こちらは、ベラ・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡が観測した「COSMOS」と呼ばれるフィールド(天域)。ろくぶんぎ座の方向にあります。


【▲ ベラ・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡が観測したCOSMOSフィールドとその周辺(Credit: NSF-DOE Vera C. Rubin Observatory/NOIRLab/SLAC/AURA)】

画像には、優美な腕を広げる渦巻銀河、丸みを帯びた楕円銀河、衝突・合体の最中にあるゆがんだ銀河、そして遠方の宇宙に存在する淡く赤みを帯びた銀河まで、実に多彩な姿の銀河がひしめき合っています。


手前にあるはずの天の川銀河の恒星は意外なほど少なく、数十億年も前の無数の銀河や銀河団をクリアに観測することができます。


20年以上にわたって観測されてきた“銀河の宝庫”

満月10個分ほどの広さ(約2平方度)があるCOSMOSフィールドは、恒星や星間物質が集中する天の川銀河の円盤面から離れていて遠方の銀河を見通しやすい上に、天の赤道の近くにあるので北半球と南半球の両方から観測しやすいという特徴があります。


2003年にハッブル(Hubble)宇宙望遠鏡による観測が始まって以来、可視光線のみならず電波やX線に至るまで、世界中の主要な望遠鏡が繰り返し観測してきたCOSMOSフィールドは、新しい望遠鏡の性能を確かめたり、異なる観測データを比較・統合したりする際の“基準点”となる、重要な天域のひとつになりました。


冒頭の画像は、口径8.4mのシモニー・サーベイ望遠鏡に搭載されている32億画素の「LSSTカメラ」で取得した画像を使って作成されました。NOIRLab(アメリカ国立光学・赤外天文学研究所)によると、数百回分の観測データから作成されたこの画像には、50万を超える銀河と5万以上の恒星が写り込んでいるといいます。


【▲ ベラ・ルービン天文台のシモニー・サーベイ望遠鏡が観測したCOSMOSフィールドとその周辺(中央)からピックアップされた10箇所の拡大画像(Credit: NSF-DOE Vera C. Rubin Observatory/NOIRLab/SLAC/AURA)】

10年間にわたる“宇宙の定点観測”

ルービン天文台では今後10年をかけて、南天のほぼ全域を繰り返し観測する観測プロジェクト「LSST(Legacy Survey of Space and Time=時空間レガシーサーベイ)」が進められていく予定です。


ルービン天文台のBob Blum台長によると、COSMOSフィールドは観測頻度が特に高く設定されている領域のひとつになっており、超新星をはじめとする突発天体を数多く捉えられると期待されています。


夜空の移り変わりを10年間追い続けるルービン天文台の活躍、その幕開けを告げる一枚となった冒頭の画像は、NOIRLabから2026年7月31日付で公開されています。


 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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