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 【あの人に逢鷹(あいたか)―ホークス戦士のその後―】

 2004年ドラフト1巡目指名で19年に現役引退し、現在は三重県で実家の養豚・精肉業を継いだ元ソフトバンク・江川智晃さん(39)がお盆期間だった8月11、12日のソフトバンク―ロッテ戦でみずほペイペイドームへ“帰省”した。柳田悠岐外野手(37)とコラボした夏期限定メニューを店頭に立ってPR。かつての本拠地にも22年から豚肉を卸しており、経営するとんかつ店の「福岡進出」の夢も語った。

 プロ野球選手の第二の人生はさまざま。ただ、この人の異色の転身は注目を集めた。04年ドラフト1巡目で現役引退後、スコアラーを経て21年に実家の養豚・精肉業を継いだ江川さんだ。8月11日は自宅のある三重から始発でみずほペイペイドームを訪れ、12日まで柳田とのコラボメニューを店頭販売した。

 「こういう形で戻って来るとは思わなかった。知っている選手がまだ現役でやっているのはうれしい」。現役時代と変わらない爽やかな笑顔を懐かしみ、人だかりができた。

 現役時代に共に将来の主軸と期待された柳田とは今も仲がいい。「(精肉業を)やり始めた時からギータは“肩ロースが好き”と言ってくれ、松阪牛とうちの肉とのミンチでハンバーグを作りました。タレはギータが考えてくれたんです」。独自ブランド豚「一志SPポーク」は22年以降、かつての本拠地に卸している。「本当にありがたいです」と江川さん。コラボメニューだけではなく、5年間も球場グルメに使用されており、知らずに口にしたファンも多いかもしれない。

 現在、生産した豚肉を利用し、三重県内に「とんかつ四十三番」を複数展開している。現在、描いている夢の一つに福岡への恩返しもある。「福岡の人はおいしいものをよく知っている。うちの豚肉を食べてもらえたらうれしいと思って」と店舗探しにも着手するなど、福岡店を開業する構想も抱いている。

 現在の肩書は「荒木田商店 精肉販売部キャプテン」。「キャプテンなんて小学校以来ですよ」と笑うが、夢を語る視線は真剣だった。プロ野球選手から生産者そして経営者へと成長したかつての背番号43がそこにいた。(福浦 健太郎)

 ◇江川 智晃(えがわ・ともあき)1986年(昭61)10月31日、三重県生まれの39歳。宇治山田商では1年春からベンチ入りし、2年夏に同校25年ぶりの甲子園出場。高校通算33本塁打。04年ドラフト1巡目でダイエー入団。2年目の06年5月5日の西武戦でプロ初出場し、松坂大輔から初打席初安打。13年には77試合出場し、12本塁打を放った。プロ通算345試合、183安打、26本塁打。1メートル80。右投げ右打ち。