新型エルグランドオーナーがカスタム仕様「AUTECH」に惹かれた率直な理由とは

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新型エルグランドオーナーがカスタム仕様「AUTECH」に惹かれた率直な理由とは

 2026年7月末、16年ぶりのフルモデルチェンジを受けたばかりの日産「新型エルグランド X e-4ORCE」を速攻で購入した筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)が、同モデルをベースに日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手がけたプレミアムカスタムカー「AUTECH」の実車をチェックしてみました。
 
 オーナーだからこそ感じたその魅力とは、どのような点にあるのでしょうか。

 新型エルグランド AUTECHを目の前にして、まず目を奪われたのがボディカラーです。

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 今回チェックした展示車は、AUTECH専用色「ディープオーシャンブルー」と「ミッドナイトブラック」を組み合わせた2トーン仕様です。パールが施されたブルーは、照明の光を受けると細かな輝きが浮かび上がります。

 実車ではその印象はかなり強く、新型エルグランドのフォルムを見事に引き立てていました。

 実は筆者は、これまでブルーのステーションワゴンを2台乗り継ぐなど、以前から青系のボディカラーを好んできました。

 新型エルグランドでは「プリズムホワイト」を選択し、満足はしているものの、AUTECHの実車を前にすると、「ディープオーシャンブルーのほうがよかったかも……」と思わずにはいられませんでした。

 新型エルグランドには、AUTECHとは別に「AUTECH LINE」も設定されています。

 新型エルグランドのAUTECHは、上級グレードの「G e-4ORCE」をベースに、専用のエクステリアに加えて、ブラックプレミアムナッパレザーシートやブルーステッチを施したインテリアなど、内装まで専用で高級仕立てとしたプレミアム仕様です。

 これに対しAUTECH LINEは、X e-4ORCEをベースとした「AUTECH LINE e-4ORCE」と、G e-4ORCEをベースとする「AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”」を設定します。

 ともに、専用ブラックシート(シート素材はナッパレザーのような柔らかな触感を持つ上質な合皮「テーラーフィット」)を採用するほか、フロントグリルやフロントバンパーフィニッシャー、専用フロントプロテクター、専用18インチアルミホイールなどが与えられています。

 単色のディープオーシャンブルーはこのAUTECH LINEでも選択できますが、ミッドナイトブラックのルーフと組み合わせた2トーンはAUTECHだけの設定。この組み合わせに魅力を感じる人にとっては、AUTECHを選ぶ大きな理由のひとつになりそうです。

 ただ、個性的なフロントグリルの加飾やシグネチャーLED、専用18インチアルミホイールのデザインについては、好みが分かれるところだと感じました。

 また、足元のシルバーを強く主張するデザインだけに、個人的にはタイヤの扁平感がより強調される19インチへの大径化があってもよかったように思います。

 エクステリア以上に、オーナーとして魅力を感じたのがインテリア、とりわけシートの仕上がりです。

 AUTECHには、専用のブラックプレミアムナッパレザーシートが採用され、ブルーの刺繍やキルティング加工が施されています。

 実際に腰を下ろすと、肌触りはしなやかで、包み込まれるような座り心地も上質でした。

 筆者は新型エルグランドを購入する際、合皮シートを採用するX e-4ORCEと、テーラーフィットのシートにベンチレーションを備えるG e-4ORCEのどちらを選ぶか、最後まで悩みました。

 ちなみにシートヒーターとベンチレーションは、前席のみならず2列目席にも備わります。

 最終的にはX e-4ORCEを選びましたが、AUTECHのシートに実際に触れてみると、あらためてシートの素材や機能による違いを感じます。

 特に違いを感じるのが「夏場の快適性」です。猛暑のなかでは、エアコンをフル稼働させていても、標準の合皮シートには熱がこもりがちです。

 助手席や2列目なら姿勢を少し変えて熱を逃がすこともできますが、運転中はそう簡単に座り直すことができず、長時間の運転では不快に感じることもありました。

 その点、AUTECHに標準装備されるシートにはベンチレーションが備わっています。実際にX e-4ORCEで夏場を過ごしている筆者にとって、これは羨ましく感じる装備です。

 ただ、ドアパネルやセンターコンソール、ダッシュボードなどに施されるブルーのステッチやAUTECHロゴなどの専用加飾については、大きな差を感じませんでした。

 AUTECHならではの特別な仕立てではあるものの、「内装全体が別物」というほどの違いではない、というのが実車に触れた印象です。

 ただしこれは、ブラック(ダーク)内装のX e-4ORCEオーナーの目線です。上級グレードのG e-4ORCEは、上品な紫の内装色をあしらった「紫檀-シタン-」と、これにホワイト基調の素材を組み合わせた「銀雪-ギンセツ-」内装が設定されています。

 かなり抑え目なトーンとはいえ、紫の色合いはやや好みがわかれるところかもしれません。ブラック基調がイイという方には、AUTECHも検討してみる価値があるでしょう。

 ここで気になるのが価格差です。

 筆者が購入したX e-4ORCEの車両本体価格は689万7000円。筆者は約45万円のオプションを追加しているため、824万7800円のAUTECHとの実質的な差額は約90万円となります(価格は消費税込、以下同)。

 AUTECHのシートの質感やベンチレーションには惹かれるものの、この価格差を考えると、もうひとつの選択肢であるAUTECH LINEも気になるところです。

 AUTECH LINEでも、AUTECH LINE e-4ORCEであれば717万9700円。筆者が購入したX e-4ORCEとの価格差は約28万円で、シートが専用のブラックテーラーフィットシート(ベンチレーションは無し)となるほか、ダークメタルグレーのフロントグリルやフロントバンパーフィニッシャー、専用フロントプロテクター、専用18インチアルミホイールなどが採用されています。

 もし購入前に戻れるなら、筆者はこちらを真剣に検討していたでしょう。

 なにより、諦めきれないディープオーシャンブルーのボディカラーを選べる点が大きな魅力だからです。

※ ※ ※

 それでも、専用のボディカラーやエクステリア、上質なシートの座り心地、ベンチレーションによる快適性まで含めると、AUTECHには価格差だけでは測れない魅力があります。

 X e-4ORCEに満足している筆者でも、実車を前にすると「やはりAUTECHはいい」と思わせるだけの仕立ての違いがありました。みなさんの新型エルグランド選びの参考になれば幸いです。