今秋限りで退任する早大・小宮山監督

写真拡大

 東京六大学野球リーグの早大は28日、小宮山悟監督(60)が任期満了に伴い、今秋限りで退任することを発表した。後任には12月1日付で、松商学園(長野)やプリンスホテルで監督を務めたOBの足立修氏(62)が就任する。

 * * * *

 小宮山監督は「早稲田濃度100%」の人である。昨年1月26日、茨城・水戸市内の東光寺で、「学生野球の父」こと早大野球部初代監督・飛田穂洲氏の墓参に同行した。この日は飛田氏の命日で没後60年の節目。両手を合わせた後、私にこんな話をしてくれた。

 「飛田先生が亡くなったのが65年1月。俺が生まれたのが、その年の9月なんだ。だからこの体のどこかに、先生の魂が宿っているんじゃないかと、俺は勝手に思っている。先生の教えを学生たちに伝えることは、俺の使命なんだ」

 2浪までして早大にこだわった。「投げる精密機械」と呼ばれ、プロ通算117勝を挙げた栄光の野球生活を送りながら、人生で一番嬉しかった出来事を「2年秋の早慶戦での完封。今後の人生はもうどうなってもいいと思った」と言い切る。だからこそ、先人に恥じない早大野球部員であることをナインに求める。

 優しさが尊ばれる令和の世だが、試合後の談話は常に厳しく、SNSが荒れることもしばしば。それも全て、早大野球部と学生たちに対する愛ゆえのことだ。

 報道陣も会見中、「愚問です」とダメ出しされることもあった。最後の秋。寂しさが募るが、“一問入魂”で最高の“小宮山語録”を引き出したい。(編集委員・加藤 弘士)