普通の鶏肉なのに、まるで高級地鶏で作ったような親子丼に仕上げる方法

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YouTubeとクックパッドで話題の料理系クリエイター・こじまぽん助さん。分子調理学をベースに「なぜおいしくなるのか」を徹底的に解明した、失敗しないレシピが人気を集めています。毎回ひとつの料理を深掘りしながら、作り方の「理由」から教えてもらいます。

何となく難しそう、作ったことはあるけど、得意料理というレベルではない。親子丼にハードルを感じている方は少なくないはずです。僕自身も、このレシピに辿り着く前はそうでした。
今回は、そんな親子丼を、自信を持って「得意料理」と言えるレベルに押し上げる、魔法のようなレシピを紹介します。


定義

僕がレシピ開発をする際、必ず最初にしていることがあります。

それは、テーマになる料理の「おいしいの定義付け」です。

今回のテーマ「親子丼」の「おいしい」を定義します。


 ①肉に力強い味がある

 ②玉ねぎの食感が好みの状態

 ③たまごの仕上がり具合が好みの状態

おそらく、多くの方に納得いただける定義かと思います。


 ①は、鶏肉の下処理や調理で

 ②は、玉ねぎだけを独立して火入れすることで

 ③は、たまごの解き方や火入れで

解決できそう。

ここまで明確になったら、次は調理の最適解に落とし込みます。


最適解への落とし込み

調理工程に落とし込む際に大切にしているのは、各工程の「部分最適」ではなく、料理として完成した時においしく仕上がるための「全体最適」の考え方です。

多くの人が再現可能な「良い塩梅」を踏まえて、おいしさの肝になる3つのコツをご紹介します。


◆鶏肉の皮目に焼き色をつける

結論:皮目に焼き色をつけることで地鶏っぽい力強い味を表現する (①の最適解)




気の利いた飲食店で出てくる親子丼に「地鶏を使った~」とありますが、そもそも地鶏を使うと、なぜおいしいのでしょうか?スーパーで市販されているブロイラーと地鶏の違いは、生育期間の長さから来る、食感と味わい深さです。つまり、力強い肉感と味わいが地鶏を使った親子丼のおいしさなんです。

これにならえば、使う肉がブロイラーであったとしても、力強い味を出せれば、おいしくなるということ。そこで、鶏肉をいきなり煮てしまうのではなく、「下処理として」皮目に焼き色をつけています。こうすることで、擬似的に地鶏っぽい味わいの強さを付与できるんです。

また、煮る前に軽く火も入るので、その後の調理で火入れする時間が短縮され、他の食材を煮過ぎてしまうことも防げます。


◆玉ねぎは炒めてから煮る

結論:玉ねぎを鶏肉から独立させて火入れすることで食感をコントロールする (②の最適解)




親子丼だけではなく、牛丼や他の丼ものにも言えることですが、玉ねぎの食感は好みが結構分かれます。食感があった方がいいという方もいれば、とろとろになっている方がいいという方もいる。

そこで、玉ねぎと鶏肉を一緒に煮るのではなく、分離して調理することで、好みの食感になるよう調整。その上で合わせるという方法をとります。

また、玉ねぎは煮る前に炒めることで、鶏肉同様、味わい深さを増し、食材それぞれが程よく主張します。これによって、味ボケせず、食材の味が引き立つわけです。


◆たまごは2回に分けて加える

結論:たまごを複数回に分けて加えることで、食感を多層的に表現。さらに、失敗した場合のリカバリーの意味も (③の最適解)




親子丼のおいしさを表現する上で、やはり欠かせないのは「半熟たまごのとろとろ感」。ですが、たまごとじ料理である都合上、たまご単品での調理はできません。また、他の食材があるため、たまごの固まり具合を目視で判断しにくいという課題もあります。

そこで、たまごを2回に分けて加え、1回目は割としっかり固め、2回目はほぼ火入れしないという方法を取ることで、火入れの判断を単純化したというわけ。これなら、見極めに自信がない方でも、ほぼ失敗なく作れるでしょう。




最悪、1回目で固まり過ぎてしまった場合でも、2回目でほとんど火入れしなければ、十分においしい範疇で仕上がるので、安心して調理できます。


まとめ

3つのコツを押さえれば、いつもの親子丼がお店のような味に仕上がること間違いなしです。ぜひお試しください。


こじまぽん助/分子調理学をベースに「なぜおいしくなるか」を解説するレシピ動画をYouTube・クックパッドで公開中。