萩本欽一(2012年)

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 遡ること約3ヶ月前、スタッフとともにマスク姿で送迎車に乗り込んだのは、"欽ちゃん"の名で親しまれる萩本欽一だった。昭和、平成、令和とお茶の間を笑いに包んできた萩本は、以前と比べて少し痩せたように見えた。

【写真を見る】今年の5月、送迎車に乗り込む85歳の萩本欽一。以前と比べて痩せたように見えた

 今年5月7日に85歳を迎え、司会を務める『全日本仮装大賞』(日本テレビ系)は46年続く長寿番組となっている。だが、「視聴率100%男」と呼ばれた稀代のコメディアンにある異変が起きていた──。

 1966年に坂上二郎と結成した「コント55号」で、飛ぶ鳥を落とす人気者となった萩本。後にレギュラー番組の週間視聴率の合計が100%に達したことで、「視聴率100%男」と呼ばれる大スターとなった。テレビ局関係者が語る。

「小堺一機さん、関根勤さんらが萩本さんに芸人としての才能を見出され、その後もイモ欽トリオ、わらべ、東貴博さん、勝俣州和さんらと、次々に人気タレントが誕生しました。彼らは"欽ちゃんファミリー"と呼ばれ、現在もバラエティー番組で活躍しています」

 60代になっても萩本の創作意欲は衰えず、2005年には野球人気の低迷を懸念して社会人野球クラブチーム「茨城ゴールデンゴールズ」を設立。チームには元プロ野球選手やタレントが入団するなどして、注目を集めた。73歳になると突如、大学を受験。

「萩本さんは、2015年に駒沢大学仏教学部に入学して世間を驚かせました。『認知症対策のつもりで勉強したが、合格できてびっくりするくらいうれしい。1日も休まず通いたい』と、取材に答えていました。

 しかし、4年間通ったのちに2019年5月に自主退学していて、理由についてはラジオで『80歳になるともう動けないから、あと2年、お笑いを一生懸命やろう』と、明かしていました」(同前)

 そんな萩本は"大きな挑戦"と銘打って2021年に自身のYouTubeチャンネル「欽ちゃんの80歳の挑戦!」を開設。スポーツ紙記者が語る。

「80歳にしてYouTuberとなった萩本さんのチャンネルは登録者数2.23万人ほどで、これまでに約370本の動画が投稿されています。内容はトークや即興コントなどで、関根さん、小堺さんが出演した回は3万回ほど再生されていました。さらに『帯欽』という曜日ごとに異なるテーマの配信企画を立ち上げ、生配信や視聴者参加型の企画が人気を集めていました」

 昨年5月からは新たに、客席を巻き込んだ『欽ちゃんライブ〜見るだけでなく、しゃべる客〜』を新宿の100席ほどの会場で月1回のペースで開催していた。だが、第4回目は開催されていない。

「萩本さんのYouTubeの動画も、投稿は昨年9月を最後に停止しており、配信も今年1月で途絶えています。4年前にはYouTubeの生配信中に『今日はね、ちょっとこれでおしまい。目の前が急にフワっとしてきた』と、体調不良を訴えて救急搬送されたこともあり、心配する声も上がっています。

 そんななか、長年、主にマネジメントなどを行っていた事務所『佐藤企画』が今年1月末で業務を終了し、8月5日に東京地裁から破産開始決定を受けたことが報じられました」(同前)

思い出の豪邸も売却

 萩本の周辺が慌ただしくなるなか、NEWSポストセブンが取材を進めると、萩本は3年前に40年以上所有していた神奈川県内の豪邸を売却していたことがわかった。この自宅は、1993年に2階部分を火事で半焼する被害に遭ったが引っ越すことなく住み続け、2020年に他界した妻や子どもたちと暮らした思い出の住処だった。芸能関係者が明かす。

「萩本さんは18歳で浅草・東洋劇場のトップダンサーだった3歳年上の澄子さんと出会い、人気の絶頂期に結婚しました。1981年に神奈川県内の自然豊かな約500坪の土地を購入して自宅を建てました。しかし、多くの人気レギュラー番組を持っていた萩本さんは、1年で3日ほどしか自宅には帰れない多忙な生活でした。
 澄子さんは萩本さんを支え続けていましたが、2016年にがんが発覚し、闘病生活を続けていました。2020年に天国へと旅立ち、奥さまの葬儀も、この慣れ親しんだ自宅で執り行われ、その頃から売却を考えていたようです」

 最愛の妻が旅立ち、都内に複数の不動産を所有する萩本は妻との思い出の自宅を手放すことを決断。2023年に都内の不動産会社に売却した。だが、「視聴率100%男」の異名を持つ萩本の笑いへの情熱は消えていなかった。前出のテレビ局関係者が打ち明ける。

「昨年から"新しい番組"をコンセプトに、スポンサーなしのノーギャラで『9階のハギモトさん!』(BS日テレ)という30分番組をスタートさせています。『"応援したい"と思ったらスポンサーになってください』という業界でも新しい試みで、制作費は出演者の萩本さんが支払っているようです。萩本さんは80歳を過ぎても新しいことに貪欲で、つねに笑いを追求し続けています」

 今年5月からは「週刊文春」で、読者の人生相談に答える新連載もスタートさせている。定年退職後に演劇を始めた男性には次のようなアドバイスを送っていた。

《ぼくなんて八十歳を過ぎてもまだ新しいことに挑戦している。人生百年時代と言われるし、たくさんの経験をしてきた人はそれだけでタレントなの。特別な学校なんて行かなくても、舞台でただただ大きな声を出しただけでも個性が自ずとでちゃうものだから、ぜひそうしてみてほしいね》(2026年5月7日/5月14日号)

 神奈川の豪邸売却理由、更新が途絶えているYouTubeなどについて萩本企画に問い合わせると以下のように回答した。

「神奈川の自宅には萩本の奥様がずっと1人で住んでいましたが、2020年に亡くなり、自宅が不要になったことが売却した理由です。YouTubeは数年やっていたんですけども、一旦お休みしている状況です。

 いつ再開するかは未定ですが、今はBS日テレで『9階のハギモトさん!』をがんばっていますので、よろしくお願い致します」

 85歳となった萩本は自ら育てた"欽ちゃんファミリー"に囲まれ、視聴率にこだわらない新たな笑いを求め続けている──。