5月に失踪した女性の遺体はヤシ畑で見つかった(時事通信フォト)

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 朝鮮半島の南に浮かぶ済州島は「韓国のハワイ」と称される、風光明媚なリゾート地だ。南国を思わせる豊かな自然を求め、国内外から年間1300万人以上が訪れる。いま、その島で悪夢のような事態が生じている。8月22日からのわずか3日間で、4人もの行方不明者の遺体が相次いで発見されたのだ。

【写真】逮捕された現地警察のA氏、女性の遺体が発見された現場など。他、済州島で『愛の不時着』の撮影をしたユン・セリとリ・ジョンヒョクなども

「遺体のうち2件について、失踪届を受けた現地警察のA氏が『本人と連絡が取れた』などと虚偽の説明をし、ろくに捜査を行わず事案を自作自演で"解決"させていました。親族らが再捜査を訴えなければ、迷宮入りしていたかもしれません。警察のずさんな対応に批判が集まるとともに、リゾート地で次々と遺体が見つかるという異様な事態に、韓国では連日、この話題が報道され大騒動になっています」(在韓記者)

 白骨化が進んでいる遺体もあり、死因の特定などは難航しているという。済州島はBTSのアルバムジャケットや大ヒットしたドラマ『愛の不時着』のロケ地としても知られ、日本から「聖地巡礼」に訪れる人も少なくない。韓国有数の観光地で怪事件が起こり、住民や観光客を震え上がらせる不気味な噂も流れ始めた。

「A氏は約1年半の間に298件もの失踪事件を担当し、警察のシステムから記録を不正削除するなどの問題が60件以上も発覚して、調査が進んでいます。この異常性から、SNS上では《今回の連続遺体発見事件にA氏が何らか関与しているのでは》といった"考察"が過熱しました。噂に尾ひれがつき《済州島では夜になると人が消える》といった、新たな都市伝説を創作する人までいる有様です」(前出・在韓記者)

 さらに、「外国人犯行説」まで囁かれだしている。

済州島は『国際自由都市』に指定され、中国など多くの国からビザなしで入国できます。別荘を持つ海外の富裕層がいる一方で、ここを足場に韓国本土への密航を企てる外国人も一定数存在し、繁華街での犯罪被害も増加傾向に。近年では穏やかなリゾート地とは別の顔も持ち合わせるようになりました。

 そのため《不法滞在者が臓器売買のために人をさらっている》などといった臆測まで飛び交っています。かつてののどかな済州島を懐かしむ人々の不安が、陰謀論を生み出しているのかもしれません」(前出・在韓記者)

 国の調査によれば、済州島の犯罪発生率が、10年連続で韓国国内ワースト1位という現実もある。しかし必要以上に不安を煽る風潮に、在韓ジャーナリストの金敬哲氏は警鐘を鳴らす。

「国の統計は人口10万人あたりで算出されます。済州島は住民の数に対して観光客が圧倒的に多いため、見かけ上の犯罪率が高く見えてしまう傾向があり、実態はほかの地域と大差ないとの統計もあります。

 一方、自然豊かな済州島では、監視カメラの設置数が韓国のほかの観光地と比べて少なく、死角が生じやすい。そのため、事件の真相究明が遅れるという課題もあります。犯罪やトラブルのリスクがあることは、観光の際に覚えておくべきでしょう」

 美しい島での奇怪な事件。誰しもがいつ巻き込まれてもおかしくない。

※女性セブン2026年9月17日号