「私、劣化してる?」結婚5年目の孤独と焦り。夫に存在を否定された女性を救った年下男子の「無条件の全肯定」という背徳の癒やし/漫画『私のかわいい犬だから』

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結婚して5年。いつの間にか夫の視線は自分を通り過ぎ、会話は最低限の事務連絡だけ。

気がつけば夫婦としてのスキンシップなんて何ヶ月、何年も存在しない。

「私って、もう女として価値がないのかな……」

そんな、口に出せない孤独を抱えている女性は決して少なくありません。

人気連載漫画『私のかわいい犬だから』の主人公・本条涼香も、まさにそんな「すり減った日常」を生きる30代の女性です。

本作の第1話で描かれる彼女の心の渇きと、それを癒やした「年下男子による全肯定」の心理構造は、現代の多くの女性にとって他人事とは思えないリアリティに満ちています。

日常の中に潜む「雑に扱われる」という自己肯定感の搾取

涼香と夫・敦は、結婚して5年。

かつては優しく、食後の食器を自ら流しに運んでくれた夫は、今やそれすら放置。涼香が「犬を飼いたい」と提案しても、「犬なんてうるさいだけ」「涼香にしつけができると思えない」と、頭ごなしに否定して鼻で笑うだけです。

そこにあるのは、「妻だから何を言ってもいい、雑に扱っても文句は言わないだろう」という甘えと軽視です。

職場である大学で、生命力に満ち溢れた若い女子大生たちを見るたびに、涼香は「自分が女としてどんどん劣化していく」という底知れない焦りを感じていました。

20歳前後の彼女たちと、三十路を迎えた自分を比べては落ち込む日々。

毎日仕事に家事に追われながらも、誰からも「一人の女性」として大切に扱われない寂しさが、彼女の自己肯定感を静かに、確実に削り取っていました。

勇気を出したアピールを「キツい」と拒絶された瞬間の絶望

そんなすれ違いを打開しようと、涼香が起こした精一杯の行動。

それが、派手な新しい下着を身に着けて夫の帰りを迎えることでした。

女性がこのような行動に出るには、想像以上の勇気が必要です。

「引かれたらどうしよう」「相手にされなかったら惨めすぎる」という不安を抱えながら、それでも「もう一度、夫と触れ合いたい」と願ったからこその行動でした。

しかし、夫の敦から返ってきたのは、「急に何張り切っちゃってんの?」「いやいや、もうそんな歳でもないでしょ。いい加減キツいって」という冷淡な言葉でした。

この「キツい」という言葉は、涼香の勇気だけでなく、彼女の「女としての存在そのもの」を全否定する破壊力を持っていました。

夫にとっては何気ない冗談や照れ隠しだったのかもしれません。

しかし、傷ついた妻の心は、もう二度と元には戻らないほど深く切り裂かれたのです。

19歳の少年が見せた「無条件の全肯定」という名の麻薬

傷心の涼香が夜の歩道橋で会ったのは、彼女を熱い視線で見つめる19歳の大学生・坂巻風太でした。

自分の薄暗い感情を紛らわせるため、そして自分の「女性としての価値」を確かめるために、涼香は「この川に落ちたビール缶を拾ってきたら、付き合ってあげる」という、残酷で無理難題な「命令」を投げかけます。

ここで風太が取った行動は、大人の常識からすれば狂気の沙汰です。

彼は躊躇することなく、夜の冷たい川へ飛び込み、びしょ濡れになって缶を拾って戻ってきたのです。

ただ、涼香の「付き合ってくれる」という約束を信じて。

このとき、涼香は強烈なカタルシスを覚えます。

夫に「キツい」と拒絶され、誰からも求められていないと感じていた自分が、この19歳の少年にとっては「命がけで命令に従うに値する絶対的な女王」になれた瞬間でした。

「主従関係」という究極のセーフティネット

本作で描かれる「年下男子を犬として飼う」という関係は、一見すると歪んだ、背徳的な共依存に見えるかもしれません。

しかし、傷つき疲れ果てた女性にとって、これは究極の「癒やし」の形でもあります。

対等な男女の関係は、常に「嫌われるかもしれない」「相手に愛されなくなるかもしれない」という不安と隣り合わせです。

ましてや、冷え切った夫を相手にすれば、なおさら心がすり減ります。

しかし、「主人と犬」という絶対的な主従関係においては、犬は主人を決して裏切らず、ただ純粋な忠誠と愛情を向け、自分を全肯定してくれます。

「この寂しさは一人じゃ埋められない。だったら……風太くん、この子でいいじゃない」

傷ついた女性の心を完璧に埋めてくれたのは、対等なパートナーシップではなく、自分を絶対的な存在として敬う「かわいい犬(年下男子)」でした。

心に深い渇きを抱えるすべての人に、この背徳的でありながらもどこか救われる、究極の癒やしのストーリーを体験してほしいと思います。