【木村 隆志】伊達みきお、日村勇紀と相次いだ「50代芸人MC」の体調不安…共通するのは「グルメロケ」の重い負担
1人になったサンド・富澤たけし
サンドウィッチマンの伊達みきお(52歳)が脳梗塞の診断を受け活動休止してから2週間となり、レギュラー番組への影響が出はじめている。
サンドウィッチマンと言えば「好感度芸人」「漫才・コントの実力者」というくくりでまとめられがちだが、特筆すべきはコンビ仲のよさ。「芸人は売れるほどピンでの仕事も増える」のが業界の常識だが、サンドウィッチマンは例外でこれほどの人気者になってもほぼ2人でメディア出演を重ねてきた。
さらにそれは「1人では持ち味が出ない」からではなく、見る人に「コンビ仲のよさを感じさせ、番組全体の好感度を上げる」ことが期待されているから。
だからこそ1人になった相方・富澤たけし(52歳)への注目が高まっているが、そもそもサンドウィッチマンはツッコミとボケの役割が入れ替わるタイプのコンビ。
どちらもツッコミとボケ、進行役と盛り上げ役をこなせるオールラウンダーであり、実際に7日放送の『サンド&キスマイの気になるマン』(テレビ朝日系)で富澤は伊達の代わりに進行役をそつなくこなしていた。その他の番組でも「芸人仲間や後輩たちのフォローを得ながら、影響を最小限に留めていこう」という方針がうかがえる。
芸人MCの体調不良と言えば、今年4月に発表されたバナナマン・日村勇紀(54歳)も活動休止が続行中。伊達の活動休止が報じられたことで日村の復帰話が聞こえてこないことに心配の声があがっている。また、芸人ではないが多くの番組でMCを務めるマツコ・デラックス(53歳)が今年2月に首の緊急手術を受けたことも記憶に新しい。
さらに1つ世代上の大ベテランに目を向けると、昨年3月にダウンタウン・浜田雅功(63歳)が体調不良で活動休止、昨年4月にとんねるず・石橋貴明(64歳)が食道がんで活動休止、今年7月にダウンタウン・松本人志(63歳)が大腸がんの手術を受けたことを公表した。
MCを務める大物以外でも、今月7日にデニス・植野行雄(45歳)が体調不良による休養を発表したほか、先月26日にシャンプーハット・恋さん(50歳)が大阪のがんセンターで首のしこりを検査してもらうことを明かしたばかり。業界内でも「アラフィフ、アラ還の芸人たちの体調不安が次々に起きている」とあちらこちらで話題にあがっている。
テレビマンや制作会社のスタッフなどは、この相次ぐ体調不安をどう見ているのか。さらに、次のMC候補として名前があげられているのは誰なのか。リアルな声をベースに今後の行方を占っていく。
「多くのグルメロケ」という共通点
日村が活動休止した今春以降、テレビや芸能事務所の関係者と話すたびに、タレントの体調不良がテーマにあがっていたが、当然と言うべきか。ほとんどの人が「仕方がない」「ゆっくり休んでほしい」というニュアンスで話していた。
これはつまり、テレビも芸能事務所も「いつか体調不良になるかもしれないことはわかっていた」「それをわかった上で健康を祈りつつも彼らに頼っていた」ということ。
アラフィフ、アラ還の彼らが「いつか体調不良になり、活動休止しなければならない時が来る」ことをわかっていながらも、現状を変えられなかったと言っていいかもしれない。事実、「よく今まで続けてこられたと思う。負担をかけてしまった」と力なく話すテレビマンもいた。
なかでも大きな負担としてあげられたのは、グルメロケ。実際、今年活動休止となった伊達と日村には「グルメロケの仕事が多い」という共通点があった。2人とも食べることが好きだが、大量に食べるのは年齢的な難しさがあり、身体的な負担の蓄積は大きくなる。
そもそもグルメ番組でも、スタジオとロケでは出演者の心境が大きく異なる。スタジオでは食リポシーンだけを撮って料理を残しやすいが、飲食店を訪れるロケでは「料理人や店員らの手前できるだけ完食する」というタレントが目立つ。
特に芸人には「残すなんてもってのほか」「よく食べてよく笑わせるのが仕事」という姿勢の人が多く、サービス精神旺盛な伊達や日村は店への礼儀を第一に考えているという。
サンドのグルメ特番が急増していた
そして近年、業界内で健康面での危うさを指摘されているのが、“グルメ特番”が増えていること。
たとえばサンドウィッチマンで言えば今年、『サンド屋台』(TBS系)というグルメ特番がスタートした。しかも1月3日、4月16日、5月14日、6月30日、7月8日、8月13日と8か月間で6回も放送されるハイペース。
さらにロケ特番『大泉サンドの年2会』(TBS系)も昨年5月4日にスタートし、昨年12月25日、今年8月16日にも放送された。また、ロケ特番『坂上サンドの東北旅』(フジテレビ系)も2024年以降ゴールデンタイムで放送されている。
「すでにレギュラー番組で多忙なサンドウィッチマンに、スケジュールの合間を縫って収録するロケ特番のオファーが来ている」ことがわかるのではないか。これはサンドウィッチマンに限らずスキルと好感度を併せ持つタレントに見られる傾向であり、休みが減る一方で「スケジュール的にどうしても受けられない」というオファーではないため、「自分をベースに企画された冠番組であるため断りづらい」とも言われている。
もともと芸人の中には「代わりはいくらでもいる」「いつ仕事がなくなるかわからない」という意識の人が多く、仕事のオファーを「断らない」「断れない」というタイプが多い。ゴールデン・プライム帯でMCを務めるまでの下積み期間が長かったサンドウィッチマン、バナナマンはなおのことだろう。
しかし、アラフィフ、アラ還の芸人MCはすでに「求められて幸せ、期待に応えなきゃ」という年齢ではなく、「いかに断るか」への意識転換が迫られているのかもしれない。
・・・・・・
【つづきを読む】サンド、バナナマンに続く「次世代MC」は誰か?霜降り、チョコプラ、レインボー…業界人が明かす「候補の名前」
【つづきを読む】サンド、バナナマンに続く「次世代MC」は誰か?霜降り、チョコプラ、レインボー…業界人が明かす「候補の名前」
