【ラグビー】エディー日本、格下カナダに9トライ勝利…1年後のW杯へ収穫はセットプレー、課題はミスで逃した好機 担当記者が「見た」
◇ラグビー 「リポビタンD チャレンジカップ2026」日本57-12カナダ(5日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)
世界ランキング12位の日本代表は、同24位のカナダ代表に57-12で勝利。計9トライを挙げる今季最多得点で、テストマッチの連敗を4で止めた。ラインアウトモールで得点を重ねるなどFW陣が奮闘も、格下相手に安易なミスによる取りこぼしも目立った。2027年10月1日開幕のW杯オーストラリア大会まで約1年に迫る中、エディー・ジャパンの収穫と課題を大谷翔太記者が「見た」。
今季最多57得点を挙げても、試合後は何とも言えない空気感だった。格下カナダ相手に計9トライを挙げて5試合ぶりの勝利も、場内インタビューで主将のSH斎藤直人に笑顔はなし。「どんな試合でも勝つことは難しい。大きな勝利」の言葉の後に「自分たちの思うスタンダードには、達していなかった」と続けた。
前半5分、日本は敵陣左サイド深くのラインアウトからモールを押し込み、先制。同15分にはフッカー原田衛など、モールから3トライを挙げた。7月のネーションズ選手権では課題が出たセットプレー。原田は「圧倒することがFWのテーマだった。こういう相手(カナダ)にできないと強豪にもできない」と、一つうなずいた。この試合の収穫と言えるだろう。
一方で4強を目指すW杯を1年後に控え、見えた課題も明確だった。前半2分、CTBライリーから左WTB木田へのパスはそのままタッチラインを越えた。17-7とした前半25分は、トライ目前でWTBブルアが落球。SO伊藤龍之介は、31分から2連続でタッチキックでミスが出るなど、BK陣が精彩を欠いた。7月に代表デビューし、これまでフランスなど格上に挑んできた21歳の伊藤は、強豪国と比べて攻めやすい状況下での司令塔としてのゲームマネジメントを反省した。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)も「いい教訓になった試合」と語った。
指揮官は、パシフィックネーションズカップの初戦、米国戦に状態を合わせるため、カナダ戦前は練習を追い込んだことも明かした。午前7時と午後5時から2時間ずつ、途切れることなくプレーを続ける強度の高いメニューもあったという。万全ではないコンディションが、プレーの質の低下につながった側面もあるのかもしれない。
ただ格下との戦い方、そして蓄積した疲労下での試合は、W杯1次リーグにも通ずる。中5日で3試合。世界ランク14位米国、20位サモアとは、選手の入替も含めていかに効率よく戦えるかが鍵を握る。「若いチームにとってはいい経験になった」とジョーンズHC。この日の戦いは1年後に向け、貴重な80分間になったはずだ。(大谷 翔太)
