帰省時の新幹線や高速道路の大渋滞で「体調を崩してしまう人」がやりがちなこと。“動画視聴”と“水分控え”に要注意
結果、座位、立位関わらず、視聴時間が30分になると、15分の時と比べて、吐き気、疲労、めまい、頭痛などの症状が顕著になり、乗り物酔いの症状も急に悪化することが分かりました。揺れる車内では、体の三半規管は「揺れ」を感じているのに、目は手元の固定された小さな画面を見つめ続けています。この「視覚と体の感覚の強烈なズレ」によって脳が混乱し、めまいや吐き気といった症状を引き起こすと考えられています。
◆渋滞が怖くて水を控えると、運転ミスが2倍?
次に、車で帰省する人がやりがちな落とし穴です。大渋滞でトイレに行けなくなるのが怖くて、出発前から水分を控える。これは思い当たる人も多いのではないでしょうか。
イギリスのラフバラー大学は、健康な男性11人を対象に、軽い脱水が「長時間の単調な運転」にどう影響するかを調べました。前日から水分を十分にとる日と、大幅に控える日の両方を設け、翌朝、高速道路を2時間運転してもらいました(実際の研究では、高速道路を再現したシミュレーターです)。水分を控えた日は、体重が平均1.1%減る程度の「軽い脱水」でした。
たった1%なら大したことがないように聞こえます。ところが水分を控えた条件では、本人が感じる集中力は約40%、目の覚めている感覚も約50%も低下していました。
そして水分を控えた状態での運転は、十分水分をとった状態と比べて、車線のはみ出しやブレーキの遅れといった事故につながりかねないミスの回数が、なんと2倍以上(平均47回から101回へ)に増加したのです!
このエラーの頻度や判断力の低下度合いは、「血中アルコール濃度0.08%(日本の酒気帯び運転の基準上回るレベル)」の状態で運転した時や、極度の睡眠不足の時と“ほぼ同等”であると推定されています。つまり、渋滞でのトイレを我慢するために水分を控えての運転は、酒気帯び運転と同じくらい判断力が鈍る可能性があることになります。
なぜ、わずかな水分不足でここまで脳のパフォーマンスが落ちるのでしょうか。実は、体が脱水状態になると脳の組織自体がわずかに萎縮してしまいます。その萎縮した状態で無理に集中力を維持しようとするため、脳が過剰なエネルギーを浪費するため、脳がすぐに疲弊しミスを連発すると考えられています。

