コーラのペットボトルが極上の楽器に 空気圧で調律する創作楽器「エアコーク」の幻想的な音色に驚愕

日用品や廃材から唯一無二のオリジナル楽器を生み出し続ける、日用品演奏ユニット「kajii」の創さん。そんな創さんが8月23日に自身のXへ投稿した演奏動画が、ネット上で大きな注目を集めています。
演奏されているのは、なんとコカ・コーラの1.5Lペットボトルを組み合わせて作られた自作楽器「エアコーク」。バチで叩けば澄んだパーカッションの音色が響き、水で濡らした指で表面を擦れば、まるでグラスハープのような神秘的で美しい旋律が紡ぎ出されます。見た目からは想像もつかない極上の音色に、多くのユーザーが耳を奪われました。
■ 空気圧で音階をコントロール 「くびれ」が生み出す奇跡の響き
創さんに話を聞くと、このエアコークは数年前から研究と改良を重ねてきたこだわりの楽器とのこと。「コーラのペットボトルに空気を入れるといい音がするというのは創作楽器業界では知られていますが、見た目と音のギャップが本当に面白く、自分なりに音の配置やデザインを工夫しました」と語ります。
仕組みはまさに理科の実験そのもの。ペットボトルのキャップに自転車用のタイヤバルブを取り付け、市販の空気入れでボトル内の空気圧を調整することで音程を変化させています。特に独特のくびれを持つコカ・コーラの1.5Lボトルを使うことで、美しく豊かなサスティーン(音の伸び)が得られるのだそうです。

しかし、その美しい音色を安定して鳴らすのは至難の業。照明の熱や室温の変化によって内部の空気圧が変わりやすいため、調律は非常にデリケートです。

■ 円形から翼型へ 「見やすく、面白い」デザインへのこだわり
今回動画に登場したのは、自転車のホイールにペットボトルを放射状に配置した「円形タイプ」(制作期間約1か月)と、木製フレームに左右交互に並べた「翼型(汎用型)タイプ」(制作期間約6か月)の2種類。


木琴のように平置きにすれば演奏自体は簡単になるものの、それでは客席からペットボトルが見えづらく、視覚的な驚きが半減してしまいます。「見やすく、面白く」を追求した結果、観客を魅了する現在の立体的な配置へと辿り着きました。

完成した楽器について創さんは、「今までの楽器では出ない新しい音が出た、ということにとても満足しています。ただ、まだまだ工夫のしどころはたくさんあると思うので、もっと突っ込んで研究していきたいです」と、飽くなき探求心をのぞかせています。

身近なペットボトルが、科学の力と職人技によって珠玉のメロディを奏でる楽器へと生まれ変わる……。日常の中に眠る無限の可能性と音楽のワクワク感を再確認させてくれる、素晴らしいクリエイティビティの結晶です。
<記事化協力>
創 自作楽器さん(@kajiisou)
(山口弘剛)

