中国の巨大電波望遠鏡「天眼」FAST、世界最大規模の中性水素銀河サンプルを公開
中国科学院国家天文台の姜鵬氏が率いる研究チームが進める巨大球面電波望遠鏡の天眼「FAST」による中性水素サーベイ計画「FASHI」はこのほど、第2期のデータセット「FASHI DR2」を公開し、現時点で世界最大規模となる中性水素銀河のサンプルデータベースを構築しました。
中性水素は、宇宙に古くから存在する基礎的な物質で、銀河の「建築材料」とされています。この中性水素が発する21センチの電波は、星間ダストを透過できるため、宇宙の深部からの情報をもたらします。
今回公開されたデータセットでは、合わせて15万6000個の中性水素銀河が捕捉され、観測領域は天球のおよそ半分をカバーしました。サンプル数は、従来の国際的なサーベイ望遠鏡の5倍、第1期データのおよそ4倍に達し、世界記録を再び更新しました。
研究チームはこのデータに基づき、近傍宇宙における中性水素密度の測定精度を0.6%にまで高めました。これは、この物理量に対する人類がこれまでに達成した最も精度の高い測定です。
これらのサンプルは、銀河の進化や暗黒物質の分布、宇宙の大規模構造といった最先端の謎の解明に役立つほか、重力波の発生源の特定や、次世代の電波望遠鏡の研究にも重要な手掛かりを提供するとみられています。
こうした成果は、中国国内の複数の研究機関が共同でまとめたもので、世界の天文学研究に重要な中国の観測サンプルを提供することになります。(提供/CGTN Japanese)

