●次回共演は「不倫モノやりたい」 長谷川京子「目的が明確(笑)」
20年以上の親交があり、全話配信中のFODドラマ『ペンション・恋は桃色 season4』で久々の本格共演を果たしたリリー・フランキーと長谷川京子。次に一緒に出演するならどんな作品がいいかと尋ねると、リリーは大人の恋愛作品をリクエスト。そこから、声だけで表現する恋愛ドラマ、男女が言葉に求めるものの違い、「愛してる」という言葉の重さ、そして大人の恋の始まり方まで、2人の話は止まらなくなった――。

(左から)リリー・フランキー、長谷川京子 撮影:蔦野裕

○長谷川京子が知りたいリリーの恋愛

――今後、お二人が改めて共演するとしたら、どんな作品をやってみたいですか。

リリー:不倫モノやりたいよね。

長谷川:不倫ってことは、お互い結婚してる設定?

リリー:別に。濡れ場があればいい(笑)

長谷川:目的が明確じゃないですか(笑)。リリーさんは奥さんに去られてる感じで、私はまだ結婚してないのかな。どこで出会う設定ですか?

リリー:道かな。

長谷川:道!?(笑)

リリー:俺がホームレスで。

長谷川:全然想像できない(笑)

リリー:俺、恋愛モノの映画とかドラマに、あんまり呼ばれたことがないんですよ。

長谷川:実は以前、リリーさんにゲストとして来ていただいたポッドキャスト『長谷川京子のうちにおいでよ』を録った後も、一緒にやってるハタさんと「リリーさんって、どういう恋愛をするんだろうね」っていう話になったんですよ。恋愛すると、実際どうなるんですか?

リリー:いや、いいと思うよ(笑)

長谷川:それ、欲しい答えじゃないんだけど(笑)

リリー:ずいぶんいいと思う(笑)

長谷川:一緒にいたら楽しいのは想像できるんです。でも、それだけじゃない何かがありそうじゃないですか。リリーさんと親密になった人にしか分からない魅力というか。

リリー:「俺と一緒にいると楽しいと思うよ」って、自分では思ってますけどね。

長谷川:そこから先が知りたいんですよ(笑)。ほかの人には見せない一面があるのかな、とか。

リリー:どうなんでしょうね。案外、暗い部分は出てこないと思いますよ。

長谷川:本当かなあ〜?

――気になりますね(笑)

○「声だけでも割といける」ラジオドラマ構想で意気投合

リリー:そういえば、この間、芝居をしていて改めて思ったんだけど、京子ちゃんって声がいいんですよ。普通のことを話していても、なんか気になっちゃう声なんですよね。

長谷川:でも、リリーさんの声も相当なものですよ?

リリー:(渋い低音ボイスで)まあ、僕は随分いい声ですよ。

長谷川:(笑)。私たち、声だけでも割といけるかもしれない。

リリー:ラジオエロドラマ、やりましょうか。

長谷川:やりたい(笑)。昔、『anan』の付録で豊川悦司さんが官能小説を朗読する企画があったんですよ。ああいうの、すごくやってみたいです。

リリー:それ、もうエロ本じゃない(笑)

長谷川:声だけで恋愛モノって、絶対面白いですよね。

リリー:ラジオっていいんですよ。昔、放送作家をやっていた頃によく書いていましたけど、「ここは宇宙です」って言えば、みんな頭の中で超大作を作ってくれる。映像より、想像力の方がずっと贅沢だったりするんです。

長谷川:本当ですね。声だけだからこそ、人の想像力をかき立てられるんですよね。



●「男は言いたくない、女性は言わせたい」恋愛における言葉の違い
(左から)斎藤工、長谷川京子 (C)フジテレビ

――劇中、カコ(長谷川)がはっきりしないヨシオ(斎藤)に詰め寄る場面もありますが、お二人は恋愛において言葉で伝えることは大事だと思いますか?

リリー:なんかさ、男の人って、なるべくありきたりなセリフを言いたくないところがあるんですよね。

長谷川:でも女性は言わせたいんですよ。

リリー:そうなんですよ。だから結局、ベタなことを言う男に持っていかれがちなんですよね(笑)

長谷川:そうなんです。ベタなことを言う人って、大概どうなのかなって思うところもあるんですけど(笑)、言われるとうれしい。

リリー:やっぱり、それが分かっていても言われるとうれしいんですよね。女心は複雑ですよね。

これ、うちの親父も死ぬ前に遺言みたいに言っていたんですけど、「1+1が2なんて当たり前のことを言うのもバカらしいと思ってたけど、女には言わな分からん」って。

長谷川:深いですね。

リリー:「1+1=2だよ」って言わなきゃいけないんですよ。男からすると「そんな当たり前のことを言う必要ある?」と思うんだけど、女性はそこを聞きたいんですよね。

長谷川:でも「1+1は2じゃないんだよ」っていう美学も、男性側にはありますよね。

リリー:そうそう。

長谷川:女性からすると「はいはい」って感じなんですけど(笑)。本当は、「この人も1+1=2って分かっているんだけど、あえて『1+1=4』って言ってるんだな」って、もっと俯瞰して見られたらいいんでしょうね。

○「愛してる」は“一生に一度”の言葉?

