6回1死一、二塁、気迫のこもる投球で蝦名から空振り三振を奪った西舘(カメラ・小林 泰斗)

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◆JERAセ・リーグ 巨人1-2DeNA=延長10回=(2日・京セラドーム大阪)

 気迫が違った。西舘勇陽投手(24)が魂の奪三振ショーを展開した。6回1死一、二塁。一打先制のピンチでフォークを沈め、蝦名にバットの空を切らせた。プロ3年目で初の2ケタ10K。腹から雄たけびを上げ、続く林も1球で二ゴロ斬り。「打者に向かっていく意識だけだった。イニングを投げられたのが一番かな」。緊急先発の代役が期待以上の働きで6回3安打0封と熱投した。

 相手エース・東との投げ合い。立ち上がりからフルパワーを放出。初回に自己最速タイ、1軍では初となる156キロを計測。内角に直球、外角にスライダーの配球で今季初対決のDeNAを牛耳った。4回までに84球を要したが「1試合も落とせない。行くしかない」と続投。3週間ぶりのスターターでプロ最多118球を投げ抜いた。

 先発通達は前日の練習前。同学年の井上が体調不良で登板回避になった。自身は前カードの阪神戦から中継ぎで再昇格。先発時のルーチンである2日前のブルペン投球などを行っていない中でイレギュラーに対応した。緊急事態にさらされても「こういう時もある」と仲間を真っ先にフォロー。チームトップ10勝左腕の代わりを完璧に務め、橋上監督代行も「気合十分で放ってくれた」と称賛した。

 人のため-。それをいとわない。何かを頼まれれば決まって「いいよ~」と返す優しい性格。外出前の寮生に会った時には「乗っていく?」と助手席に招くのが恒例。年下の選手といる時は、値段の大小関係なく「俺が絶対全部払う」と男気会計する。ある後輩には昨冬、約8万円のゲーム機をプレゼント。2人で買い物へ行った際に「買おうかなぁ」と隣でつぶやく姿を見ていた。誕生日でもなく、ねだられたわけでもないが、PayPayでさらっと支払い。気を使わせないよう「一緒にやろっか!」と笑顔で手渡す配慮まで。

 この日は「ハルト」の分も心を燃やした。登板前「ごめんね」と送られて来たLINEには「次の調整に向けて早く治してね」と返信。3勝目は持ち越しとなったが、23年のドラ1が底力を示した。(堀内 啓太)

 【福本豊Point】 捕手の構えたところにはあまり投げられていなかったが、球威があった分、荒れ球で相手は打ちづらそうだった。走者を背負っても要所を締め、代役の先発としては十分に合格点を与えられる投球だった。(スポーツ報知評論家・福本 豊)