKARとクォーツホワイトパールのDAKAR ULTIMATEの2台。上級グレードの2WD車と最上位グレードの4WD車となります。

 エクステリアはパジェロらしい堅牢さに加え、スポーツのサブネームに相応しい若々しさも感じるもの。特に展示車のDAKARには、純正エアロパーツが装着されているため、よりパワフルさとスポーティさが際立っています。

 最新仕様の大きな変化のひとつがフロントマスク。特にフロントグリルがデザインを変更し、ツートンとなったことで、「ダイナミックシールド」マスクもよりアグレッシブさが増しています。ロアグリルもハニカム形状に変更され、バンパー下部のプロテクション風の加飾もより強調。同時にリアバンパーの形状も変更されています。

 ボディサイズは、全仕様共通となる全長4840mm×全幅1815mm×全高1835mmと大きめですが、車幅が1815mmなので、取り回しは良さそうです。

三菱「パジェロスポーツ DAKAR ULTIMATE」インドネシア仕様(写真:大音安弘撮影)

 インテリアは、往年のパジェロを思い起こさせる雰囲気で、全車が2+3+2の7人乗りの3列シート車となっています。

 最上級グレード DAKAR ULTIMATEの内装は、ブラック×バーガンディという高級感あふれるものシート素材も高機能合成皮革が使われており、質感も高めです。

 一方DAKARにはブラックレザーシートが使われています。合成皮革にはヒートガードという表皮が熱くならない対策が施されており、南国に最適な素材のようです。

 上位グレードDAKARシリーズには、8インチのデジタルメーターパネル、新デザインの2トーンアルミホイール、LED式の前後ランプ及びフォグランプ、8インチタッチスクリーン、上級仕様のコンソール、ワイヤレス充電器、ナノイーX付きのデュアルゾーンエアコン、レザー巻きのステアリング&シフトノブ、220V/150W出力ACコンセントなどを標準化。

 さらに衝突被害軽減ブレーキ(FCM)やアダプティブクルーズコントロール(ACC)、前後の誤発進抑制制御機能(UMS)などの先進安全運転支援機能も備わっています。

 DAKAR ULTIMATEでは、ブライドスポットモニター(BSW)やリアクロストラフィックアラート(RCTA)、マルチアラウンドモニターなどの先進安全運転支援機能のアップデートが図られるほか、4WD車にはヒルディセントコントロール(HDC)やダイヤル式駆動モード切り替えに加え、ドライブモードが備わります。

 意外な機能の違いが、2WD車だとルーフ部に格納式リアモニターが備わるのに対して、4WD車だとサンルーフが標準となること。これは四駆ユーザーと二駆ユーザーの用途の違いを反映したものかもしれません。

 元々はパジェロの派生モデルであったパジェロスポーツは、ボディ構造こそ違いますが、パジェロの名に相応しいデザインや機能、プライドを備えた素晴らしいモデルだと感じました。

 特に最新型はメッキパーツでキラキラしていた従来デザインよりもオフローダー感が強まっていると感じ、これも世界的SUV人気を反映したものかもしれません。

 堅牢なボディが生む走りは、山間部だけでなく一般道も未舗装路が多い新興国では、ドライバーや乗員にとって頼れる存在でしょう。

 現状、パジェロスポーツは現行型の継続生産が行われることが明かされています。将来的には現行型トライトンか新型パジェロのラダーフレームを採用した新型が登場すると思われますが、しばらくは現行型のままのようです。

 もちろんいずれはフルモデルチェンジが行われると予想しますが、新型パジェロが大型化しているので、少し小ぶりの弟分として現状のサイズ感を維持した新型になって欲しいと思います。

 ただ、筆者(大音安弘)はシリーズ化される日本のパジェロとは別の道を歩み、今後も海外版パジェロであるのではと予想しています。