「末端神経障害」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!

ビタミンB12は一度に吸収できる量に限界があるため、摂り方に工夫が必要です。葉酸との組み合わせや胃腸ケアなど、効率よく摂取するポイントを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「ビタミンB12」が牛乳より約8倍多い”飲み物”はご存じですか?管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
中岡 紀恵(管理栄養士)

短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。

「ビタミンB12」とは?

ビタミンB12はコバルトを含む化合物で、アデノシルコバラミン、メチルコバラミン、ヒドロキシコバラミン、シアノコバラミンがあります。水に溶けやすく、光によって分解されやすい性質です。食品中のビタミンB12はたんぱく質と結合しており、胃の中でたんぱく質が変性・分解されると、遊離のビタミンB12になります。ビタミンB12は補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝に関与しています。また、赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。

ビタミンB12の一日の摂取量

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、ビタミンB12の基準値が改定されました。今回の改定では、これまでの「推奨量」という指標から「目安量」へと変更され、数値そのものも見直されています。成人男性、女性ともに一日あたり4.0µgとなっています。
なお、ビタミンB12摂取と生活習慣病発症予防の関連を示す報告はないため、目標量は設定されていません。また、現時点でビタミンB12の過剰摂取が健康障害を示す科学的根拠がないため、耐容上限量の設定もされていません。

ビタミンB12の効率的な摂取方法

少量ずつ複数回に分けてこまめに摂る

一度に吸収できる量には限界(胃から出る「内因子」の量に依存)があるため、1日1回大量に摂るより、朝・昼・晩と分けた方が総吸収量は高まります。牛乳を朝食や間食に取り入れたり、しじみ汁を食事にプラスするなどこまめに摂ることをおすすめします。

葉酸と一緒に摂取する

ビタミンB12と葉酸は、協力して赤血球を作る「造血のビタミン」です。一緒に摂ることで、相乗的な働きをサポートします。どちらか一方が不足しても正常な血液を作ることは難しくなります。意識してビタミンB12が多い動物性食品と葉酸が豊富な緑黄色野菜を組み合わせると良いでしょう。あさりとブロッコリーのパスタではスープ仕立てにすることで溶け出した栄養素を逃さず摂取できます。ブロッコリーを最後に加えることで葉酸の加熱による損失も抑えることが可能です。朝食やデザートにヨーグルトにいちごやマンゴーなどの果物をプラスするのも良いでしょう。

胃腸のコンディションを整える

ビタミンB12をきちんと吸収するためには胃酸の分泌と、胃粘膜から分泌されるたんぱく質(内因子)が必要です。加齢や胃炎で胃酸が減ると吸収率が低下するため、よく噛んで胃の負担を減らすことが大切です。

「ビタミンB12が多い飲み物」についてよくある質問

ここまでビタミンB12などを紹介しました。ここでは「ビタミンB12が多い飲み物」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

ビタミンB12を効率よく摂取するには、どのような飲み物が良いでしょうか?

中岡 紀恵(管理栄養士)

手軽に摂るには牛乳、効率よく摂るにはしじみ汁がおすすめです。確実に摂取量を管理したい場合は栄養機能食品のドリンクも選択肢のひとつです。
手軽に効率よくビタミンB12を摂れる飲み物は牛乳です。食事で摂るには貝類のスープ(しじみ汁やあさり汁)に豊富にビタミンB12が含まれています。しじみ汁においては1杯で1日の目安量を満たすことが可能です。確実に摂取量を管理したいときは「栄養機能食品」のドリンクが適しています。成分表示でビタミンB12の量が確認できます。ご自身のライフスタイルに合わせて、無理なく使い分けることをおすすめします。

ビタミンB12が不足する原因は何でしょうか?

中岡 紀恵(管理栄養士)

極端な菜食主義や加齢、胃の手術後、日常的な過度なアルコール摂取などが主な原因として挙げられます。
ビタミンB12は、主に肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品に含まれます。現代の食生活において、極端な偏食がない限り不足しにくい栄養素ですが、ビーガン(完全菜食主義)の方は食事のみで基準を満たすことが極めて困難です。また、加齢に伴い食が細くなり動物性たんぱく質の摂取が減ること、胃の手術(全摘出や一部切除)後に胃酸や内因子が減少すること、日常的にアルコールを多く飲む方では腸管での吸収がうまくいかないことなどが不足の原因になる場合があります。また、特定の薬を長期間服用している場合、小腸での吸収に影響を及ぼすことが報告されています。気になる場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談することが推奨されています。

編集部まとめ

ビタミンB12は赤血球の形成や神経の機能を支える役割を持っています。胃から分泌される「内因子」という物質と結合して初めて小腸で吸収されるという、少し特殊な仕組みをもっています。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では成人基準が「目安量」へと変更され、一日当たり4.0µgに設定されました。バランスの取れた食事を基本として、しじみ汁や乳製品などの動物性食品を主軸に、胃の手術後やビーガン、日常的にアルコールを多く飲まれる方などは、食生活の傾向によって不足しやすい場合があるため、ご自身の食事内容を意識して整えることが大切です。

「ビタミンB12」と関連する病気

「ビタミンB12」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科の病気

巨赤芽球性貧血

循環器系の病気

ホモシステイン血症(血管リスク)

脳神経内科の病気

脊椎・脳の白質障害

末梢神経障害

「ビタミンB12」と関連する症状

「ビタミンB12」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

動悸疲れやすい

食欲不振

ハンター舌炎

手足のしびれ

ふらつき

筋力の低下

集中力の低下

気分の落ち込み

参考文献

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年|文部科学省

食品成分データベース|文部科学省

ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット