【高田 晶子】”群馬県に1店舗”なのにイオンモールを圧倒…!ご当地スーパー「まるおか」に全国から来店者が殺到するワケ

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デパ地下よりも安くて美味い「ご当地スーパー」

いわゆる「ご当地スーパー」が、いまでは「道の駅」と並ぶ地域の観光スポットとして注目を集めている。

'19年より「全国ご当地スーパー協会」を主宰している菅原佳己氏によると、「ある一定の地域でしか展開していない」「地元発祥である」「地元産の食品を多く売っている」という3条件のどれかが当てはまる店をご当地スーパーと定義しているそうだ。

ご当地スーパーのなかには、全国チェーンの大手スーパーとは明らかに違う個性ある商品を取り揃え、地元だけでなく遠方の他県から客が殺到する繁盛店も数多い。

東京大学農学部卒で、全国3万軒のスーパーを巡るスーパーマーケット研究家のスギアカツキ氏はこう解説する。

「昨今、ご当地スーパー各社が特に力を入れているのが、惣菜や弁当、スイーツです。それらはご当地食材を使った「この店ならでは」の魅力が作りやすく、地元メーカーと共同で商品開発しているケースもあります。いまやデパ地下よりも、そのようなスーパーの惣菜のほうが安価なうえに高品質とも言われるほど。過疎化が進む山陰や四国、東北地方などでは、観光客の目的地になって、最大の町おこしにもなっています」

スギ氏の協力のもと、この夏、旅行先や帰省の途中で、思わず立ち寄りたくなる「最高のご当地スーパー」を徹底取材し、リストアップした。

平日でも開店30分前には大行列が…

◆まるおか(群馬県高崎市)

スギ氏のイチオシが、群馬県高崎市に1店舗だけの「まるおか」だ。スーパー界隈の取材をしていると必ず耳にする名店で、食材へのこだわりが強く、いわば「食のセレクトショップ」である。

同店は約210店舗の専門店が入る巨大な「イオンモール高崎」の真横に位置している。それにもかかわらず、全国から来店者が殺到し、リピーターが絶えない。さらには何社ものスーパー運営会社が毎日のように視察や研修に訪れている。

7月上旬の「創業祭」に筆者が訪れると、平日にもかかわらず開店30分前には50人ほどが行列していた。駐車場には、品川、山梨、長野、新潟などの他県のナンバーがズラリ。開店直後には多くの人たちが惣菜コーナーに直行してゆく。

惣菜コーナーには毎日約100種類の多種多様な商品が並ぶ。食品部バイヤーの島田ひとみ氏が解説する。

群馬県は海がないこともあり、寿司が人気です。特にマグロの需要が高く、本格江戸前寿司(1680円)や中トロのにぎり・軍艦・鉄火巻きがセットになったマグロづくし(1680円)が人気。また、惣菜では、うの花(100g当たり200円)や、まるおか特製オムライス(700円)、黒毛和牛の牛飯(800円)なども好評ですが、海苔弁当(600円)が一番売れていますね」

「ローストビーフの概念が変わる」

スギ氏が強力プッシュするのが、群馬県産の黒毛和牛を使った「増田和牛のローストビーフ」(100g当たり1620円)だ。天然塩と黒コショウのみのシンプルな味付けだが、脂の甘みが口の中に広がり、柔らかな肉質が唯一無二。スギ氏は「ローストビーフの概念が変わる」と絶賛する。

まるおか代表取締役社長・丸岡史明氏は力強くこう語る。

「地元の群馬県はもちろん、全国から化学調味料や合成添加物をなるべく避けた商品を仕入れて販売しています。おにぎりや巻き寿司、弁当に使用している風味豊かな『田庄のやきのり』や、県内で売っているのはここだけの『ジョセフィーヌドレッシング』は非常に人気があります。イオンさんとは取り扱う商品が競合しないため、やっていけているのです」

店内で品出しをしていた会長の丸岡守氏は、「ウチは美味しくて体にいいものを提供するというポリシーがある。体を作るのは食べ物なのだから、少し高くてもいいものを食べなきゃ」と、作業の手を止めることなく微笑んだ。

オリジナルのおかきやバウムクーヘンなど、手土産にもぴったりのPB商品も数多く揃う。筆者は1万円ほど「大人買い」してしまった。まるおかに行くためだけに、高崎市を訪れてもいい。

【後編記事】『日本全国【最強ご当地スーパー】プロが教えるマストバイ商品を一挙公開/長野「ツルヤ」福岡「ダイキョーバリュー」ほか』へつづく。

取材・文/高田晶子(ライター)

1982年、北海道札幌市生まれ。週刊誌記者として、芸能人へのインタビューやグラビアを軸に、政治・経済・医療・美容・健康分野等、多岐にわたる取材を担当。'16年に独立後、雑誌などでの取材執筆に加え、写真集や書籍の構成・編集なども行う

「週刊現代」2026年8月17日号より

【つづきを読む】日本全国【最強ご当地スーパー】プロが教えるマストバイ商品を一挙公開/長野「ツルヤ」福岡「ダイキョーバリュー」ほか