生命保険協会長(第一生命保険社長)・隅野俊亮に直撃!社会が転換期にある今、これからの生保の役割は?」
1つは協会として、5月28日を「自助の日」として制定しています。「自助・共助・公助」という助け合いの3類型の中で、自助に関する啓発活動をSNS等含めて進めています。
その中で特に「生命保険料控除制度拡充」があります。2年ほど前に税制改正要望が通り、14年ぶりに生命保険料控除の拡充が行われます。子育て世帯については、一般生命保険料控除が4万円だったところ6万円に引き上がります。
─ 政府が打ち出した子育て世帯の支援パッケージの一環ですね。
隅野 ええ。住宅ローン減税、住宅リフォーム減税、そしてこの生命保険料控除で子育て世帯を支援するということですから、その意義も含めて、協会としても認知度を高めるための発信をして、今度の年末調整、確定申告から皆さんにご活用いただきたいと思います。
そして3つ目の柱が「持続可能で豊かな社会の実現に向けた貢献」です。端的に申し上げますとダイバーシティ(多様性)です。生保協会は従前から主にジェンダーの取り組みは進めてきましたが、私自身の海外経験から、ダイバーシティはジェンダーだけではないという課題意識を強く持ってきました。
例えば、日本には今や約400万人の外国籍の方々が居住されています。一方で生命保険へのアクセシビリティには課題があります。障がいをお持ちの方々も同様です。広い意味でのダイバーシティ推進、そしてその方々も生命保険をより利用しやすい環境を整えていくことが重要だと。
その中で地道な取り組みですが、情報提供冊子『今だから聞きたい!生命保険便利帳』の英訳版や動画の作成も行いたいと考えています。
「非保険領域」で成長を目指す
─ 地政学リスク、経済の先行きが不透明な中ですが、環境の認識を聞かせて下さい。
隅野 世の中が刻一刻と変化していますが、そのスピード感がさらに加速しています。注意すべきは地政学リスクの顕在化、あらゆる国、産業、企業が国境を超えてつながるグローバルな世界が、各国の国民の活動に大きな影響を与え続けています。
一方、日本社会は「失われた30年」を克服して、今や金融市場も金利の復活を含めて活況を呈しています。また、日本企業のコーポレートガバナンスの進展も世界的に評価されています。
そうした大きな潮流に乗りながら、健全な経済・社会の発展が期待できると思っています。少子高齢化や社会保障制度の持続性といった「課題先進国」ですが、ポジティブな要素もありますから、それを捉えていく動きが大切だと思っています。
