テレビ信州

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政府は5日、来年4月からの2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を閣議決定しました。家計への効果に期待が高まる一方、長野県内の飲食店などからは厳しい声が上がっています。

閣議決定されたのは、来年4月からの2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げるという方針です。税率の引き下げは、1989年に消費税が導入されてから初めてです。この減税に街の人は…。

長野市・50代主婦
「ありがたいんですけども、それよりも税金の高さを感じてしまって」
大町市・20代非常勤講師
「物価高でいろいろ高くなっている分、今よりは安く買えるのはいいことなんじゃないか」
諏訪市・40代主婦
「少しでも安くなるのはいいことなんですけど、財源はどうなってるんだろうなっていうのは、この子たちに結局負担になるのかなとかちょっと考えちゃいますね」

心配されるのは財源です。

飲食料品の消費税を引き下げることで、国の税収は年間約5兆円減少する見込みです。
消費税は医療や介護、年金などの社会保障の重要な財源です。社会保障サービスを維持するためには、この減収分をどう補うのかが課題となりますが、政府は現時点で具体的な財源策は示していません。

高市総理は、赤字国債に頼らず、税外収入の拡大などで財源を確保するとした上で、2年後には税率を8%に戻す考えを強調しています。

飲食料品の消費税率が1%となる方針を受け、消費拡大への期待が高まっています。長野県内のスーパーでは…

第一スーパー 西條慎也営業課長
「お客さまにとっては非常にありがたいことだと思いますし、それによって購買意欲が上がるようになると思えばうちとしては歓迎かなと」

例えば、この時季人気のそうめん。税率8%の現在は1袋215円ですが、1%となれば14円安くなります。また、5キロのコメは、3229円から3020円となり、209円安くなります。

スーパーでは、外食を控えて家で食事をする人が増え、惣菜の需要もさらに高まるのではないかと期待しています。一方で課題も…。

小椿希美ディレクター
「こちらのスーパーにはおよそ1万点の飲食料品がありますが1%に変わると、この税込みの価格を全て書き換えなければいけないということです」

さらに、税率変更に伴いレジシステムの改修も求められます。

第一スーパー 西條慎也営業課長
「また2年後には元に戻さなくてはいけない状況の中で、また2年後に同じ作業と経費と人件費がかかるっていうところを考えるとちょっと何とも言えないですね」

消費拡大に期待がかかる一方、専門家はある可能性を示唆しています。

長野県立大学グローバルマネジメント学部 穴山悌三教授
「これまで消費者の購入する価格を、かなり意識して事業者の方が値付けをしているというところがある。例えばいろんな原材料とか光熱費、そうした事業に必要な費用がずっと上昇傾向を続ける中で、そうなったらこれまで我慢してずっと自分の負担で何とか耐えてきた事業者さんがちょっと値上げしようかということもありますので、そうなると物価がまた上がるということも否定できないと思います」

その事業者側はというと…。

「こんな厳しい時代は本当になくて…」

県内外で10店舗のラーメン店を経営する塚田兼司さん。飲食業界一筋40年です。飲食料品の税率が1%に引き下げられると、10%の外食との税率差は広がります。

塚田兼司さん
「外食する人が極端に減るのではというのをかなりみんな気にしている。もし飲食店への補助がなかった場合は、多分3~4割の飲食店がつぶれちゃうんじゃないかくらいに考えていますね」

国民食とも言われるラーメン。大幅な値上げが難しい中、多くの店は物価高によるコスト増も十分に価格へ転嫁できません。塚田さんは、今回の消費減税がさらに経営を圧迫しかねないと話します。
また、持ち帰りの商品は、税率1%の対象になる予定ですが、時間がたつと麺が伸びてしまうラーメンは、テイクアウトに向きません。

塚田兼司さん
「ラーメンはテイクアウトしてまで食べるお客さんはいない。飲食店の業種によってもかなり厳しい」

高市総理は、秋にも開かれる臨時国会に減税の法案を提出する方針ですが、参議院では少数与党の中、野党の賛同を取り付けられるのかが焦点となります。