巨大な予算と長い年月をかけてようやく完成する。防衛産業とはそういうものだと、多くの人が思い込んでいるのではないだろうか。開発にかかった費用にそのまま利益を上乗せして請求する仕組みの下では、コストが膨らむほど企業が潤う一方で、完成までに十数年を要する装備も珍しくなかった。老朽化したこの仕組みが当然のこととして受け入れられてきた業界に、常識を根底から覆そうとしている企業がアメリカに存在する。
 
実業家のマイキー佐野氏が動画内で取り上げているのが、防衛スタートアップ「Anduril」だ。名づけの由来は、古い剣を鍛え直して悪に立ち向かう物語に由来するそうだ。創業者はかつてVR事業を立ち上げ、大手IT企業へ売却した経歴を持つ人物であり、著名な投資家たちが集うオールスターチームによって支えられている。佐野氏によれば、Andurilは軍からの発注を待つのではなく自社で先行投資を行い、知的財産をすべて自社で保有しながらソフトウェアのように開発を高速で回す、従来とはまったく異なる発想で動いているという。
 
中核を担うのは、陸・海・空・電磁波などあらゆる領域に配置されたセンサーの情報をリアルタイムで集約し、AIが状況を立体的に把握する仕組みだ。従来は人が一台ずつ操作していた無人機を、AIが実行し人間が確認・承認する形へと切り替えることで、同時に扱える機体の数を飛躍的に増やしているようだ。加えて、監視や偵察、水中での長期活動を担う無人装備、現場の情報を兵士の視界に共有する装置なども次々と開発が進んでいるとのことだ。工場そのものが用途に応じて姿を変える仕組みを取り入れ、大半の部品を市販品でまかなうことでコストと生産スピードを両立させている点も動画内で明かされていた。
 
すでに大手IT企業との連携や複数国との契約が進み、企業価値は短期間で大きく膨らんでいるという。一方で、急拡大する体制の裏には解決すべき課題も残っており、既存の防衛産業との力関係が今後どう変化していくのかは、佐野氏自身も注視すべき点として挙げている。投資対象としてこの企業がどこまで成長していくのか気になる人にとって、新たな視点を得られる内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営