沈ゆうこさんのX(@tokyomodernboys)より

写真拡大

舞台俳優の沈ゆうこさんが2026年8月15日、かつて所属していた劇団「アガリスクエンターテイメント」でのハラスメント被害について、Xで報告した。

「複数の劇団員によるハラスメント行為を含む不適切な言動があった」

アガリスクエンターテイメントは、「屁理屈シチュエーションコメディ劇団」として活動する劇団だ。

劇団は15日、公式サイトを更新し「ハラスメント事案のご報告」を公表した。

「被害の申告があり、劇団内で調査を行った結果、複数の劇団員によるハラスメント行為を含む不適切な言動があった事実が確認されました」とし、お詫びをつづっている。

被害の概要としては、複数の劇団員から被害者に対して継続的に、稽古場・劇場・SNS等で、下記のような言動があったと説明した。

・容姿、体型、服装への批判や侮辱的発言
・俳優活動の継続を否定するような発言
・出自に関する不適切・配慮を欠いた発言
・ハラスメントの原因が被害者自身にあるかのような発言

「また、行為者を含む周囲の劇団員がそれらの言動を制止・謝罪せず、劇団内に被害者が相談できる環境がありませんでした」ともしている。

被害が発覚するまでの経緯についても、第三者から指摘があったが、再度調査経過についての問い合わせがあるまでの約3か月間、具体的な調査や経過報告を行わなかったという。

また、「その後の劇団と被害者のやり取りの中でも配慮に欠ける発言があり、被害者にさらなる精神的苦痛を与えてしまいました」とした。

劇団では24年よりハラスメント防止ガイドラインを作成し、年1回ハラスメント講習の場を設けてきたものの、実効がなかったとして、改めて再発防止策を策定・公表するとしている。

「加害者と被害者が同じクレジットに並んでいるのは構図としてグロすぎる」

沈さんは劇団の発表を受け、「公表文にある被害者とは私、沈ゆうこです」と表明。13年から18年にかけての在籍期間中、ハラスメントを受けていたとした。

「調査報告中も当該団体から被害感情の否定、不適切な発言など、誠実とは思えない対応があり、当初より要望していた『加害者の実名と具体的な被害内容の公表』も最終的に拒否されました」としている。

沈さんは告発に至った経緯についても明かした。

ハラスメントを認識したのは「退団してだいぶ経ってから」だったといい、当初は告発を行う気持ちもなかったという。

しかし、事情を知らなかったパートナーと劇団関係者の交流に恐怖を感じたという沈さん。

さらに、劇場からのハラスメント行為に異を唱えた三団体が、その劇場で行うはずだった作品を上演するというMrs.fictions主催の公演「ファッションウィーク」に同団体が参加していたことで、「解決してないハラスメントの加害者と被害者が同じクレジットに並んでいるのは構図としてグロすぎる」と違和感を覚えたとした。

沈さんは調査に際し、「アガリスクの人たちに言われた発言の数々は本当に耐えがたいものでした。それらを全部話して『そうだったんだ、最悪だったね』と言ってほしい、『ほんと、最悪だったよ』と返したい。それだけ」との思いがあったという。

しかし、「最終的には、ハラスメントがあったことは認められたが詳細は伏せられるという、なんとも煮え切れない形になりました」と振り返った。

この劇団に所属していた当時について、「当時の私に対するあの人たちの態度は本当に異常でした。なにをしても否定や批判。大きい劇場に出ようが舞台上でウケようがまっとうに評価されるということはなく、なんなら文句すら言われていました」と明かした。

「この件について被害者に責任はありません」

劇団は19日、「ハラスメント事案についてのお願い」との声明を公開した。

「先日公表したハラスメント事案に関して、SNS上で被害者に責任があるような投稿が見受けられます」とした上で、「この件について被害者に責任はありません。これは当劇団による調査・検証を踏まえての結論です」と説明。

「あらためて、被害者への誹謗中傷はなさらぬようお願いいたします」と呼びかけている。