金利上昇で地銀株はまだ上がるのか 横浜FG・千葉銀行・ふくおかFGを比較
金利上昇を追い風に、地銀株への注目が高まっている。国内の長期金利の指標となる新発10年国債利回りは、2026年8月18日に一時2.945%まで上昇した。横浜FG、千葉銀行、ふくおかFGの決算から、各社の特徴と今後の注目点を探る。
日本銀行は7月の金融政策決定会合で政策金利を1%程度に据え置いたが、追加利上げへの観測は残っている。貸出金利の上昇幅が預金金利を上回れば、銀行の利ざやは拡大する。ただし、保有債券の価格下落や信用コストの増加も考えられるため、地銀株を一括りにはできない。
横浜フィナンシャルグループ(横浜FG)の2027年3月期第1四半期は、経常利益が前年同期比18.6%増の454億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同18.4%増の320億円だった。年間配当は、前期の38円に対して、2027年3月期は47円を会社予想としている。累進的な配当を基本とし、配当性向40%程度を目安としている。首都圏の事業基盤と安定した株主還元が特徴だ。
千葉銀行の経常利益は前年同期比34.5%増の418億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同37.2%増の299億円だった。3社では最も高い利益成長率となった。国債等債券損益が291億円の損失に膨らんだ一方、投資信託の解約益が272億円発生しており、有価証券ポートフォリオの入れ替えが進んだ。両者はほぼ相殺されており、表面上の金額は大きいものの、合計した前年同期との差は小さい。年間配当は、前期の52円に対して、2027年3月期は64円を会社予想としている。
2026年8月4日公表資料では、取得総額150億円、取得株数1000万株をそれぞれ上限とする自己株式取得も示された。好業績が株価にどこまで織り込まれているかを確認したい。
千葉銀行は千葉興業銀行との経営統合に合意しており、2026年3月25日に経営統合契約書を締結した。株主総会の承認と関係当局の認可等が得られることを前提に、2027年4月1日に共同持株会社「株式会社ちばフィナンシャルグループ」を設立する予定である。中期的な投資判断では、統合後の収益構造や還元方針の継続性も確認したい。
ふくおかFGの経常利益は前年同期比27.5%増の415億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同25.7%増の287億円だった。傘下4行合算の国内貸出金利回りは前年同期比0.25ポイント上昇の1.50%、預貸金粗利ざやは同0.14ポイント上昇の1.22%となった。年間配当は、前期の180円に対して、2027年3月期は210円を会社予想としている。一方、みんなの銀行関連では18億円の赤字で、前年同期の20億円の黒字から38億円の減益となった。前年同期にあったシステム外販収益の剥落が主因で、収益改善が課題となる。
地銀株の選別では、貸出金利と預金金利の差、貸出残高、信用コスト、債券損益、株主還元を確認したい。首都圏の基盤と累進配当なら横浜FG、足元の利益成長なら千葉銀行、九州の成長性と利ざや改善ならふくおかFGという違いがある。地銀株が今後も上がるかは、金利上昇を継続的な利益成長につなげられるかが分かれ目になる。

