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 ◇セ・リーグ 阪神2-3DeNA(2026年9月5日 甲子園)

 石井の1軍復帰に沸く中で、阪神・森下のバットも快音が戻ってきた。実に10試合、41打席ぶりに放った会心の打球は、聖地・甲子園球場の外野フェンスを軽々と越えていった。

 「先頭打者だったので、出塁するために強引にならないように気をつけていた結果、いいバッティングができた」

 3点劣勢で迎えた4回先頭の2打席目。その初球だった。先発右腕・尾形がタイミングを外しにきた甘い117キロのカーブを一閃(いっせん)。高々と上がった大飛球は、バックスクリーン左へ飛び込む32号となった。初回2死からの打席は初球から5球連続でカーブを投じられ、6球目のスライダーを見送って四球を選んだ。強打者に多い極端な攻め方をされても、あっさりと打ち返した。

 「カーブの軌道は頭にはあった。そういう配球をされるのは結構多いので、気にしなかった」

 試合前時点で3試合連続、計4本塁打を記録していた佐藤輝が量産態勢に入る中、3本差をつけられていたが、追撃の放物線を描いた。この一発で今季、甲子園でのアーチは4年目で初の2桁10本に到達。聖地では通算30本目と“節目”の本塁打にもなった。佐藤輝が4年目終了時に放ったアーチが30本。右打者の森下は、右翼から左翼方向に強く吹くことの多い浜風の恩恵を受けることが多くあっても、レギュラーシーズン20試合以上を残して並んだ。

 8月21日のDeNA戦で「最低目標」としていたシーズン30本塁打に届いたが、満足はしていない。勝利につながる一打のみを追い求める26歳は、甲子園での10発にも「いや、別に」と興味を示すことはなかった。レギュラーシーズンは残り22試合。3番打者として果たす責務は、言われなくても分かっている。 (石崎 祥平)