Blueskyは旧Twitterに似た使用感のSNSですが、投稿をフォロワー以外から閲覧不能とする「鍵アカウント」を作成できないという大きな違いが存在しています。新たに、Blueskyの基盤プロトコルである「AT Protocol」で非公開データの保存や共有を可能とする「Atproto Spaces」という技術のアルファ版が2026年8月20日にリリースされました。これにより、AT Protocolベースのサービスにプライベート機能を実装可能となり、Blueskyでの鍵アカウントの実装が期待されています。

The Atproto Spaces Alpha is Live - AT Protocol

https://atproto.com/ja/blog/atproto-spaces-alpha



BlueskyはAT Protocolというオープンプロトコルをベースに開発されているSNSです。AT Protocol上でやり取りされるデータは基本的にすべて公開情報として扱われており、Blueskyへの投稿もすべて誰でも閲覧可能な状態で公開されます。

Blueskyのサービス開始当初から鍵アカウントの実装を求めるユーザーが多く存在しており、2024年4月にBlueskyのテクニカルアドバイザーを務めるWhy氏が来日した際には「鍵アカウントや、ポストを非公開にする機能の実装予定はありますか?」という質問に対して「Bluesky上のデータは現在はオープンな状態ですが、いずれ非公開機能に対応したいと考えています」と回答していました。

Blueskyの開発者に「鍵アカウントの実装予定は?」「日本支社の設立予定は?」など何でも聞けるイベントが開催されたので行ってみたら開発者の「やることリスト」に追加されるアイデアが続々飛び出す充実のイベントでした - GIGAZINE



AT Protocolの開発コミュニティは2025年9月にプライベートデータに関するワーキンググループを発足しました。プライベートデータに関する仕組みの名称は「private data」「permissioned data」「buckets」と変遷し、最終的に「Atproto Spaces」という名称が採用されました。

Atproto Spacesは「アクセス権を持ったユーザーだけがアクセスできるミニチュア版AT Protocolネットワーク」を構築できる技術です。AT Protocol上のデータは「PDS」と呼ばれるサーバーで管理され、PDS上の「リレー」によって世界中で共有されます。Atproto Spaces上のデータはリレーによって共有されず、プライベートな状態を保つことができます。

ユーザーからは、Atproto Spacesを活用してBlueskyに投稿内容の公開範囲を制限する鍵アカウント機能が実装されることが期待されています。また、Atproto SpacesはAT Protocolベースの各種サービスにも導入可能。AT Protocolの開発チームはAtproto SpacesのサンプルサービスとしてBlueskyの相互フォロワー間で付箋を共有できるウェブアプリ「bulletin」を公開しています。

bulletin

https://bulletin.my/



Atproto Spacesの仕様が以下のリンク先で確認できます。

proposals/0016-permissioned-data at main · bluesky-social/proposals · GitHub

https://github.com/bluesky-social/proposals/tree/main/0016-permissioned-data



なお、Atproto Spacesはあくまでアクセス権を制御する仕組みであり、データは暗号化されません。また、記事作成時点ではアルファ版であり、セキュリティ監査も受けていない状態です。このため、開発チームはAtproto Spacesを試すユーザーに対して「機密情報をアップロードしないでください。自分の情報だけでなく、他人の情報も絶対にアップロードしないでください」と呼びかけています。