「腟カンジダ」デリケートゾーンの“あの症状”に効く「市販薬」の選び方とは?【医師解説】
腟カンジダ症の治療には、どのような種類の薬が用いられるのでしょうか?医療機関で処方される薬と薬局で購入できる市販薬には、それぞれ特徴や使用できる条件の違いがあります。このセクションでは、抗真菌薬の作用の仕組みとともに、医師処方薬と市販薬(OTC医薬品)の主な相違点をわかりやすく整理します。
監修医師:
西野 枝里菜(医師)
東京大学理学部生物学科卒
東京大学薬学部薬科学専攻修士課程卒
名古屋大学医学部医学科卒
JCHO東京新宿メディカルセンター初期研修
都立大塚病院産婦人科後期研修
久保田産婦人科病院
【保有資格】
産婦人科専門医
日本医師会認定産業医
腟カンジダ症の薬の選び方と正しい使い方
腟カンジダ症の薬は、種類が複数あり、症状や状況に合わせた選択が求められます。薬の効果を十分に引き出すためにも、正しい使い方を理解することが重要です。このセクションでは、薬の剤形の選び方と、正しい使用方法について詳しく説明します。
剤形の種類と選び方
腟カンジダ症の治療薬には、主に以下の剤形があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の状況に合ったものを選ぶことが大切です。
腟錠(腟坐薬)
腟の中に挿入するタイプの薬です。局所に直接作用するため、効果が出やすいとされています。挿入後は寝た状態で過ごすと薬が溶けて広がりやすく、就寝前の使用が一般的です。使用日数は製品によって1日から6日間程度と異なります。
クリーム(外用薬)
外陰部のかゆみや赤みが強い場合に、外から塗布するタイプです。腟錠と組み合わせて使用することもあります。外側の症状が目立つ場合に有用です。
内服薬(経口薬)
医療機関で処方される場合に使用されます。腟錠の挿入が難しい方や、腟錠を使用しても改善しない方に選択されることがあります。1回の服用で効果が期待できるタイプもあります。ただし、胎児への影響が報告されているため、妊娠中または妊娠している可能性のある方には使用できません。必ず医師に申告してください。
どの剤形を選ぶかは、症状の程度や過去の治療歴、生活状況などに基づいて決まります。自己判断が難しい場合は、薬剤師や医師に相談することが望まれます。
薬の正しい使い方と注意点
腟カンジダ症の薬を使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
使用前の確認事項
妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、使用前に必ず医師に相談します。
初めて症状が現れた場合は、市販薬を使用する前に医療機関を受診することが推奨されます。
生理中は腟錠の使用を避けることが一般的です(製品の添付文書を確認してください)。
使用中の注意事項
決められた使用期間は、症状が改善した場合でも最後まで続けることが大切です。途中でやめると、菌が完全に除去されずに再発しやすくなることがあります。
腟錠の挿入には、付属のアプリケーター(挿入器具)を使用します。手を清潔にしてから操作します。
クリームを外陰部に塗布する場合も、清潔な手で行います。
使用後の注意事項
薬を使用しても5~7日を目安に症状が改善しない場合は、医療機関を受診します。
治療中はパートナーへの感染を避けるため、性交は控えることが推奨される場合があります。
薬の使い方を誤ると、効果が十分に出ないだけでなく、症状が長引く原因にもなります。添付文書をよく読み、不明な点は薬剤師や医師に確認することが重要です。
まとめ
腟カンジダ症は、女性であれば誰もがかかりうるありふれた疾患であり、適切な治療によって改善が期待できます。外陰部のかゆみや白いおりものの変化に気づいたら、早めに対処することが大切です。薬の種類や使い方を正しく理解し、症状が続く場合や再発を繰り返す場合は、婦人科や産婦人科などの医療機関に相談することを検討してみてください。日常生活の工夫と適切な治療の組み合わせが、腟カンジダ症との上手な付き合い方につながります。
参考文献
国立感染症研究所「性感染症サーベイランス」
厚生労働省「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」
日本産婦人科医会「女性の健康Q&A」

