相方の固く閉ざされた心を解放した…スリムクラブ真栄田の個性を生かすネタ作り【今週グサッときた名言珍言】
【今週グサッときた名言珍言】
「狂気と愛嬌」を併せ持つ男 霜降り明星・粗品が歩む新たな王道
「内間のお母さんね、内間が通っていない小学校のPTA会長だったんです」
(真栄田賢/フジテレビ系「さんまのお笑い向上委員会」9月5日放送)
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スリムクラブといえば、「洞穴からしゃべっているような」ハスキーボイスの真栄田賢(50)が“奇人”のような言動をするのに対し、相方の内間政成(50)がただただ呆然と立ち尽くす、間をたっぷり使ったネタで人気のコンビだ。どちらも独特のキャラクターであるが、実は内間の母親がさらに「ぶっ飛んでいる」と明かした真栄田の告白が今週の言葉だ。
内間は地元・沖縄に住んでいた頃は、無表情で何を考えているかわからない青年だった。それは内間に対する愛情が強すぎるがゆえに厳格だった母親に起因していた。内間が「野球やりたい」と言えば「危ないからダメだ」、「将棋やりたい」「おじさんがやるからダメだ」とことごとく否定された。自分が感情を出した瞬間に嫌なことが起こってしまう。いつしか、内間は心を閉ざし、感情を表に出さない人間になった。
けれど、お笑いを始めるときだけは、自分の意志を貫いた。「もう本当に目の前が真っ暗だったんですよ。で、そういう時にちょっとでも興味のあることを始めようと思ったのが、お笑いだった」(フジテレビ系「さんまのお笑い向上委員会」2026年9月5日)という。しかし、お笑い芸人になっても彼の性格は直らなかった。
内間は「自分はダメな人間だ」という呪縛に苦しんでいた。自己否定の塊だった。それに対し、「おまえのそんな生き方は間違っている」と真栄田は言い続けた。
それでも07年、内間は「お笑い、辞めます」と解散を切り出した。舞台で結果も出せず、真栄田の笑いもちゃんと理解できないダメな自分が足を引っ張っていると感じていた末のことだった。
「おまえがダメ人間っていうなら、おまえがダメな人間だっていう証明書持ってこい!」(日本テレビ系「ズームイン!!SUPER」11年2月21日)
そう言って申し出を突っぱねた真栄田は「少し時間をくれ」「内間は何もせずに立ってるだけでいいよ」(テレビ朝日系「芸人交換日記」11年6月6日)と言って、内間の「持って生まれた、すてきな心」を生かした漫才を考え抜いた。
もともと、内間はオーソドックスなツッコミをしていた。だが、一言ボケたことに対して、普通のツッコミのように素早く反応して発することができない。だから考え方を変えた。内間が他のツッコミをマネて「偽りの自分」でツッコむよりも、ありのままの内間の“間”で戸惑うことを望んだのだ。
この内間の本来の個性を生かした「ボケと困ってる人」というスタイルになったことをきっかけに、内間の固く閉ざされた心は解放されていったのだ。
(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ-)
