日本企業を襲うサイバー攻撃 米国が「民間企業の反撃」を解禁、日本にも広がる可能性
米ホワイトハウスが12日、審査を通過した同国の民間企業が、政府の指揮・監督下で国外のサイバー犯罪組織に対してサイバー攻撃を行うことができる国家安全保障大統領覚書に署名した。
対象となるのは、ランサムウェア、フィッシング、金融詐欺、セクストーションなど米国を標的とする越境犯罪グループ。外国政府の機関や完全な指揮下にある組織を除くサイバー対応型国際犯罪組織に対し、サイバー監視作戦やサイバー効果作戦を実行できるようになる。
分かりやすく例えると、街の治安が悪化し、海外にいる犯人を警察だけでは追いきれなくなったため、認可された民間警備会社が国の指示下で取り締まりを行えるようになったというイメージだ。ただし、民間の会社が単独で相手を攻撃することはない。
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ニチレイ、アサヒも被害 日本のサイバー対策との大きな違い
日本でも企業が頻繁にサイバー攻撃を受けている。たとえば2026年7月には冷凍食品最大手のニチレイがランサムウェア攻撃を受けたことで、物流網を利用している日本ケンタッキー・フライド・チキンでは、一時臨時休業や提供制限を行うことに。
さらに、盗まれたニチレイのデータはダークウェブ上で公開されてしまったことも報じられている。
ほかにも2025年には大手飲料メーカーのアサヒグループHDがランサムウェア攻撃を受け、製造ライン、受発注や物流システムが停止。スーパーからアサヒの商品が消えたことがテレビメディアに連日報じられた。
また、2024年にはKADOKAWAグループもサイバー攻撃を受け、ニコニコ動画がサービス停止に。KADOKAWAはハッカーから身代金を要求されたが、応じなかったため、サービス停止が長期に及んだ。
こうした攻撃が今後アメリカで起こった場合、民間企業は政府の監督下で、攻撃者のサーバーにアクセスしたり、機能を止めたり、データを無効化したりする作戦を実施できるようになる。すでに盗まれたデータを完全に取り戻すのは難しい場合が多いものの、攻撃者が使うコマンド&コントロールサーバーや漏えい用サイトをつぶすことで、さらなる被害拡大や次の攻撃を阻害できる。
すべての攻撃を起こる前に阻止することはできないものの、これまでよりも強い反撃ができるようになるだろう。
日本でも2025年5月に「サイバー対処能力強化法」が成立したが、これはインフラを担う民間事業者に対して、政府との情報共有を義務付けるもので、攻撃者に対してはアクセスできるのはあくまで警察や自衛隊のみ。
この法律を実際に運用し始めた段階のため、日本が今回のアメリカの制度と似た対策を取ることは短期では難しいが、中長期的に見れば、政府監督下の民間活用を検討する余地はあるかもしれない。

