「ヨーグルトを食べる時間」はいつが良いの?目的別の摂取時間も医師が徹底解説!
ヨーグルトを食べる時間帯はいつが良いの?メディカルドック監修医がヨーグルトの健康効果・時間帯別の健康効果・目的別の摂取タイミングなどを解説します。
監修医師:
杉本 大(医師)
日本内科学会認定医・専門医、消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医、プライマリーケア学会認定医
ヨーグルトとは?

ヨーグルトは、牛乳などの乳を乳酸菌や酵母で発酵させてつくられる発酵乳製品です。発酵の過程で乳酸菌が乳糖(ラクトース)を分解して乳酸を生成するため、独特の酸味となめらかな食感が生まれます。ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸内で有用に働く「善玉菌」を含む食品、いわゆる「プロバイオティクス」の代表例として知られています。日常的に取り入れやすく、栄養バランスにも優れることから、さまざまな健康効果が報告されている食品です。
ヨーグルトの健康効果

ヨーグルトには、実際にどのような健康効果があるのでしょうか。現在わかっていることを解説します。
血糖値・2型糖尿病リスクへの関連
ヨーグルトを継続的に摂取している人では、2型糖尿病の発症リスクが低い傾向にあることが、複数の疫学研究(人の集団を対象に病気と生活習慣の関連を調べる研究)で報告されています。ただし、これらの多くは観察研究に基づくものであり、ヨーグルトの摂取が直接的に糖尿病を予防するという因果関係を証明したものではない点には注意が必要です。
体重管理への関連
ヨーグルトは低カロリーでたんぱく質を豊富に含むため、満腹感を得やすく、体重管理に役立つ可能性が報告されています。ただし、エビデンスとしてはまだ強固とは言えず、また糖分を含む製品では逆にエネルギーの摂り過ぎにつながるため、プレーンヨーグルトを選ぶことが前提となります。
心血管・骨の健康
ヨーグルトにはカルシウムが豊富に含まれ、骨密度の維持に役立つとされています。骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでは、1日700~800mgのカルシウム摂取が推奨されており、牛乳・乳製品はカルシウムの吸収率が比較的高い供給源とされています。乳製品摂取と心血管疾患リスクとの関連についても研究が進められていますが、結果は研究によって一様ではなく、今後さらなる検証が必要な領域です。
消化器の健康(整腸作用)
ヨーグルトに含まれる乳酸菌・ビフィズス菌は、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを整え、便秘や下痢の改善に役立つ可能性が報告されています。ただし、どの菌種をどの程度摂取すれば便通が改善するのかについては、まだ十分なエビデンスが確立されていません。
免疫機能・感染予防などへの関連
腸内環境の改善を介して、感染症の予防や免疫機能の調整に役立つ可能性が示唆されており、大腸がんなどのリスク低下との関連を報告する研究もあります。ただし、いずれも観察研究に基づくものが中心であり、今後の研究の蓄積が待たれる段階です。
時間帯別ヨーグルトの健康効果

ヨーグルトを摂取するタイミングによって、期待される効果は変わります。時間帯ごとの特徴を解説します。
朝の効果
朝は、光を浴びることに加えて朝食をとることで体内時計がリセットされるタイミングです。朝食にたんぱく質を含む食品を取り入れることは、体温の上昇や日中の活動性の向上につながるとされています。ヨーグルトを朝食に取り入れることで、手軽にたんぱく質やカルシウムを補給できます。
昼の効果
日中は消化・吸収に関わる臓器の活動が比較的活発とされる時間帯です。間食としてヨーグルトを取り入れることで、空腹感を和らげ、次の食事の食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。ただし、これはヨーグルトに限った特異的な効果というより、一般的な間食のとり方の考え方に沿ったものである点にご留意ください。
夜の効果
夜間は腸のぜん動運動(腸が収縮して内容物を運ぶ動き)が活発になるとされ、就寝前後にヨーグルトを摂ることで翌朝の便通改善につながる可能性を指摘する意見もあります。もっとも、ヨーグルトを食べる時間帯そのものが健康効果に与える影響を直接検証した研究は限られており、現時点では朝・昼・夜のどの時間帯が優れているかを断定できるだけの十分なエビデンスはありません。特定の時間帯にこだわるよりも、毎日継続して摂取する習慣そのものが重要と考えられます。
目的別ヨーグルトの摂取時間

次に目的別に、いつヨーグルトを食べると効果的かを解説します。
便秘解消
就寝前後にヨーグルトを摂ることで、夜間から早朝にかけての腸の動きを後押しできる可能性があるという考え方があります。ただし便通には個人差が大きく、朝食時に摂取して改善を実感する方もいます。ご自身の生活リズムに合わせて、無理なく続けられる時間帯を選ぶことが現実的です。
ダイエット
食事の前にヨーグルトを摂ることで満腹感を得やすくなり、食事全体の摂取量を抑える効果が期待されるという報告があります。間食として甘いお菓子の代わりにプレーンヨーグルトを選ぶことも、総摂取エネルギーの抑制に役立つ可能性があります。
美肌
ヨーグルトの摂取と肌の状態改善を直接示す強いエビデンスは、現時点では限られています。腸内環境の改善が間接的に肌の状態へ良い影響を及ぼす可能性は考えられますが、摂取する時間帯による違いを示すデータは乏しいのが実情です。
睡眠の質向上
ヨーグルトに含まれるたんぱく質には、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」が含まれます。トリプトファンは体内でセロトニンに変換され、さらに夜になるとメラトニン(睡眠を促すホルモン)へと変化しますが、この変換には14~16時間程度かかるとされています。そのため、その日の夜の入眠を意識するのであれば、就寝直前よりも朝食時にヨーグルトを摂取する方が理にかなっているという考え方があります。
健康管理
特定の時間帯を意識するよりも、毎日継続して摂取することの方が重要と考えられます。ヨーグルトに含まれる乳酸菌の多くは腸内に定着しにくいとされており、効果を実感するためには毎日続けて摂取することが推奨されています。
ヨーグルトを食べる上での注意点

