「卵巣がん」になると現れる初期症状や原因はご存知ですか?ステージについても解説!

腫瘍マーカーを正しく知ろう!メディカルドック監修医が、血液検査で調べられるがん検査と注意点、数値の信頼度や受けるべき人の目安も解説します。

この記事のまとめ

・腫瘍マーカーは項目ごとに反応しやすいがんが異なり、胃がん・大腸がんではCEAやCA19-9、肺がんではCEA・CYFRA・NSE、前立腺がんではPSA、乳がんではCA15-3、卵巣がんではCA125が用いられる。

・早期がんでは数値が上がりにくく正常値でもがんを否定できない(偽陰性)一方、腫瘍マーカー単独では確定診断ができず、CTや内視鏡、病理検査などと組み合わせて判断する必要がある。

・膵炎や肝硬変、前立腺肥大症などの良性疾患や、喫煙、月経・妊娠といった生理的な変化でも腫瘍マーカーが上昇することがあり(偽陽性)、数値だけでがんと判断することはできない。

・異常値を指摘された場合は放置せず精密検査を受けることが重要であり、あわせて対象年齢に応じたがん検診の定期受診や、バランスの良い食事・節酒・禁煙などの生活習慣改善もがんのリスク低減につながる。

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター

がん検査の一種、血液検査の腫瘍マーカーとは?

腫瘍マーカーは、がんの診断や治療後の経過を確認する指標です。仕組みや検査場所、費用を確認します。

腫瘍マーカー検査でがんがわかる仕組み

腫瘍マーカーは、がん細胞や、それに反応した正常な細胞が作るタンパク質などです。血液や尿中の量から、がんが存在する可能性や種類、進行度を考える手がかりになり、治療効果や再発の確認にも用いられます。

血液検査の腫瘍マーカーはどこで受けられる?

検査は、病院やクリニックの外来、人間ドック、健康診断のオプションで受けられます。がんの治療中は、経過確認のため定期的に行うことがあります。症状がある場合は、かかりつけ医や内科で相談しましょう。

血液検査の腫瘍マーカーの費用は?

健康診断などで自発的に受ける場合は、原則として自費診療で、検査項目数により数千円から数万円ほどかかります。診断やがん治療中の経過観察に必要と医師が判断した場合は、健康保険が適用されます。

血液検査の腫瘍マーカーで見つかりやすいがんとは?

腫瘍マーカーは検査項目ごとに反応しやすいがんが異なります。

胃がん

胃がんではCEAやCA19-9が補助的に使われます。進行に伴って上昇することがあり、治療効果や再発の確認に用いられます。診断には胃カメラなどが必要です。

肺がん

肺がんでは組織型に応じ、CEAやCYFRA、NSEなどを使い分けます。CYFRAは非小細胞肺がん、NSEは小細胞肺がんの治療への反応や再発を確認する手がかりです。

大腸がん

大腸がんではCEAが代表的で、CA19-9を併用することもあります。主に治療後の経過観察に使われ、早期発見には便潜血検査や大腸内視鏡検査が必要です。

前立腺がん

前立腺がんではPSAが用いられ、前立腺がん検診の項目にもなります。前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇するため、数値だけでは診断できません。

乳がん

乳がんではCA15-3などが使われ、主に治療効果の判定や再発・転移の確認に用いられます。乳がんの診断には、腫瘍マーカーだけでなく、マンモグラフィや超音波検査などが必要です。

卵巣がん

卵巣がんではCA125が使われ、主に診断の補助や治療効果、再発の確認に用いられます。血液検査だけでは診断できないため、超音波検査などの画像検査と組み合わせて判断します。

早期発見はできない?血液検査の腫瘍マーカーにおける注意点

腫瘍マーカーは採血だけで受けられ、身体への負担が少ない検査です。ただし、早期発見には限界があります。結果を正しく理解しましょう。

早期がんでは数値が上がりにくい

早期がんでは分泌量が少なく、がんがあっても基準値内に収まることがあります。これを偽陰性といいます。正常値でもがんを否定できないため、年齢に応じた定期的ながん検診を受けましょう。

腫瘍マーカー単独では確定診断ができない

特定のがんだけで必ず上昇する腫瘍マーカーはありません。高値でも、それだけでがんとは診断できません。CTや胃カメラ、細胞や組織を調べる病理検査などを組み合わせて判断します。

がんがなくても異常値となることがある

腫瘍マーカーは、症状のない方からがんを見つける検診としては、一般的に推奨されていません。早期がんでは数値が上がらない一方、がんがなくても異常値を示すことがあります。その結果、不要な精密検査や治療につながる可能性があります。

がん以外で腫瘍マーカーの数値が異常となる原因

腫瘍マーカーは、炎症や良性のポリープ、喫煙などでも数値が上がり、偽陽性となることがあります。がん以外で異常値を示す主な原因を確認します。

炎症や良性の病気

膵炎や肝硬変、胆管炎などでは、CA19-9やCEAが上昇することがあります。また、前立腺肥大症や前立腺炎でもPSAが高くなります。良性のポリープなどが数値に影響する場合もあるため、異常値が出た際は、がん以外の病気や病変も含めて調べます。

