各地で相次ぐ死者「アンダーパス」の危険 市街地を襲う「都市型水害」なぜ起こる
秋雨前線による災害級の大雨が連日、日本列島を襲っています。相次いでいるのが「アンダーパス」での被害です。そのリスクは、福岡に住む私たちの周りにも潜んでいます。
愛知県名古屋市で1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降るなど、全国各地で大雨の被害が立て続けに起きています。
まざまざと見せつけられた市街地を襲う「都市型水害」の脅威。
8月、福岡でも。
■河津憲二朗フィールドキャスター
「福岡市中央区の清川サンロード商店街は、冠水被害に見舞われました。」
川が氾濫していないのに、市街地でなぜ、冠水被害が起きたのでしょうか。
都市型水害に詳しい専門家は。
■九州産業大学・山下三平 教授
「8月26日の夕方に降った雨は、福岡の気象台のデータを見ると、10分に20ミリぐらい降っている時間帯が20~30分続いているんです。そのまま続けば(1時間に)120ミリになるのですが、降った雨が下水道で処理しきれなかった。」
山下教授は、想定を超える雨が降ったことに加え、商店街の地形に注目します。
■山下教授
「所々低いところがあるように見えます。この間のような雨が来ると、どこから来たか分からないけれども、水が集まりやすいところになる。」
国土交通省の地図で高さを比較すると、商店街の西側は、東側と比べると1メートル程度低くなっていることが分かります。
市街地はアスファルトやコンクリートで覆われているため、雨水が地面にしみこみにくく、排水路や下水道の処理能力を超えて水があふれる「内水氾濫」につながりやすいといいます。
その「内水氾濫」で特に注意が必要なのが、アンダーパスです。
アンダーパスは、鉄道や道路などの下を通るため周囲より低くなっている道路で、大雨が降ると短時間で冠水する危険があります。
福島県いわき市では、9月の観測史上最大となる24時間で199.5ミリの降水量を観測しました。
アンダーパスでは、車2台が動けなくなり、完全に見えない状態に。
このうち1台の車の運転手は自力で脱出しましたが、もう1台の車から救出された60代の女性が死亡しました。
また、8月の千葉豪雨でもアンダーパスで車が水没し、2人が死亡しました。
国交省によりますと、全国にアンダーパスは3841か所あり、そのうち福岡県には105か所あります。
■中村安里記者
「北九州市小倉北区のアンダーパスです。多くの車が行き交っていますが、進むにつれて車体が深く潜り込んでいくのが分かります。」
JRの線路の下を通る「東篠崎アンダーパス」は、去年8月の大雨でも冠水しました。
■北九州市 道路維持課・山崎剛弘さん
「水位情報が届くようになっているので、水位に応じて即座に通行止めをしています。」
北九州市は、アンダーパスに冠水を知らせる装置や車両の進入を防ぐゲートを設置しています。
電光表示板には、水深10センチを感知すると「走行注意」、20センチで「通行止め」の文字が表示されます。
■山崎さん
「アンダーパスは低い分、雨が集中しやすい。水位は思ったより急上昇する場合もありますので、雨の際はう回していただければと。」
実際に車が水につかった場合、車内からの避難はどれだけ難しくなるのでしょうか。
JAFが行った実験では、車体が60センチほど水に浸かると、ドアを開けるのに通常の5倍近い力が必要になりました。
■中村記者
「重たい!」
■JAF福岡支部・緒方将さん
「なかなか男性でも難しい。」
水圧でドアが開かず、窓も開かない場合はガラスを割って脱出する必要があります。
車の窓は簡単に割ることができないため、脱出専用のハンマーを備えておくことが大切です。
比較的割れやすい四隅を叩くのがコツです。
■緒方さん
「低い土地・河川・海岸周辺が冠水しやすいエリアになっています。そういったエリアに入らないのが大前提です。」
国交省は、浸水した場所での車の移動は大変危険なので、むやみに移動せず、安全な場所で状況が落ち着くまで待機するよう呼びかけています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年9月11日午後5時すぎ放送