リリー:そうなんですよ。だから「愛してる」って言葉も同じで。日本における「愛してる」って、ものすごく特別な言葉じゃないですか。そもそも日本には、もともと今みたいな直接的な言い回しはなかったわけで。「I LOVE YOU」の日本語訳として「愛してる」という言葉が入ってきて、それがいつの間にか最上級の表現になった。本来は「一生に一度言うか言わないか」くらいの言葉だと思うんですよね。

長谷川:うんうん。

リリー:でも、頻繁に言っている人もいる。男から見ると、「そんなに言うか!?」って思っちゃうんだけど、女性はやっぱり、その「愛してる」に弱いんですよね。

長谷川:海外のドラマを観ていると、向こうの人って、正式に付き合う前の段階では、何人とデートしていても別に問題ないじゃないですか。でも「この人」と決めた時には、ちゃんと言葉にする。

そして、恋が深まったタイミングで男性が「I LOVE YOU」と言う。その瞬間を女性は待っているんだと思います。「ついに言ってくれた!」って。

リリー:でも日本人って、大人になると、言葉より先に行為が来ることが多いですよね。好きとか愛してるって言う前に、もうすでに関係が始まっていて。「俺たち付き合ってるよね?」みたいになる。

長谷川:確かに。

リリー:本当は、大人になっても言葉から始まる恋愛の方がいいのかなって思ったり。

長谷川:でも「愛してる」に関して言えば、2人の仲が深まった先にあるひとつのゴールというか。「愛してる」と言ってもらえる関係になったんだ、ということだと思うんです。最初から「愛してる」と言われたら、私はちょっと引いちゃいます(笑)



○大人の恋は言葉か、キスか 「付き合ってください」が言えない問題

リリー:でも例えば、デートだけしている関係で、「付き合ってください」という言葉って、大人になるとなかなか出てこないじゃないですか。そうなると、やっぱりキスが先になったりする。

長谷川:うん。

リリー:でも、それって拒絶される場合もあるわけじゃないですか。

長谷川:「ちょっとちょっと! まだ私たち付き合ってないから」って。

リリー:でも、そのキスをしようとしている行為って、「付き合ってください」に近いものでもあるわけじゃないですか。「付き合ってください」って、いきなり食事のあとに言うのも、なんか青春っぽい感じになるし(笑)

長谷川:「ちょっとちょっと!」って口では言っても……っていう場合もあるじゃないですか。

リリー:本当ですか?

長谷川:とりあえず抗わないといけないというか。でも、それは単純に「まだ早い」ということなんじゃないですかね。気持ちはあるけど、まだそのタイミングじゃない。「私はそんなに簡単には落とせないわよ」っていう。

リリー:でも、そろそろ女性もその感覚は変えた方がいいんじゃないかなと思うんですよ。昔の女性誌で「キスはデート3回目かな」みたいな感覚があったじゃないですか。でも、それは昭和の話ですよ(笑)。だって、3回目のデートまでたどり着かなかったら、そこで終わっちゃうわけだから。

長谷川:いまだに言う人いますよね。

リリー:それって、自分が履いた下駄を脱げなくなっているみたいなものじゃないですか。

長谷川:履いた下駄が脱げなくなる(笑)

リリー:ベッドの上でも、その下駄を履いているみたいな(笑)

長谷川:それはやっぱり「安売りしたくない」みたいな、変なプライドなのかもしれないですね。

リリー:だったらそもそも、3回目じゃないとキスできない男と1回目のデートをしない方がよくないですか?

長谷川:でも女性ってやっぱり……。

リリー:この続きは、京子ちゃんのポッドキャストでいつかまた話しましょう(笑)



渡邊玲子 映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。国内外で活躍する俳優・映画監督・クリエイターのインタビュー記事やレビュー、コラムを中心に、WEB、雑誌、劇場パンフレットなどで執筆するほか、書家として、映画タイトルや商品ロゴの筆文字デザインを手掛けている。イベントMC、ラジオ出演なども。 この著者の記事一覧はこちら