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構想日本の加藤秀樹代表が、日本の現状や問題点、未来への提言を語るOBSのラジオ番組のコーナー「加藤秀樹が語る、日本の未来構想」。今回は、7月に議員立法として可決された「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」いわゆる国旗損壊罪をテーマに、日本の政治が抱える構造的な問題点について持論を展開した。

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表現活動を制限する恐れも

7月に成立した国旗損壊罪は、日本の国旗を壊したり、落書きなどの汚損を行ったり、燃やしたりした場合に罪を問うというものだ。具体的には「著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、または汚損をした場合」が対象となる。

これまでは、他人の所有する国旗を壊せば「器物損壊罪」に問われ、外国の国旗を損壊した場合は外交問題に発展する恐れがあるため、既存の法律で処罰の対象となっていた。

しかし、自国の国旗そのものの損壊を罰する法律は、日本に存在しなかったが、今回の法成立により新たに処罰の対象となった。

この法律に対しては「表現の自由の侵害である」という反対意見が少なくない。加藤氏は、条文に記された「著しく不快」「公然と」といった要件が極めて曖昧であることを指摘する。

極端な例として、子どもが国旗に描いた落書きがたまたま外から見え、それを不快に思った近隣住民が通報すれば、警察が介入する可能性すらあるという。加藤氏は、密告が横行した戦前の日本を彷彿とさせる事態であり、芸術家による表現活動を制限する恐れもあるとの懸念を示した。

ヨーロッパ諸国との決定的な違い

海外の状況に目を向けると、表現の自由を重んじるアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど、イギリスの法体系を原点とする国々では、国旗損壊は処罰の対象となっていない。

一方で、フランス、ドイツ、イタリアなどのヨーロッパ大陸の国々には国旗損壊を罰する法律が存在する。

しかし、加藤氏は『これで日本も世界水準になる』という単純な議論には疑問を投げかける。ヨーロッパ諸国における国旗は、国家が革命や戦争をくぐり抜けて獲得した「理念」の象徴であり、その理念を踏みにじる行為を罰するというのが各国の国旗損壊罪の趣旨だからだ。

各国の国旗には、次のような明確な理念が込められている。
ドイツ:ナチスと決別して確立した「戦後民主主義」の象徴。
フランス:フランス革命の理念(自由・平等・博愛)を掲げた「共和国」の象徴。
イタリア:王家の家紋を外した「戦後の再出発」の象徴。

これらの国々では、「国家の根幹となる理念を害する行為をしてはいけない」という明確な理由がある。対して、日本の法案の提案理由は「国旗を大切に思う国民の感情を守るため」とされている。

加藤氏は、祝日に国旗を掲げる年配の方をはじめ、自らの心の発露として国旗を大切にしている国民は多く存在するとし、法律でなんとでも解釈できる曖昧な理由づけをすることに疑問を呈している。

「ねじれ現象」「保守の概念欠如」

さらに加藤氏が注目するのは、この法案を巡る政治的スタンスの奇妙な「ねじれ」である。

国旗や皇室に関するルール作りは、一般的に右寄り・保守系の政治家が熱心に推進する傾向がある。

しかし、保守を掲げる団体である「一水会」はこの法案に反対している。一水会の反対理由は「国旗を大切に思う愛国心は、個人の心の中から湧き上がるものであり、国が求めたり、ルール化したりするものではない」というものだ。加藤氏もこの理屈に同意する。

一方で、世界を見渡すと、国旗の扱いに厳しく、すぐに逮捕されるような国は、中国やロシア、北朝鮮といった元々社会主義を掲げる「左」と呼ばれる国々である。

加藤氏は、日本の保守系政治家が世界の「左」に近い法案を推進し、日本の保守系団体がそれに反対するという不思議な現象が起きていると解説する。

このねじれ現象の背景について、加藤氏は「日本の政治家に『理想』や『理念』がない。あるいは『保守』といった概念について、深い考えが欠如しているからではないか」と分析する。

ヨーロッパのように守るべき明確な理念がないまま、ただ「権力を使いたい」「自分の考えに従わせたい」という感覚だけが先行しているのではないか。

こうした権力の乱用とも言える姿勢が、理念や理想を持たないトランプ氏の手法にも似ていると指摘。加藤氏は「本来、権力とは明確な理想や理念に基づいて行使されるべき」と強く訴えた。