大阪・関西万博の工事費を水増し請求 立場を悪用した竹中工務店・現場責任者の不正手口
大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の関連工事を巡り、ゼネコン大手「竹中工務店」の現場責任者が下請け業者に工事代金を水増し請求。不正に得た資金を奈良市内の自宅や所有するマンション、親族が経営する飲食店の改修工事費に充てていた。
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勤務先に約1300万円の損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は19日、竹中工務店の大阪本店総括作業所長だった河井辰巳容疑者(61)を背任容疑で逮捕した。
河井容疑者は2025年2〜6月、奈良県内の下請けの土木建築業者と共謀し、万博会場内の仮設事務所の内装工事費を不当に高くして複数回、請求。土木建築会社名義の口座に約2779万円を振り込ませ、発注元の竹中工務店に正規の工事費を除いた約1369万円の損害を与えた。今年2月、府警に情報提供があり、同年4月、同社が河井容疑者を告訴していた。
大屋根リングは3工区に分かれ、西側約700メートルの工事を竹中工務店など4つの共同企業体が約175億円で落札。工期は23年5月から25年2月までで、河井容疑者は大屋根リングと周辺施設の現場責任者を務めていた。
■下請け業者とは15年以上の付き合い
「仮設事務所は大屋根リング工事の作業員らが使用するもので、業者を選定できる立場だった河井が地元の土建屋に指示して部材や工賃の単価を水増し請求させ、架空の作業費を計上。河井と土建屋は15年以上の付き合いがあり他にも大屋根リング内のトイレなど複数の工事を請け負っていた。土建屋はこれまでも大半の仕事を竹中工務店から受注するなど、主要な取引先だった。水増し改修工事のほとんどは、河井から依頼を受けた土建屋が別の施工業者に発注していた」(捜査事情通)
河井容疑者が自宅などの改修工事に取り掛かったのは、大屋根リング工事の現場責任者になった直後の23年6月。改修工事の総額は6000万円以上になるとみられている。
「人工島の夢洲は建物や木といった直射日光を遮るものがなく、高温多湿な現場での作業は過酷で労働環境の整備は急務だった。河井は何もなかった事務所にコンビニを誘致し、エアコンを完備した広いトイレを設置。作業員向けに無料でマッサージを受けられる施設を作るなど、労働意欲を向上させ、作業の効率化を図った。さらに水分補給した回数を数値で示して作業員と共有するなど、組織的にさまざまな対策に取り組んでいることをアピールしていた。『作業員が安心、集中して仕事をできる環境を整えるのが私たちの役目』と言っていたのが印象的でした」(工事関係者)
自身の裁量権をフル活用して工事費を上乗せし、私的流用を繰り返していた。
