「D23:アルティメット・ディズニーファン・イベント2026」(8月14日〜16日開催)

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 「TikTok」を映画やドラマのプロモーションに活用することが当たり前となった現在、ディズニーがその関係をさらに一歩先へ進めようとしている。

【ディズニープラス】2026年9月配信予定作品紹介動画

 ウォルト・ディズニー・カンパニーとTikTokが8月5日(現地時間)に発表した新たなコンテンツ共有契約では、TikTokで公開されたクリエイターによるディズニー関連の動画を、米国の「Disney+(ディズニープラス)」でも配信する計画だ。作品を知らせて本編へ誘導するだけでなく、作品とそれを楽しむファンやクリエイターの声を一つのアプリ内でつなぎ、継続的な関わりを生み出すことを目指す。

 米カリフォルニア州アナハイムで8月14日(現地時間)に開催された「D23:アルティメット・ディズニーファン・イベント2026」のメディア向けプレゼンテーションでも、Disney+とESPNの幹部らがこの施策に言及。ファンとの接点を深め、Disney+を日常的に訪れる場所へと発展させる可能性に、大きな期待を寄せた。

 米国のDisney+では今年3月、モバイルアプリに縦型動画機能「Verts」を導入。予告編や作品のクリップなどから気になるタイトルを見つけ、そのままウォッチリストに追加したり、本編を再生したりできる。すでにモバイルユーザーの約40%が同機能を利用したといい、1人当たりの平均利用時間や、1回の利用で視聴するクリップ数、ウォッチリストへの追加も増加しているという。

 ディズニーは今後、「Verts」を作品発見のためだけの機能にとどめず、クリエイターによる投稿やオリジナルストーリー、短編コンテンツ、ポッドキャストなどへ広げることも検討している。

 ディズニー・エンターテインメント&ESPNでプロダクト担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めるエリン・ティーグ氏は、長編のオリジナル作品に代わるものはないとしたうえで、短い解説やクリップが作品を補完する存在になっていると説明した。

 ライブスポーツと、その周辺で生まれる解説や分析の関係も例に挙げ、「そうした体験を融合し、人々が欲しいものを欲しいときに瞬時に届ける方法を考えることが課題」と、長編と短編を組み合わせた視聴体験の可能性を語った。

 TikTokとの提携では、クリエイターが制作したディズニー関連のショート動画のうち、プログラムへの参加に同意した人の動画を、TikTokとDisney+の「Verts」の両方で配信する。

 対象となるのは、ディズニーをはじめ、ピクサー、マーベル、「スター・ウォーズ」、FXなどのキャラクターや物語を活用したコンテンツ。まずは今後数ヶ月以内に米国で試験的に開始し、その後、ほかの市場への展開を目指す。

 D23のプレゼンテーションでは、この仕組みをイベント会場から発信される動画に当てはめて紹介した。クリエイターがD23の会場で撮影し、TikTokに投稿した動画が、Disney+でも新たなコンテンツとして届けられるケースが例示された。

 ティーグ氏は、「きょうのD23で何が起きているのか」と気になった人がDisney+を開き、実際に現地にいるクリエイターの動画を楽しめることの意義を強調。リアルタイム性の高い投稿を取り込むことで、利用者がDisney+を日常的に訪れる新たな理由になるとの見方を示した。

 登壇したクリエイターからは、映画やドラマなどの本編と、それについて語るファンの動画を同じ場所で楽しめることへの期待も語られた。Disney+で作品を見た後、そのままファンによる感想や考察に触れることで、別のサービスへ移ることなく作品の世界をさらに深く楽しめるようになる。

 ディズニーとTikTokは、共同で「Disney Creator Ambassador Program」も展開する。優れたクリエイターに特典や限定イベントへの参加機会、キャリア形成の支援などを提供し、次世代のクリエイティブ人材との関係を築いていく。

 プレゼンテーションでは、ショート動画で活動するクリエイターが、将来的にDisney+で自身の番組を持つ可能性にも言及された。SNSで才能を発揮する次世代の作り手や出演者を発掘し、より大きな舞台での活動につなげる構想だ。

 長編映画やドラマをショート動画に置き換えるのではなく、クリップやファンの声で作品本編を補完し、新たな視聴者を物語へ導く。日本での導入は未定だが、TikTokとの提携と「Verts」の拡充は、Disney+を作品を見るだけでなく、作品を発見し、ファンの反応まで楽しめる場所へと発展させる取り組みとして注目される。