離婚した挙句、それぞれ自分勝手な理由で子どもを捨てた両親。それでもふたりを嫌いになれず、複雑な思いを抱えて生きる姉妹の物語【書評】

【漫画】本編を読む
両親の離婚によって、幼くして親と離れて生活することになった姉妹が、理不尽な事態に直面しながらも、支え合って生きてきた日々を描いたコミックエッセイ『親に捨てられた私と妹 不器用な人』(ひらたともみ/KADOKAWA)。身勝手な大人たちに翻弄されながらも、前を向いて生きようとするふたりの姿を描いた作品だ。
主人公の朋が小学5年生になったばかりの時、父親の不倫がきっかけで両親が離婚する。「これからは3人で新しい生活が始まる」と期待していた朋と妹・真由だったが、母親はふたりを伯母の家に預け、娘たちと一緒の生活を捨ててしまう。父親は別の女性と暮らすため、母親は自分の人生をやり直すために我が子を手放したのだ。両親のいない生活を余儀なくされた姉妹は、周囲から向けられる視線と大きく変わった生活環境と向き合うことになる。
身勝手な両親の選択に振り回され何度も傷つけられながら、しかし朋は両親を完全に嫌いになることができない。自分たちを置き去りにした親に対して、怒りや寂しさ、諦めの思いと一緒に、期待してしまう気持ちが捨てきれないのだ。
本作は都合よくすべてが丸く解決するようなドラマチックな展開はないが、自分の足で一歩ずつ前に進もうとする朋の姿が深く心に残るだろう。不器用すぎる家族がたどった道の果てにはどんな景色が広がっているのか。ぜひ最後まで見届けてほしい。
文=つぼ子
