[8.15 J1第2節 浦和 1-4 広島 埼玉]

 またしても勝利には届かなかった。それでも敗戦の中で意地を見せ、存在感を示した。J1第2節・広島戦で浦和レッズ加入後初先発したMF南野遥海が0-1で迎えた前半22分に左足のキックでオウンゴールを誘い、同点ゴールを“演出”した。

 G大阪からの加入でさっそく古巣対戦となった開幕戦・G大阪戦では後半途中から出場し、一時は勝ち越しとなるゴールを決めた。3-4で敗れたものの鮮烈なインパクトを残し、この日の広島戦ではスタメンに抜てきされた。立ち上がりから広島に主導権を握られ、前半16分に先制を許す。その後も「正直、自分たちのリズムにはなれなかった」と認める苦しい展開だった。

 そんな中で迎えた前半22分。敵陣右サイドで得たFKを、左利きの南野がゴール前へ送り込んだ。インスイングのふわりとしたボールは、広島の守備ラインぎりぎりを通過。クリアを試みたDF荒木隼人のヘディングが自陣ゴールへ吸い込まれ、浦和が1-1の同点に追いついた。

 「人を狙ったよりは、ポイントを狙ったという感じ」。南野は自身のキックについて、そう説明した。セットプレーに関しては練習からチームとして緻密な準備をしており、「自分のキックのクオリティはチームメイトも理解してくれていると思う。そこは武器にしていきたい」と話す。

 もっとも浦和はその後、前半終了間際に逆転を許す。南野自身も「相手の良さを出されたところがあった」と反省を口にした。課題は明確。ボールを奪っても次のプレーで失い、攻撃のリズムをつくれなかったことだ。南野は「自分たちが解決策を出さないと。試合の流れの中で相手のどこを突いていくか、選手で解決できれば」と語った。

 広島に対しては「ボールを収めて展開した後の攻撃はクオリティが高かった。フィニッシュの精度も相手の方が上手かった」と敗戦を受け止める。それでも外から答えを求めるのではなく、「自分の位置がどうやって相手に対して動かすのかは見つけ出さないといけない」と、自分たちで解決する必要性を強調した。

 「試合中で解決できれば一番良かったが、そこでできなかったのは自分たちがまだまだ成長しないといけないところ」

 開幕から2試合連続の4失点。厳しいスタートとなった浦和だが、南野は下を向かない。次節のFC町田ゼルビア戦に向けて抱負を聞かれると、「大事な一戦だと思う。何か結果を残せることが必要になる。まずは勝ち点3を取れるようにしたい」と力強く言う。

 開幕戦でゴールを決め、広島戦では左足でゴールを呼び込んだ。連敗の責任を背負いながらも、自らの武器をピッチで示し続ける南野。次はその存在感を浦和の今季初勝利につなげたい。

(取材・文 矢内由美子)