6回無死二、三塁からリリーフ登板した織田

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◆第108回全国高校野球選手権大会第10日 ▽2回戦 横浜10―1日南学園(14日・甲子園)

 横浜(神奈川)が日南学園(宮崎)を下し、2年連続の16強入りを決めた。最速157キロを誇る今秋ドラフト1位候補右腕・織田翔希投手(3年)は、同点の6回から救援登板。無死満塁と絶体絶命の危機から、甲子園の球場表示で最速となる156キロを計測するなど無失点でピンチを脱出。直後の勝ち越し劇を呼び込み、横浜では松坂大輔の11勝に次ぐ単独2位の甲子園通算8勝目を挙げた。怪物を超える“大怪物”への飛躍を期待される剛腕が、圧巻投球で聖地を沸かせた。

 108回目を迎えた甲子園で、横浜・織田が新たな歴史を作った。スコアボードに「156」が表示されると、地鳴りのような大歓声が包んだ。同点の6回無死二、三塁で救援登板し、申告敬遠で満塁。「1球で球場の雰囲気を変えよう」との狙い通り、4番・谷口銀次郎の3球目に甲子園最速をマークした。

 歴史的な1球は、序章に過ぎなかった。谷口を155キロで見逃し三振に斬ると、次打者は149キロで二ゴロ併殺打に仕留め、絶体絶命のピンチをしのいだ。「(156キロは)素直に喜んでいいのかなと。自分でもびっくりしたんですけど、本当に恐れとか全くなく。自分なら抑えられるなという気持ちがすごくあった」。直感が正しかったことを証明し、7回以降の打線の爆発を呼び込んだ。

 怒られなくなったことが、“大怪物”への進化を後押しした。2年の秋までは村田浩明監督(40)からカミナリを落とされることもあったが、かけられる言葉が「(状態は)どうだ?」などの問いかけに変わった。指揮官はこの先のステージでの活躍を見据え、「これから自立するためには、しっかりと決断して、自分自身で第三者的に見て、足らないところを分からなきゃいけないよ」と伝えた。

 全てが自己責任。「言われない分、サボることもできるし、逆にとことん自分の中でやることもできる。良くも悪くも変われるチャンスだと思っていたし、そこを機に変わることができた」。神奈川大会決勝では9回に左足を痛めるアクシデントがあったが、「投げられます」と続投を志願して優勝投手に。指揮官は「あんな姿を見たのは初めて。新しい織田。彼の唯一弱い部分、彼にとって敵だった自分自身が強くなった」。殻を破ったエースは、見事に聖地で歴史を作った。

 エースの好救援でチームは甲子園通算70勝目。村田監督は横浜OBの“平成の怪物”松坂大輔氏を引き合いに「球場の雰囲気を変えるという意味で、松坂さんに近いものがあったように思う」とたたえた。「チームを勝たせる投手が自分の中では一番だと思う。必ずチームを勝たせて、結果としては優勝という目標にしっかり結びつけられれば」。頂点だけを見据えて、横浜のエースは歩みを止めない。(小島 和之)