ベッセント財務長官=ロイター

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 【ワシントン=栗山紘尚、テヘラン=吉形祐司】米国のベッセント財務長官は24日、イランに対する新たな経済制裁を発表した。

 デジタル資産や海運など5分野でイランと取引する外国企業や個人への二次制裁を拡大し、「全ての国」に取引停止を迫る内容だ。イランを世界経済から切り離し、孤立させる狙いがある。

 ベッセント氏は記者会見で「あらゆる国や組織が、米国の制裁に直面することを覚悟すべきだ」と警告し、「いかなる者も例外とはならない」と主張した。

 一連の制裁を「経済的追放作戦」と表現し、対象分野として、暗号資産を含むデジタル資産のほか、イランの生命線となっている兵器開発に活用できる技術や戦闘員の輸送に使われる航空などを挙げた。

 また、イランの核・ミサイル開発やイラン原油の輸入に関与したとして、60を超える企業や個人などに新たな制裁を科したと発表。「イランに残された選択肢を根絶やしにする」と強調した。

 ベッセント氏は今後も新たな制裁措置を打ち出す意向を示し、週内には「金融機関が制裁対象になる重大な発表がある」と予告した。9月の米中首脳会談を控える中、イラン経済を支える中国企業への制裁にどこまで踏み込むかが焦点となる。

 一方、イランのアリ・マダニザデ経済財務相は24日、米国の制裁強化について、国営テレビで「事前に計画を練ってある」と述べ、対策は整っていると強調した。米国が核合意から離脱した2018年以降の制裁に触れ、過去の制裁も失敗したと主張した。

 マダニザデ氏は、中国ロシアを念頭に「2大国が制裁に反対している」と述べ、他国も制裁に加わらないことに期待を示した。モハンマドバゲル・ガリバフ国会議長も24日、貿易相手国から米国の制裁強化に同調しない意向を伝えられたとSNSに投稿した。

 しかし、長年の制裁で国際決済ができず、イラン経済は疲弊している。7月発表の物価上昇率は年平均66%で、食料品価格は前年同期比で約128%上昇した。トランプ米大統領が「経済戦争」を表明して以降、現地通貨リアルは下落し、23日には実勢レートが1ドル=200万リアルを突破して史上最安値を更新。24日も続落した。