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子どものぬいぐるみに文房具…食器や家具まで、使わなくなった「不用品」をアプリなどを利用して譲り合うサービスが拡大。今や実店舗も登場し、様々なものが無料で持ち帰ることができると多くの人で賑わっています。中には、リビングで使うローテーブルをタダでもらった、と話す人もいました。しかし、その一方で「譲り合い」の善意につけ込む悪質な詐欺がSNS上で横行しています。「無料であげます」。そんな誘惑の投稿から始まる巧妙な詐欺の手口とは…

【写真で見る】「あなたのせいで口座凍結」病気の子どもの写真を送りつけ…詐欺の手口とは

「閉店セール」「災害支援」…善意につけ込む偽の投稿

SNS上には、

「携帯電話ショップが閉店セールで在庫を無料放出することになった」
「ベビー用品が余ったので、無料で差し上げます」
「美術教室を閉鎖することになった。大量の画材が残っている」

など、一見すると親切な申し出が数多く投稿されています。

しかし、これらの中には巧妙に仕組まれた詐欺もあります。ある投稿では「閉店するため人気ゲーム機を格安で譲る」として、実在する店舗の住所が記載されていました。番組がこの店舗に確認したところ、そうした事実はないと否定しました。

さらに、「売上金は全額、震災復興支援に寄付される」と熊本地震への寄付を謳い、スイカを格安で販売する投稿も。これも実在の店舗を騙る“なりすまし”でした。

「閉店」や「災害」といった“困った事情”を添えて善意につけ込もうとするこれらの投稿。その先には一体何が待ち受けているのでしょうか。

“送料だけ”のはずが…偽サイトの巧妙な手口

番組が複数の投稿者に接触を試みたところ、大手配送業者を装った“偽サイト”のURLが送られてきました。

サイトの見た目は本物と見分けがつきにくいほど精巧に作られています。しかし、よく読んでみると「私は許し、優先事項として伝染病の予防をサポートしていただきありがとうございます」など、不自然な日本語の表記が見られました。

佐川急便は、こうした偽サイトについて「正規のサービスと誤認し、被害に遭われることを強く懸念している」として、怪しいサイトにアクセスしたり個人情報を入力したりしないよう強く注意を呼びかけています。

サイトは配送手続きを装い、個人情報の入力を求める仕組みになっており、送り主の名前や住所も記載されていました。番組がその住所を訪ね、本当に送り主とされる人物が住んでいるのか確認すると、住人は「私ではない」として、SNSの投稿に身に覚えがないと話しました。

「あなたのせいで口座凍結」49万円だまし取られた女性の告白

こうした偽サイトを入り口に、金銭をだまし取られる被害も発生しています。49万円を振り込んでしまったという40代の女性は、SNSで「ペットのカートを整理したいから2000円で譲ります」という投稿を見つけたのがきっかけだったと話します。

相手から「佐川急便で送る」とURLが送られてきましたが、女性がサイトで手続きを進めようとしても、登録はできませんでした。すると、送り主は「認証が失敗したことで銀行口座が凍結されてしまった」と主張。

さらに、病気の子供の写真まで送りつけてきて「子どもが病気で、その治療費が入っている口座が凍結されたと大騒ぎし始めた」といいます。

口座の凍結を解除するためには「確認のための送金が必要」と説明され、「振り込んだお金は戻ってくる」と信じた女性は、急かされるまま送金を繰り返しました。最終的に、合わせて49万円も支払ってしまったといいます。

「主人にお金を用意してもらったり母に借りたり、いろいろしながら。焦ってしまった」

女性はその後、警察に被害届を出したということです。

詐欺の手口に詳しい元千葉県警警部補の森雅人氏は、この手口の巧妙さを指摘します。

「偽の配送業者のサイトで個人情報などを吸い取った後に、『あなたのせいで私の口座が凍結された、どうしてくれるんだ』と劇場型で運用されているところが非常に巧妙」

「配送業者のホームページで個人情報や口座の情報まで聞かれることは通常の手続きでは絶対ないので、ここでも怪しいと思うポイントがある」

「無料」や「格安」という言葉の裏に潜むリスクを理解し、少しでもおかしいと感じたら、手続きを中断し、冷静に判断することが求められます。