【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #37】1984年ポルシェ911カレラ3.2(後編)「絶え間ない進化により多くのライバルを凌ぐ性能を維持」
年次による変更点
新世代の911として、1983年9月のフランクフルト・ショーで発表されたポルシェ911カレラ3.2の基本設計はオリジナルの911を踏襲していたが、絶え間ない進化により多くのライバルを凌ぐ性能を維持していた。折からのデジタル化と機構的進化と相まって。年次改良が数多く施されたのが特徴といえる。ここからは各年次モデルごとに紹介していこう。
1984年モデル新たに『M491ターボ・エキップメント・パッケージ』がオプションで設定された。これは俗に『ターボルック』と呼ばれるノンターボの911カレラ3.2にターボモデルの外観を与えるオプション・パッケージとなる。

911カレラ3.2には、クーペのほかタルガも用意された。 ポルシェ
このパッケージは、ワイドなホイールアーチや特徴的なティートレイ型リアスポイラーを備え、930ターボのような外観とスタイルを911カレラ3.2で実現できた。
『M491パッケージ』は外観だけではなく、ターボモデルと共通の強化サスペンションや高性能なブレーキシステム、そしてワイドなホイールも含まれていた。
いくつかの重要な改良を実施1985年モデル
いくつかの重要な改良が施された。ダンパーがボーゲ製に変更。フロントスポイラーは、オイルクーリングダクトを目立たぬように収める形状に変更。
インテリアではシートが一新され、電動調整機能が備わった。
1986年モデル
『M491ターボ・エキップメント・パッケージ』は、1986年モデルからカブリオレでも選べるようになり人気を博した。 ポルシェ
サスペンションではアンチロールバーが強化され、フロントが20mmから22mmへ、リアは24mmから25mmに拡大。あわせてショックアブソーバー、リアトーションバーはすべて新設計となった。
シートの取り付け位置が下げられて、ヘッドルームを拡大。カブリオレのソフトトップ昇降は電動モーター式となり、スイッチ操作で開閉できるように進化した。
また、ダッシュボードのエアコン吹き出し口の大型化が行われている。
当初はクーペのみの設定だった『M491ターボ・エキップメント・パッケージ』だが、1986年モデルからはカブリオレ、タルガでも選択できるようになった。
エンジンとトランスミッションに大きな変更1987年モデル
1987年モデルでは、エンジンとトランスミッションに大きな変更が加えられた。アメリカと日本仕様のエンジンは、無鉛プレミアム・ガソリンに対応するように変更され、最高出力は217hpに向上。
これまで使用してきたポルシェ・シンクロメッシュを備える915型トランスミッションは、ボルグワーナー製シンクロメッシュを採用するゲトラグ製のG50型へと置き換えられた。

俗に『ターボルック』と呼ばれる『M491ターボ・エキップメント・パッケージ』がオプションで設定された。 ポルシェ
この新型トランスミッションは、従来のケーブル式に代わり油圧式クラッチを採用し、ニュートラル位置のセンタリング・スプリングも備わるようになった。シフトストロークが大幅に改善され、シフトゲートの感触もより明確となったのが特徴といえる。
1989年モデルが最終生産年1988年モデル
1988年モデルでは、より太いアンチロールバーと新しいフックス製ホイールが標準装備となった。
新たなオプションとして、8スピーカーのステレオシステムや、クラッシュパッドレザーが用意された。
1989年モデル
ポルシェ911カレラ3.2の透視図。 ポルシェ
911カレラ3.2の最終生産年となった1989年モデルでは、フックス製16インチホイールが標準で採用された。アンチロールバーは再び径の太いものに変更された。
●空冷水平対向6気筒 3164cc ●207-231hp ●240-245km/h
(当連載は、基本的に日曜日の午前9時11分に公開しています)