健康に良いことが多いヨーグルトですが、いくつか注意するポイントがあります。
添加された糖分・脂質に注意する
市販のヨーグルト、特にフルーツ入りやフレーバー付きの製品には、糖分が多く含まれているものが少なくありません。世界保健機関(WHO)は、肥満やむし歯の予防の観点から、遊離糖類(食品加工の際に添加される糖類)の摂取量を1日の総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しており、さらに5%未満(成人でおよそ25g程度)に抑えるとより高い健康効果が期待できるとしています。ヨーグルトを選ぶ際は栄養成分表示を確認し、加糖されていないプレーンヨーグルトを基本とすることをおすすめします。
また、ヨーグルトには飽和脂肪酸を含む乳脂肪が含まれるため、脂質異常症の方は摂取を控えたほうが良いのではと気になるかもしれません。しかし近年の研究では、プロバイオティクスヨーグルトの摂取がコレステロールや中性脂肪など脂質プロファイルの改善と関連することや、全脂肪タイプでも脂質異常症への悪影響は認められないことが報告されており、脂質異常症があるからといってヨーグルト自体を避ける必要は基本的にありません。ただし心血管疾患リスクが高い方については、低脂肪・無脂肪タイプが引き続き推奨される場面もあるため、加糖されていないプレーンヨーグルトを基本とし、ご自身の脂質管理の状況について気になる場合はかかりつけ医にご相談ください。
乳糖不耐症の方でも比較的摂取しやすい
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、発酵の過程で乳糖の一部を分解しているため、牛乳をそのまま飲むと下痢や腹部膨満感などの症状が出やすい乳糖不耐症の方でも、比較的摂取しやすいとされています。ただし、発酵後に加熱殺菌された製品では乳酸菌が失活しているため、この効果が乏しくなる可能性があります。ご自身の体調を見ながら、少量から試すことがおすすめです。
乳製品の摂取量と前立腺がんリスクとの関連
国立がん研究センターの多目的コホート研究(多数の対象者を長期間追跡して生活習慣と病気の関連を調べる研究)では、乳製品やカルシウム、飽和脂肪酸の摂取量が多いグループで、前立腺がんのリスクがやや高くなる傾向が報告されています。これは乳製品全般に関する報告であり、ヨーグルトのみを対象とした結果ではありませんが、極端な過剰摂取は避け、バランスの良い食生活を心がけることが大切です。
「ヨーグルトを食べる時間帯」についてよくある質問

ここまでヨーグルトを食べる時間帯について紹介しました。ここでは「ヨーグルトを食べる時間帯」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ヨーグルトと一緒に摂取すると良い食べ物について教えてください。
杉本 大(医師)
ヨーグルトに含まれる乳酸菌などの善玉菌(プロバイオティクス)と、その善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維(プレバイオティクス)を組み合わせて摂ることで、より効果的に腸内環境を整えられると考えられています。たとえば、はちみつやバナナ、水溶性食物繊維を含む野菜などと一緒に摂る方法があります。ただし、はちみつは乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、1歳未満のお子さんには与えないようご注意ください。
まとめ:ヨーグルトには様々な効能があり、無理なく摂取する習慣をつけることが大事
ヨーグルトを食べる時間帯そのものについて、朝・昼・夜のどれが優れているかを明確に示す強いエビデンスは、現時点では十分ではありません。むしろ大切なのは、プレーンヨーグルトを選んで添加された糖分を控えめにしたうえで、ご自身の生活リズムに合わせて毎日継続して摂取する習慣です。
便秘解消やダイエット、睡眠の質向上など、目的に応じて摂取するタイミングを工夫することは選択肢の一つとして有用ですが、乳糖不耐症の方への配慮や乳製品の過剰摂取に伴うリスクなど、注意点も踏まえたうえで、ご自身に合った取り入れ方を見つけていただければと思います。
「ヨーグルト」と関連する病気
「ヨーグルト」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系
乳糖不耐症
便秘症
過敏性腸症候群(IBS)
整形外科
骨粗鬆症ヨーグルトの乳酸菌・ビフィズス菌は、これらの消化器症状と深く関わる腸内フローラのバランスに影響を与えると考えられています。また豊富なカルシウムにより骨密度の維持や骨粗鬆症予防に役立つ栄養素の一つです。
「ヨーグルト」と関連する症状
「ヨーグルト」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
便秘下痢
腹部膨満感
これらはいずれも腸内環境の乱れと関連が深く、ヨーグルトの整腸作用が症状の緩和に役立つ可能性が報告されています。
参考文献
骨粗鬆症の予防のための食生活|厚生労働省 e-ヘルスネット
カルシウムを多く含む食品|公益財団法人骨粗鬆症財団
ヨーグルトが腸活におすすめのワケ|株式会社明治
ぐっすり快眠できていますか?|聖隷保健事業部 管理栄養士コラム
砂糖と健康~砂糖と甘味の疑問を解説~(後編)|独立行政法人農畜産業振興機構
乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について|国立がん研究センター がん対策研究所
Effects of Dairy Intake on Markers of Cardiometabolic Health in Adults: A Systematic Review with Network Meta-Analysis
