ChatGPTなどのAIは、仕組み上、自分が出力した文章の正誤ないしは真偽を確認できません。できているように見えても実際は違うので、最終的には人間がその正確性を確認する必要があります。ところが、この仕組みを知らずにAIが生成した文章をそのままコピペする人間が存在し、そのような文章を受け取った人間にはまずその文章が正しいのかどうかを確認しなければならないという不要な負担が生じています。こうした「AI文章そのままコピペ」をやめてくれと訴える運動が行われています。

Don't paste the AI, please.

https://dontpastetheai.com/

Don't paste the AI, please.では、「なぜAIの回答のコピペがダメなのか」が短く語られています。

「誰かがあなたに何かを質問するとき、その人はあなたの答えを求めているのです。ChatGPTの出力結果ではありません。 人間の言葉による回答は、AIが出力した長々とした回答よりも優れています。誰かがあなたに質問しました。あなたはそれをAIに入力し、その答えをそのままコピーして送り返しました。迅速で相手の役に立ったように感じるでしょう。しかし実際にはそうではありません。相手もあなたと同じAIにアクセスできるからです。もし一般的な情報を知りたいだけであれば、たった数秒で回答を得ることができるでしょう。その人があなたに質問したのは、あなたの見解、あなたの視点、あなたの判断を知りたかったからです」



このウェブサイトは「決して反AIではなく、ただAIの使い方を考えてほしいだけ」と主張し、以下のような利用方法を推奨しています。

・AIが生成した内容を読んで自分の見解を書くこと

・そのまま使うにしても質問されたことに答えている本質的な部分だけを抜き出すこと

・もしAIの回答が本当に有用だったのであれば、それを引用して理由を述べること

・もし本当に何も言うべき事がないのであれば、そのように言うこと

最後に「誰かがあなたのDM、Slack、またはコードレビューでAIの長文を送信してきた場合、このリンクを送り返すことができます」と締められています。

このウェブサイトは日本語版のほか、もう少し強い口調で書かれた「怒りバージョン」も存在します。

AIが書いたものをコピペしないでください。

https://dontpastetheai.com/angry/ja



この運動に関連し、ソーシャルサイトのHacker Newsでは「Claudeの回答をSlackやメールにコピペすると、理解と把握するための負担が全員に転嫁されるだけでなく、あなた自身がそのステップを省略してしまうリスクもあります。たとえClaudeを思考を整理したり、回答の準備に利用している場合でも、あなた自身の言葉で、あなた自身が書く必要があります。こうすることで、現状に対するあなた自身の理解がさらに深まります」といったコメントや、「今回の件は怠惰な回答についてだが、怠惰な質問もしばしば問題になります。誰かに何かを頼んだとき、相手がすべてを放り出して代わりにやってくれることを期待するのはいいこととはいえません。根本的な問題は、コミュニケーションが難しいということです。特に対面でない場合はなおさらです」といったコメントが寄せられました。

また、「AIなので読んでない」という意見を端的に表した「AI;DR」という表現も考案され、にわかに話題になっています。これは、既に存在する「TL;DR(長すぎて読んでない)」という表現をもじったものです。

AI;DR (AI; Didn’t Read) - Rick Manelius

https://www.rickmanelius.com/p/aidr-ai-didnt-read