OpenAIが2026年9月3日に新しいAIモデル「GPT-6 Astra」を発表しました。GPT-6 AstraはPC操作やブラウジング、プログラミング、科学、サイバーセキュリティなどで従来のGPT-5.6 Solを上回る性能をうたっており、Blenderを使った3D制作やUnreal Engine 5を操作するデモも公開されています。さらにAIの未知の問題への対応力を調べる「ARC-AGI-3」では最大99.9%を記録しています。

GPT-6 Astra: A new generation of intelligence | OpenAI

https://openai.com/index/gpt-6-astra/





近年のAIは文章を作るだけでなく、ブラウザやPC用アプリを実際に操作して仕事を進める「AIエージェント」としても使われるようになっています。GPT-6 AstraはPC操作能力が大きく強化されており、フォームへの入力やカレンダー整理、ウェブ調査、ウェブサイト制作、ソフトウェアのインストールやテストなどを実行できるとのこと。

OpenAIのサイトでは、GPT-6 AstraがExcelを巧みに操ってExcel世界大会の課題を解く様子のほか、PC上のさまざまな作業を行っている例が掲載されています。



3D制作や会計、ソフトウェア開発など、実際の仕事に近い長時間のPC作業をAIがどこまでこなせるかを調べるベンチマーク「Agents' Last Exam」では59.3%を記録し、GPT-5.6 Solの53.6%を上回りました。最高スコアを記録した設定ではClaude Opus 5より出力トークン数が約65%少なかったとのこと。



PCを操作できる能力はクリエイティブ分野でも活用されています。以下はGPT-6 AstraによるBlenderでの3Dモデリング例。



そして以下はBlenderでモデル化した家をUnreal Engine 5に持ち込み、歩き回れる状態にしたデモとなっています。



このように、GPT-6 AstraはBlenderやゲームエンジンといった制作ツールを使いながら作業を進められるというわけ。ゲーム開発会社のPlaycoもGPT-6 Astraを使ったゲーム制作を試しており、従来モデルと比べて手作業による修正が50%減少したと報告しています。

OpenAIのページでは実際にGPT-6 Astraが制作したゲームをプレイしてみることが可能です。



さらに目を引くのが「ARC-AGI-3」の成績です。ARC-AGI-3は初めて見る抽象的なターン制の環境をAIに操作させ、ルールを推測しながら問題を解けるかを調べるベンチマーク。GPT-6 AstraはOpenAI側のコンテキスト管理機能を利用できる「Provider Adapter harness」では最高で99.9%を記録しました。



なお、同じ条件で各社のモデルを比較しやすくした「Standard harness」での最高スコアは62.7%です。ARC Prizeは62.7%と99.9%の両方を最高水準の結果としています。



また、Provider Adapter harnessでは人間がクリアした際の中央値より少ない操作回数で解けたステージが96%に達したとのこと。以下の画像はARC-AGI-3でGPT-6 Astraと人間の操作効率を比較した図です。点が斜めの基準線より下側にある場合、GPT-6 Astraが人間よりも少ない操作数でクリアできたことを示しています。



サイバーセキュリティ分野でも性能が伸びています。既知のソフトウェア脆弱(ぜいじゃく)性から実際に攻撃可能なコードを作れるかを調べる「ExploitBench」では100%を記録し、GPT-5.6 Solの78.5%を上回りました。OpenAIはGPT-6 Astraが同社の安全性評価でサイバー能力の「Critical」水準に達した初めてのモデルだとしており、高度な攻撃につながる要求を制限する安全対策も強化しています。

以下の表はOpenAIが公開したGPT-6 AstraとGPT-5.6 Solの主なベンチマーク結果を比較したもの。

分野ベンチマークGPT-6 AstraGPT-5.6 SolPC操作Agents' Last Exam59.3%53.6%PC操作OSWorld 2.072.6%65.7%PC操作ScreenSpot-Pro92.7%76.9%業務AutomationBench41.4%18.1%業務BenchCAD95.9%83.3%ウェブ閲覧BrowseComp91.5%90.4%コーディングTerminal-Bench 4.057.9%37.3%コーディングDeepSWE v1.174.1%72.7%科学Terminal-Bench Science 0.164.6%22.4%数学FrontierMath Tier 4 (v2)97.6%83.0%科学GPQA Diamond96.0%94.6%サイバーセキュリティExploitBench100.0%78.5%サイバーセキュリティExploitGym42.4%30.3%サイバーセキュリティSRE-Bench88.0%55.9%長文処理OpenAI MRCR v2 512K~1M96.3%73.8%抽象的推論ARC-AGI-399.9%7.8%抽象的推論ARC-AGI-295.0%92.5%

GPT-6 Astraは記事作成時点で一部の組織向けに提供が始まっており、今後数日かけてChatGPT Plus、Pro、Business、EnterpriseやOpenAI API、Amazon Bedrockにも展開される予定です。OpenAIは長時間に及ぶPC操作や専門的な作業をこなす能力を高める一方で、ユーザーが指定した作業範囲を守る能力についても改善したと述べています。