婦人科系の病気や生理的な変化

CA125は、子宮内膜症や骨盤内の炎症でも上昇することがあります。月経中や妊娠中にも一時的に高くなるため、月経周期や妊娠の可能性を確認し、必要に応じて超音波検査などの画像検査で原因を調べます。

喫煙などの生活習慣

喫煙している方では、がんがなくてもCEAが軽度に上昇することがあります。検査結果を判断する際には、喫煙歴などの生活習慣も関わるため、普段の状況を医師に伝えましょう。

血液検査の腫瘍マーカーで異常を指摘された際の対処と早期発見のための予防法

異常値を指摘された場合は放置せず、必要な検査を受ける必要があります。早期発見につながる検診や生活習慣も確認しましょう。

異常を指摘されたら必ず精密検査を受ける

基準値を超えても、直ちにがんと決まるわけではありません。ただし、結果を放置しないことが大切です。医師の指示に従い、CTやMRI、超音波、胃カメラ、大腸カメラなどの精密検査を受けましょう。

対象となるがん検診を定期的に受診する

がんの早期発見には、対象年齢に応じたがん検診を定期的に受けることが必要です。胃がんや大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんについて、定められた年齢と間隔に沿って受診しましょう。

食事や生活習慣を見直しがんのリスクを下げる

バランスの取れた食事や運動、適切な体重の維持、節酒、禁煙は、がんになるリスクを下げることにつながります。喫煙によるCEA上昇など、偽陽性の一因を減らす面でも意味があります。

「腫瘍マーカーの血液検査」についてよくある質問

ここまで腫瘍マーカーの血液検査について紹介しました。ここでは「腫瘍マーカーの血液検査」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

採血による腫瘍マーカー検査だけで、体の中にがんがあるかどうかを確実に診断することは可能ですか?

林 良典(医師)

腫瘍マーカー検査だけで確実に診断することはできません。早期がんでは正常値のことがあり、炎症や喫煙でも上昇します。確定診断には、画像検査や生検などが必要です。

健康診断のオプションで腫瘍マーカーの数値が基準値を超えていた場合、すぐにがんを疑うべきでしょうか?

林 良典(医師)

すぐにがんと決めつける必要はありません。良性ポリープや子宮内膜症、前立腺肥大症などでも上昇します。ただし、放置せず病院を受診し、必要な精密検査を受けてください。

腫瘍マーカーを調べる血液検査には、健康保険は適用されるのでしょうか?

林 良典(医師)

健康診断や人間ドックで追加する場合は、原則として全額自己負担です。診断や、がん治療中・治療後の経過観察に必要な場合は、健康保険が適用されます。

まとめ がん検査は定期的に!血液検査の腫瘍マーカーにはメリット・デメリットあり

腫瘍マーカーの血液検査は、採血だけで受けられ、身体への負担が少ないことがメリットです。がんの診断を補助し、治療効果や再発の可能性を確認するために用いられます。一方で、早期がんでは数値が上がらないことがあり、良性の病気や炎症、喫煙、月経、妊娠などでも異常値を示します。そのため、検査結果だけでがんの有無を判断することはできません。異常値が出ても直ちにがんと決まるわけではありませんが、自己判断で放置せず、医師の指示に従って精密検査を受けることが必要です。早期発見のためには、腫瘍マーカーだけに頼らず、対象年齢に応じて胃がんや大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの検診を定期的に受けましょう。あわせて、禁煙や節酒、適度な運動、適切な体重の維持を意識し、気になる症状がある場合は早めに病院へ相談してください。

「血液検査の腫瘍マーカー」で見つかりやすい病気

「血液検査の腫瘍マーカー」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

消化器系

胃がん

大腸がん

呼吸器系の病気

呼吸器系

肺がん

泌尿器系の病気

泌尿器系

前立腺がん

婦人科系の病気

婦人科系

乳がん卵巣がん

これらの病気では、CEAやCA19-9、CYFRA、NSE、PSA、CA15-3、CA125などが診断や経過観察の補助に使われます。ただし、早期がんでは数値が上がらず、良性の病気でも上昇します。異常を指摘された場合は放置せず、病院で原因を確認しましょう。

「血液検査の腫瘍マーカー」が望ましい症状

「血液検査の腫瘍マーカー」による検査が望ましい症状は7個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

原因のわからない体重減少

胃の痛みや不快感

血便や便通の変化

長引く咳や血痰

乳房のしこり

腹部の張りが続く

尿が出にくい

これらの症状がある場合は、腫瘍マーカーだけを受けるのではなく、症状に応じた診察や検査を受けるため、早めに病院へ相談しましょう。

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス:腫瘍マーカー検査とは

日本医師会:がんの目印を知る検査―腫瘍マーカー検査―

厚生労働省:がん検診