久保建英は、立ち上がりから積極的だった。チェルシー戦で待望の先発、63分間プレー。新シーズンを占う最初の手がかりに【現地発】
久保はそこで無理に中へ入ろうとはせず、空いた縦を使った。相手の立ち位置を見ながらタッチライン方向へ運び、前へ出る。得意の左足だけにこだわらず、右足を使った。別の場面では、中盤で相手との間合いを測りながらドリブルで力強く前進し、味方の動きに合わせてスルーパスを狙った。
怪我から戻ったばかりの選手にありがちな、無難にボールを預けて試合へなじもうとする姿はほとんどなかった。自分から局面へ入り、状況を見ながら次のプレーを選ぶ。その積極性こそ、この日の久保から最も強く感じられたものだった。
試合後、久保の取材対応はなかった。監督の会見もなく、現在のコンディションについて本人やペッレグリーノ・マタラッツォ監督の言葉を聞く機会もなかった。ただ、ピッチ上の63分間を見る限り、まだベストの状態には届いていないように映る。それでも、新しいシーズンへ向けた意味は小さくないだろう。
久保は25歳。ソシエダでは今季5季目を迎える。「将来が楽しみな若手」として見られる年齢でも、立場でもなくなった。2022年の加入初年度からリーグ戦で9得点、7得点、5得点と重ねてきた一方、昨季は2得点。今季はまずコンディションを保ち、そのうえで再び数字を伸ばしていくことが何よりも求められる。
そのスタート地点で見せたのが、63分間で少なくとも4本のシュートを放つ姿だった。ロンドンのスタンフォード・ブリッジで見えた積極性が、久保の新しいシーズンを占う最初の手がかりになった。
取材・文●田嶋コウスケ
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