ホルムズ海峡派兵

写真拡大

韓国政府によるホルムズ海峡派兵の動きに2003、04年のイラク戦争派兵決定と同じように国内で世論分裂が再現する兆しが表れている。韓国紙は社説で「冷静な検討を」と指摘。「国論分裂がないよう超党派的な協力を」と主張した。

中央日報によると、青瓦台(大統領府)の関係者は9月初め、ホルムズ海峡の自由な航行を確保するための国際社会の取り組みに関連し「韓国は実質的な貢献をするという立場を一貫して表明してきた。実質的な貢献には軍事的な貢献も含まれる」とし、「軍事的な貢献には戦闘への参加もあれば、非戦闘のものもあり、さまざまな選択肢がある」と述べた。

政府の選択肢としては軍需支援艦「昭陽」や最新鋭のP-8A海上哨戒機など非戦闘用資産を派遣する案なども浮上。早ければ今月中に国会に派兵同意案を提出することも検討されているという。

与党「共に民主党」の外交統一委員会所属の李奇憲(イ・ギホン)議員は「いかなる名目であれ、わが軍のホルムズ海峡への派兵は容認できない」と述べ、与党内で初めて公然と派兵反対の立場を表明。与党圏の祖国革新党や進歩党、正義党も強く反発している。共に民主党指導部は政府の方針がまだ確定していないとして慎重な姿勢を示しているが、派兵案を処理する国会の状況は野党が賛成し、多数派の与党側が分裂する流れを見せ始めている。

中央日報は社説で「政府はこれまで米国からの派兵要請に対し、国際社会と共に終戦後に貢献する方針を示してきた。それが終戦前の派兵へと方針転換したのには、さまざまな面でやむを得ない側面もある」と論評。「対米投資プロジェクトの履行や追加関税圧力、戦時作戦統制権の返還、原子力潜水艦の建造とウラン濃縮・再処理許可、朝米対話の再開など大きな安全保障・通商上の懸案が複雑に絡み合う状況にあり、何一つ結論を出せなければ韓米関係を一歩も前進させることができない限界に達しているためだ」とした。

さらに「中東産エネルギーへの依存度が高い中、韓国のタンカーがイランから攻撃を受けている状況も看過できない」と言及。「視野を広げて大きな枠組みで見れば、米中戦略競争の時代を迎えて『できるだけ少なく与え、より多くを受け取る』という同盟関係から脱し、与えるべきものは与えて受けるべきものは受け取り、互いにウィンウィンとなる貢献の在り方を模索する時代に変わったという意味でもある」と続けた。

その上で「国会はこうした文脈を総合的に考慮して超党派で協力する必要がある」と強調。「過去のように理念的・党派的なアプローチで世論の分裂をあおるのではなく、国益を守り、韓米同盟を発展させる現実的な方策が何かを冷静に模索することが求められる」などと訴えた。(編集/日向)