Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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難病などの子どもが治療を受けている静岡県立こども病院。ここで闘病生活を送った女性が、8月、恩返しのコンサートを開催しました。女性が届けたい思い、そして、活動に密着しました。

8月18日、静岡市葵区の「県立こども病院」で行われていたのは…。

チャリティーコンサートです。企画したのは…。

(掛川市出身 小林 紅葉さん・21歳)
「皆さ~ん、こんにちは」

掛川市出身、小林紅葉さん21歳です。小林さんにはここでコンサートを開きたい特別な理由がありました。

幼い頃から体を動かすのが好きで、人懐っこい性格だったという小林さん。

ミュージカルとの出会いは小学1年生の時でした。

(小林 紅葉さん)
「私の原点というか、生活の中心というか、楽しい。見ててもやってても楽しいものなので、ずっと続けたくて 続けてます」

しかし、小学2年生の時、小林さんのからだを病が襲います。

(小林 紅葉さん)
「股関節がすごく痛くなって。歩けなくなっちゃって。病院に行ったんですけど、ただの股関節炎と診断されて」

その後、血液検査で異常が見つかり、こども病院で、子どものリウマチ「若年性特発性関節炎」という原因不明の関節の痛みが続く難病だと診断されました。

(小林 紅葉さん)
「元々すごく採血とか注射が苦手で、もうなんか毎回毎回、 最初の頃は泣きわめいて押さえつけられてみたいな感じだったんですけど…ずっと薬が終わるまで一緒にいてくださったりとか、 すごく親身にずっと寄り添って くれた」

さらに、小学5年生の時には別の自己免疫疾患を発症。その治療による副作用で年に数か月入院することも増え、地元の学校に通うことも難しくなりました。

(小林 紅葉さん)
「薬の副作用で骨粗鬆症になってしまって、そこからは、もう体育もできないし、外遊びもできないしって、そこは、ちょっと自分的には辛かったなっていう記憶があります」

そんな時、支えになったのは、大好きだった「ミュージカル」でした。

(小林 紅葉さん)
「走っちゃダメ、動いちゃダメみたいな、体育もダメみたいな、 言われた中で唯一許可された自分の好きなものだったので、 結構、心のよりどころというか、 支えというか、もうずっと私の中での中心的な存在でした…ミュージカルをやってる時は、 周りの子と同じ、病気じゃなくて、他の子と一緒ににいられるっていう気持ちではありました」

演劇を学べる短大に進学。卒業してからは演劇に関わる仕事をしながら、今も舞台に立ち続けています。

2026年1月。

小林さんの姿は「県立こども病院」にありました。

(小林 紅葉さん)
「きょうは第1回目の打ち合わせ に向かいたいと思います」
Q.病院来るのはどのくらいぶり?
「高校生まで通っていたので3年ぶりくらい」

長年、病気と向き合ってきたこの病院で、恩返しコンサートを開きたいと持ちかけ、実現することとなったのです。

(小林 紅葉さん)
「今回は恩返しというかたちでボランティアで音楽とダンスを届けたいと思っております…今頑張っているこどもたちに夢をあきらめなくていい、病気を理由にしなくていいと、一番に伝えたいなと思っております」

そんな小林さんの思いに共感して集まったのは、学生時代の演劇仲間や後輩たち。さらに、クラウドファンディングを立ち上げ必要な資金100万円を集めました。

(メンバー)
「紅葉の人柄みたいのもあるし、一緒に頑張ってきた仲間だから、自分にできることがあれば力になりたいなって」

(メンバー)
「すごいなって…第一印象は。同じ同期として尊敬でしかないし…これは全力でついていきたいなって」

6月、都内の稽古場を訪れると。

本番に向けた練習です。選曲から振付まで小林さんがプロデュースしました。

(小林 紅葉さん)
「最初にダンスを覚えてからの方がいいと思います。病棟に関しては、ほぼほぼ横並びで踊ることになるので」

そして、本番前日。菊川市内では出演する13人が集まって最後のリハーサルです。

(小林 紅葉さん)
「はい、オッケー、これ大丈夫そう?」

それぞれの動きを念入りにチェックし、細かいところまで修正していきます。

(小林 紅葉さん)
「順調です。きょうが最終稽古になるので、きょうで完璧に仕上げたいと思います」

(小林 紅葉さん)
「おはようございます」
Q.きょうは本番ですが?
「緊張してます」

本番を前に緊張気味の小林さん。

(小林 紅葉さん・21歳)
「行くよ~」

いよいよコンサート、開幕です。

(小林 紅葉さん)
「雨が上がったよ…きょうは最後のさいごまで楽しんでいって下さいね」

病気と闘う親子に笑顔になれるひと時を届けたい。普段は静かな病院のロビーが、元気いっぱいの音楽であふれました。

(子ども)
「いろいろな曲があって楽しかった」
(お母さん)
「体の病気のことで通院に来たけど、楽しいことがあって笑顔が見れてよかった」

(外来に来たおかあさん)
「気持ちが温かくなると思った…みんな頑張ろうという気持ちが強くなっていくんじゃないかな」

その会場には…。

(小林さんを知る 看護師)
「すごい、こんなに大きくなったの…よかった~ありがとね」

入院していた小林さんを知る看護師の姿も。

(小林さんを知る 看護師)
「元気にやってくれているので恩返しもしてくれてよかった。感動です」

そして、小林さんには、もう一か所、どうしても音楽を届けたい場所がありました。

集まってきたのは入院中の子どもたちです。

音楽が始まると子どもたちの顔には笑顔が…。

(掛川市出身 小林 紅葉さん・21歳)
「好きなことを続けたまま、病気と闘いながら大人になりましたっていうのを1番に伝えたいと思ってます」

今も病気と闘う子どもたちへ。それを支える家族や医療従事者へ。歌とダンスで恩返しを…。その思いは子どもたちや家族にも伝わったようで…。

(入院中の子ども)
「楽しかった」

(父親)
「元気に治るならと勇気づけられてよかった」

3日間にわたり開催された恩返しのコンサート。その思いは、訪れた人の心にしっかりと届いていました。